井上:現在の業務内容について教えてください。
竹井:わたしは、ソーシャルアプリの開発に携わっています。あらゆるプラットフォームに乗せられるように、仕様を考えながら楽しく進めています。自由な開発時間が与えられる「どぶろく制度」を利用して、iPadを親機、iPhoneを子機として大勢で遊べるアプリを開発しました(※1)。6月11日に行われたインフィニティ・ベンチャーズ・サミット(IVS) が主催するLaunchPadで発表し、見事4位に入賞しました!
以前にもどぶろく制度で作ったプロダクトが社内を飛び出していった例があります。そのときは、ミニ四駆をAndroid端末で動かすアプリを作りました。もとは自分が好きで開発していたのですが、ワークスアプリケーションズの社員と一緒に行った勉強会で発表したところ、非常に受けがよかったのです。ミニ四駆を動かしている動画やスライドを公開したら、ミニ四駆世代から大いに反響をいただきました。いまは、ある大手玩具メーカーから、「このアプリを生かしたおもちゃが作れないか」という話をもらっています。自分の興味から始まった開発ですが、開発で必要なAndroid端末は会社に買ってもらいました。必要な備品は会社がきちんと購入してくれるので、とてもありがたいです。
※1 参考記事:「iPadとiPhoneを連動させたパーティーゲーム、KLabが開発」
鈴木:わたしは現在、ソーシャルアプリの開発を行っています。その中でもコアとなる部分のアーキテクチャの改良に注力しています。アプリを作るだけなら、ベースの部分は既存のものを使うといいのかもしれませんが、チーム内で「本当に良いものを作るにはどうすればいいか」と考えた結果、コアの部分から作り直すことにしました。「いわれたものをただ作るだけではない」というKLabの風土も手伝って、わたしたちチームの試みは受け入れてもらえました。
ソーシャルアプリは、企画とのコラボレーションです。企画の意図をしっかりと理解して、「技術的に可能か」「もっとこうしたらどうか」といった提案を出しながら、よい意味でぶつかり合いをしています。しかし、企画担当者も強い思いをもっています。その思いを叶えるのも、エンジニアの仕事ですね。わたしは業務で自分のやりたいことができているので、どぶろく制度は利用していません。
高田:研修後は『yumy(ユミィ)』(※2)というCGMサイトのプロジェクトにアサインされました。大規模サイトのプロジェクトでしたが、任された裁量も仕事量も大きく、とてもやりがいがありました。
また、Painticaの開発を同時並行で進めていました。企画担当者が「Googleマップ上に絵を描けるサービス」というアイデアを持ってきたことから、プロジェクトは始まりました。研修でお絵描きチャットを作った経験があったので、すぐ制作に取り掛かりました。具体的な仕様は何も決まっていなかったので、自分で考えて形にしていきました。大きなプロジェクトと同時に進めていたので、かなり大変でしたね。そうしたら、新卒で入ってきた竹井君がちょうどPaintica興味を持ってくれたので、渡りに船とばかりに手伝ってもらいました。PainticaをIVSで講演することができたのは、本当にいい経験でした。現在はソーシャルアプリの開発を進めています。鈴木さんと連携しながらアプリのmixi版とモバゲー版の開発を行っています。
※2 現在はSNS『yumy(ユミィ)』を閉鎖し、歌詞検索サイト『うたまっぷモバイル』にリニューアル
井上:ずばり、今後の野望について教えてください。
竹井:新しい未来を切り開いていけるサービスや仕組みを追求し、実現していきたいと思っています。一方で、わたしは技術そのものを追究するつもりはあまりありません。新しいサービスを探求していく過程で必要になったとき、その都度技術を極めていければいいと考えています。
鈴木:わたしは、ハイブリット型のエンジニアを目指します。ソーシャルアプリを開発していて思うのは、「企画とのコミュニケーションやフットワークの軽さが、開発現場において非常に重要になってきている」ということです。企画担当者の気持ちをエンジニアの立場から汲み取れる人間、自分でも企画を考えられるような人材を目指しています。
高田:僕は技術を追求していきたいですね。アルゴリズムを考えるのが好きですし、この分野をさらに深めていきたいです。ただ、技術そのものを追究することが、本当に世の中の役に立つのか……という不安はあります。とはいえ、KLabはこれまで追究して磨いた技術で、さまざまなサービスの基盤を担っています。なので、わたしも技術――ほかの誰にもできない自分だけの技術を追究して、世界を支える基盤を作りたいと考えています。
エンジニアが「やりたいことをやる」会社、KLab。やりたいことを仕事として自ら生み出し、最終的に収益に変えていくことは、決して楽しいばかりではありません。
しかし、お話を聞いた3人の若手エンジニアは、チャンスを大いに生かして、活動フィールドをどんどん広げています。何より、皆さんが仕事のことを楽しそうに話す姿が、とても印象的でした。若手エンジニアが与えられるチャンスを最大限に生かしながら、常に最先端の技術やサービスを発信し続ける。まさにアツきエンジニア集団。今回の取材もとても満足できるものでした。ありがとうございました!
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