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面接官の視点と本音

第1回 就職活動は、学生にとって「アウェーゲーム」である


新田龍
2010/3/30


多くの就活学生が悩む「面接対策」。そもそも面接官は何を見て学生を判断しているのか。IT系企業の面接官経験もあるキャリア教育プロデューサー 新田龍が「面接官の本音」を語る。

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 企業の新卒採用活動が本格化してきました。筆者のもとにもIT業界志望の学生たちが日々、相談にやってきます。特に「面接」についてはなかなか練習する機会がなく、企業側も合否の理由を明らかにしないため、対策を立てにくいのが悩みの種のようです。実際、

 「何を話したらいいか分からない……」

 「そもそも会話するのが苦手だし……。自己PRなんてとてもとても……」

という不安の声をよく聞きます。

 ちなみに筆者は大学で就職活動生の指導をしつつ、現役の企業経営者/採用責任者として、学生の面接を行っています。サラリーマン時代は上場企業で新卒採用担当をやっていましたし、コンサルタントとして某東証一部上場IT系企業の面接官も経験しました。

 今回は、わたしの経験を基に、「面接官の視点と本音」について詳しく考察していきたいと思います。

■ 就職活動は「アウェーゲーム」!

 まず、就職活動に臨む学生の皆さんに知っておいていただきたいことがあります。それは、

 「就職活動とは、アウェーゲームだ!」

ということ。「学生時代とはまったく違う価値観とルールが支配する世界に移っていくのだ」という覚悟が必要なんです。

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 社会人と比べると、学生時代は気楽なものです。自分と話が合う人や、価値観が合う人とだけ付き合っていればいい。サークルでもアルバイトでも、「なんか雰囲気が違う」「合わない」と感じたら、辞めれば済みます。

 でもでも、社会人となるとそうはいきません。上司や同僚、お得意先の担当者は選べないので、「どうも気が合わない人だ」と思っても、うまく関係を築いていかなければならないのです。共通言語がなくても、価値観が合わなくても、一緒に仕事をやっていかなければなりませんし、「どうも合わない」と感じても、簡単に組織を離れるわけにはいかないのです(ついでに付け加えると、夏休みは5日くらいしかありません……)。

 就職活動は、そんな「まったくルールが違う『ビジネス社会』でやっていくという覚悟」があることが大前提なのです。従って、就職活動におけるあらゆること(人柄、マナー、対人印象、服装、経験、実績、価値観、可能性、技術力、文章力、コミュニケーション力など)はすべて、「ビジネス社会」レベルのものに「翻訳」しなければならないのです。

 では続いて、「面接官の判断基準」について解説します。

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筆者プロフィール
新田龍(にった りょう)
ブラック企業アナリスト、キャリア教育プロデューサー、大学講師、株式会社就活総合研究所 代表取締役、および株式会社ヴィベアータ 代表取締役。
早稲田大学政治経済学部卒業後、ネット上で「ブラック企業」といわれる2社において事業企画、コンサルタント、人事採用職を経て独立。「すべてのはたらくひとをハッピーに」を目指し、これまで5000人以上の面接・カウンセリング経験、早稲田大学など20大学でのキャリア指導経験を持つ。著書に『人生を無駄にしない会社の選び方』、(日本実業出版社)がある。

連載:学生よ騙されるでない! ブラック企業の見抜き方



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