業界、業種、職種、会社規模、歴史、文系/理系、年齢、男女の別などはまったく関係なく、どの会社のどの面接官でも共通して判断している基準があります。それは、皆さんがビジネスパーソンとして、
というものです。
もう少し具体的にいうと
「この場で自社の名刺を持たせて、いまの状態のままで自社社員として客先に安心して行かせることができるか?」
ということですね。
つまり、顧客(=初対面の社会人)が最低限、不快感を抱かない程度の「ビジネスパーソンとしての基礎」を実践できている必要があるのです。具体的なポイントとしては、大きく「対人印象」「話の内容」「意欲や姿勢」という要素に分かれます。具体的な内容については次回、詳細に解説します。
よく「面接は最初の7秒で決まる」といわれます。これは、「7秒でその人の内面まですべて見抜ける」といった超人的なテクニックのことではありません(実際のところ、そんな面接官はいません)。7秒で、「そもそもこの人と一緒に働きたいと思うか」「この人の話を聞きたいと思うか」という「第一印象」を判断しているわけですね。
では、面接官は、「第一印象」をどのような基準で判断しているのでしょうか。
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まずは「当社の社員として恥ずかしくない」という観点から、「清潔感のある身だしなみができているかどうか」をチェックします。チェックポイントは服装のみならず、髪型、表情、姿勢、靴などにもおよびます。この段階で「NG」の判断を下されてしまうと、面接中にいくら良い話をしたとしても、名誉挽回するのは難しいでしょう。なぜなら、その姿を見たお客さんも、同様の判断を下すはずだからです。
技術力に自信のある学生は、「そんなところしか見ない会社には行かないよ!」と思うかもしれません。もちろん、「人間は中身が大事」というのは当然です。しかし、ビジネスの現場では、中身を知る前に、まずは外見で判断されてしまうことが一般的であり、第一印象によっては「中身まで興味が至らない」ということもありえます。ですので、面接ではあくまで「ビジネス社会のルールで判断される」ことを心に留めておきましょう。
IT系でも規模が大きい会社の場合、採用予定人数の100倍以上の学生が応募してきます。大量の受験者を相手に効率的な対処が求められるので、特に選考の初期段階では、集団形式の面接を行うのが一般的です。1グループ当たり、少ないときで2〜3人、多いときだと10人以上が一堂に、限られた時間内で面接を受けるわけです。必然的に、1人当たりが話せる時間は短くなります。通常は数分、多くて10分程度というところでしょう。
面接官の経験があれば実感できるのですが、こういった場合、残念ながら「学生がどんな内容の話をしたか」はあまり記憶に残っていないものなのです。むしろ、「声の大きさ」「トーン」「カツゼツのよさ」「笑顔」「姿勢」など、表面的な印象による判断が多くを占めることになってしまいがちです。
初期段階での面接通過率は、高くても50%程度。もし10人のグループで面接を受けたら、「その中のベスト3に入れるかどうか」あたりが合格ラインになるというイメージです。まずは第一印象でビジネスレベルを示しましょう。
グループディスカッションは面接の一種で、IT系でも採り入れている企業は多いようです。学生4〜8人程度がグループとなり、テーマを与えられて制限時間内に討論し、その様子を面接官が観察します。意図としては、実際の仕事に近い状況をつくり出し、皆さんのコミュニケーション能力、積極性、協調性、他者への気配りなどの有無を見極めることにあります。
「発言する」ことは最低限ですが、「自分だけが一方的に話す」「他人の話をさえぎる」「他人の発言を繰り返してばかり」といった行動は評価につながりません。「ほかの参加者の意見を正しく理解し、結論を導くために、その場に貢献できる発言・行動ができているか」が評価です。意識して臨むよう心掛けましょう。
次回は、IT/技術系企業における「内定を得ている人の共通点」について解説します。
| 筆者プロフィール | |
| 新田龍(にった りょう) ブラック企業アナリスト、キャリア教育プロデューサー、大学講師、株式会社就活総合研究所 代表取締役、および株式会社ヴィベアータ 代表取締役。 |
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| 早稲田大学政治経済学部卒業後、ネット上で「ブラック企業」といわれる2社において事業企画、コンサルタント、人事採用職を経て独立。「すべてのはたらくひとをハッピーに」を目指し、これまで5000人以上の面接・カウンセリング経験、早稲田大学など20大学でのキャリア指導経験を持つ。著書に『人生を無駄にしない会社の選び方』、(日本実業出版社)がある。 連載:学生よ騙されるでない! ブラック企業の見抜き方 |
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