10人の学生がいれば、10通りの就職活動がある。内定を得た学生たちの「就活戦記」を読むことで、自らの就職活動に役立ててほしい。 ※本連載は書籍『ぼくらの就活戦記』の著者である森健氏の許可を得て抜粋したものです。技術系職種で内定を得た学生のケースを紹介していきます。なお、表記の一部を@ITの校正ルールに沿って直しています。 |
僕は大学2年生を3回やりました。留年を2回したからです。
夏は外房の海の家で呼び込みのアルバイトをしたり、自分の愛車、白のスポーツカーをキラキラしたライムグリーンに塗装したり……。要するに遊んでばかりいたんです。車を改造したり、バイクでツーリングしたり、一時期は完全に大学に行ってませんでした。
![]() ぼくらの就活戦記 森健(著) 文藝春秋 2010年10月 798円(税込み) |
いま思うと恥ずかしいほど遊んでばかりの日々でした。就職については、周囲が活動したり、大学で企業説明会が始まって気付くまでは、真剣に考えたことはありませんでした。
大学に来ていた企業は、鉄鋼や文具、建材などさまざまありましたが、多くは部品メーカーでした。ただ、自分としては昔から自動車が好きだったので、自動車業界に進みたいと思っていました。
もともとうちでは親が車好きで、小さいころから幕張のモーターショーなどによく連れていってもらいました。自分では学生になってスポーツカータイプの車に乗っていたんですが、実際に作りたいと思っていたのは、軽自動車でした。エンジンを含めて、車体の鋼板などももっと軽くて丈夫なものが使えないかと考えていました。
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というのも、大学の専攻は金属材料で、チタンアルミ合金や高温でも耐えて扱いやすい金属など合金の研究をしていました。入学当初は、自動車エンジンにも関わる流体力学の方に関心があったのですが、途中から金属素材の方に関心が移っていきました。
スズキへの応募は3月の終わりごろでした。大学で学校推薦の求人一覧が発表されて、その中にスズキの名前があったんです。推薦応募枠は3〜5人。そこで、学校推薦に必要な書類を書いて就職課に出しました。A4用紙1枚に研究内容を取りまとめ、大学所定の履歴書を付けました。
研究報告には、金属間化合物のことを書きました。自動車でいうとタービンのプロペラとかスペースシャトルのタービンで、高温でも使用できる軽い金属素材の研究です。
選考はゴールデンウィーク前くらい。面接は人事と技術の各1回でした。
筆者コメント:結果からいえば、スズキへは学校推薦での入社となったが、当初は2社ほど自由応募でのエントリーもしていた。どちらも拠点は地元の千葉だが、1社は鉄鋼系の大企業、もう1社は電気系の施工会社。規模はまったく異なる。「地元で研究を生かせる場」というくくりで選んだのだという。だが、時間が経つにつれて、元の希望であるスズキに戻っていった。 |
「なぜ留年したのか」「自動車好きは分かるが、なぜスズキなのか」 | ![]() |
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