人事面接では、勤務地などに関する細かい質問のあと、あなた自身をPRしてくださいといわれました。事前に自己分析も勉強面と性格面を分けてしたのですが、その場で答えたのは、割と親しみやすい性格だろうという話でした。留年したこともあって、いいかげんに見えてしまうし、本人としては真面目なんですが、真面目さが伝わりにくいという話もしました。ただ、比較的カンの鈍いほうではないとも思っていて、それはコミュニケーションの方法にも出ていると思うんです。
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例えば、夏の海の家のアルバイトは客引きの仕事だったので、相手によって接客の態度をいろんなパターンで変えていたのもその1つだと思います。カップルであれば「パラソルどうですか」といい、ファミリーであれば「浮き輪どうですか」と商品を変えたり、強引に売り込む場合もあれば、礼儀正しくいくときもある。ほぼナンパに近い話ではありますが、そういうカンの良さは仕事にも役立つんじゃないかと自分で思っていました。
技術の面接では、なぜ留年したのかを鋭く突っ込まれました。一瞬、ここはストレートに話すと危険かもしれないと思いました。でも、面接の様子から、やはり正直に話したほうがいいと判断し、素直に「遊んじゃいました」と答えたんです。この人たちに嘘はつけないとも思いましたし、本当のことを話しても分かってくれそうな雰囲気があったからです。
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予想通り、「正直でいいね」と笑って済ませてくれました。
ただ、予想と異なっていたのは、思ったよりも社屋が小ぢんまりしていたということと、あちこちで電気が節約してあって暗かったこと。
「大丈夫なのかな?」
そんな風に変に心配になったのを覚えています。
「自動車好きは分かるが、なぜスズキなのか」
そんな質問もありました。これに答えるのは簡単でした。事業が軽自動車主体なので、日本の狭い道路事情にはちょうどいいということ。また、売り上げが伸びており、生産台数では一番。ただし、燃費では他社に負けているところがある。だから、燃費の分野でも1位になりたいという話をしました。
そんな選考のあと、まもなく内定の通知を電話でもらいました。
なぜ内定をとれたかを考えるに、僕の場合、学業の成績を買ってもらったのではないと思うんです。留年もしたように、成績が良くないのは明らかです。ただ、車が心底好きで、生産の現場に出たいという意気込みは伝えられました。悪い成績ながらも途中でドロップアウトせずに、卒業できて本当に良かったと思います。
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