――後半のグループワークでは、どのようなことを行いますか。
清水:グループワークでは、中間発表のように「制作課題」を出し、3〜4人のチームごとに作業してもらいます。
期間は2週間。企画の立案、仕様作成、実装、テストまでを行います。1つのチームごとに、社員が1〜2人ほど付いて相談役となり、技術サポートを行います。
ただの課題ではなく、業務に近いフローで作業することで、「仕事」全体の流れが見えるようにしてあります。
――なるほど、「実践型」というモットーにのっとったプログラムですね。この経験で、学生は何を学ぶことができるのでしょうか。
清水:グループワークは「実際にチームで作業する」ことを体験してもらうのが目的です。大学の授業でプロダクトを作る経験をしている学生はそれなりにいます。しかし、彼らの多くは「1人でものを作る」ことには慣れていますが、「チームで作る」という経験をしていないことが多いのです。しかし仕事はチームでやるものです。そのため、「チームでものを作る」とはどういうことなのかを知るのは、ITエンジニアを目指すうえで非常によい経験になると思います。
また、学生が作りたいものを作るので「プログラミングって楽しい」「仕事って楽しい!」と思ってもらえると思います。
――グループワークの様子を教えてください。
清水:学生も社員も、非常に仲がいいですね。一緒に中間発表を乗り越えたためか、一体感があります。みんなとても真剣で、議論に熱中する場合もあります。ときにはケンカ状態になることもありますが、それも青春の1ページだと思います。
――南大津さんは2007年のインターンシッププログラムに参加し、就職活動を経てadingo(ECナビのグループ会社)に入社したそうですが、なぜインターンシップに参加しようと思ったのですか。
adingo 南大津寛氏
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南大津:「自分はプログラマとして働けるかどうか」を見極めたかったからです。当時、わたしには「Web企業で働きたい」という希望がありましたが、志望職種は特に決めていませんでした。企画担当になるかディレクターになるか、それとも営業になるかと考えていたときに、プログラマとして自分はやっていけるか、ということを考えたのです。情報系学部ではなかったため、プログラミング経験はほとんどありませんでした。どうしようかと迷っているときに、ちょうどインターンシップ募集を見つけたので、応募しました。
――実際に参加してみて、インターンシップはどのような様子でしたか。
南大津:「脳から汗が出る」かと思うほど、頭を使いました。あとは、「エンジニアが皆楽しそうに働いている」ということが印象的でした。雰囲気が全体的にとてもよかったですね。インターンシップに参加した学生も社員も本当に仲がよくて、一緒に花火をしたり飲み会に行ったりしながら、ものづくりをしていました。
――インターンシップに参加して得たものは何ですか。
南大津:まずは「技術力」ですね。ほとんどプログラミング経験がなかったにもかかわらず、1カ月後には本当にゼロからものを作れるようになりました。技術力がついて自信がついたことも大きいです。何より、参加前に考えていた「自分がプログラマとしてやっていけるかどうか」についての答えも得られてよかったです。
――自分はプログラマとしてやっていける、と。
南大津:はい。自分はプログラマの仕事が楽しいし、ちゃんとやっていけると分かったことは大きな収穫です。
――就職活動をどのように行ったのか、教えてください。
南大津:就職活動時にはいろいろなWeb企業を回りました。会社訪問や面接も何社か行きましたが、最終的にECナビに就職することを選びました。
――ECナビを選んだ理由は何ですか。
南大津:「楽しそうに仕事をしているエンジニアが一番多かった」からです。就職活動中、わたしは「楽しく働きたい」という軸で企業を回っていました。何社も企業訪問をしましたが、ECナビ以上に楽しそうな雰囲気を持つ会社には巡り合えませんでしたね。インターン期間中、しっかりと企業風土を感じられたのがよかったのかもしれません。回りまわってECナビに戻ってきたとき、「この会社でならやっていける」と確信しました。
――企業をじっくり見られたことがいい方向に進んだということですね。最後に、後輩にインターンシップ参加について相談を受けたとしたら、どんなアドバイスを送りますか。
南大津:インターンシップに参加した方がいい! と必ず勧めますね。社会経験をする、という以上のものをわたしは得られました。わたし自身はインターンシップを就職活動中にアピールしませんでしたが、「自信がつく」ということは、就職活動にプラスに働くでしょう。
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