■ 「下積み時代はない」「3年で一流技術者」「面白い仕事をする」
では、それぞれの会社に入るとどんなやりがいを得られるのか。
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DeNAでは「1年目から活躍できる」ことが特徴だ。「DeNAの技術者には『下積み時代』を用意していません。1年目から重要なプロジェクトで、エキサイティングな経験をしてもらいます。最初は大変かもしれませんが、その分だけ成長してもらいたいと考えています」と武部氏は語る。
モバイルファクトリーの木村氏によれば、「好きなことを仕事にできることが一番のやりがい」だという。同社ではプロジェクト単位で役割を分担するため、設計から開発、運用や障害対応、場合によっては企画までを担当する。「プロジェクトのローテーションを定期的に行っているため、さまざまな技術を学ぶことができます。こうした環境で働くことができれば、3年で一流のエンジニアになれます」と木村氏は主張する。実際、新卒で入社して3年目の技術者は、現在はエースとして活躍しているという。
カヤックの佐久間氏は、「見ているだけで『仕事って面白い!』という雰囲気が伝わる働き方を提案できるのが、カヤックの特徴」だと語る。また、挑戦できる技術の幅が広いこともポイントだ。同社では、モバイルやPC向けのWebサービス開発はもちろんのこと、最近ではソーシャルゲームやiPhone/androidアプリも積極的に開発している。「新しい技術にはどんどん挑戦しようという方針で、面白いと思ったことは何でもやっていますね」と、佐久間氏は説明した。
■ カヤックが考える『面白さ』 の定義
学生1人ひとりが企業の各担当者に自由に質問をした。カヤック、モバイルファクトリー、DeNAの順で、学生の質問と企業側の回答を一部紹介する。
Q:「カヤックには『どんな技術にもチャレンジできる』など、ものすごく自由なイメージがあります。社内は実際にイメージどおりなのでしょうか。また、どの程度自由にできるのでしょうか?」
カヤック:「わりとイメージどおりで、中から見ていても『カヤックは本当に自由だなぁ』と感じます。仕事を楽しみ、楽しくなるところまでやり切る社員が多いから、自由に見えるのかもしれません。プロジェクト進行における裁量のほとんどを各社員に任せているため、目標に対してのアプローチ方法は社員ごとに異なります。そのため、社員それぞれの個性が出ますね」
Q:「収益構造はどうなっているのですか?」
カヤック:「自社サービスの運営と受託によるWebサイト制作が、収益の2本柱です。割合は年により変動しますが、リソース配分でいえば半々くらいです。自社サービスで実験した新しい技術が受託での開発案件に繋がることがあるため、自社と受託の両輪でカヤックは回っています」
Q:「カヤックはいつも『面白い』を追求しているが、『面白い』の定義とは?」
カヤック:「『新しくてユニーク』、つまりオリジナリティがあることですね。新しくてユニークなことであれば、とにかく何でもやってみる、そしてそれをたくさん作ります。これはWebサービスだけに限りません。例えば、今年は寿司面接というものを試みています。文字どおり、お寿司を食べながらの面接です。初対面の方とお寿司を食べるのはなかなかないことだと思います。リラックスした雰囲気で面接をするため、面接を受けた人には楽しんでもらえているようです。そして何より、担当した面接官が一番楽しそうでした」
■ 仕事も趣味もプログラミング! モバイルファクトリー技術者の日常
Q:「モバイルファクトリーには、今後どのような目標がありますか?」
モバイルファクトリー:「2014年までに1億人のユーザーに使ってもらうという目標があります。日本の人口が約1億3千万人くらいですから、実質『海外に進出する』という宣言になりますね」
Q:「新入社員には『最低限の技術力』が欲しいということですが、最低限のレベルとはどのくらいでしょうか?」
モバイルファクトリー:「授業で何度かプログラミングをやった、というレベルで大丈夫です。しかし、重要なの『プログラミングが好きかどうか?』だと思います。好きであれば、優秀な先輩エンジニアと一緒に仕事をしていく過程で、いくらでも技術を吸収できると思います」
Q:「社内勉強会について、詳しく教えてください」
モバイルファクトリー:「基本的に毎日、コードレビュー勉強会を開催しています。勉強会は業務時間内に開催していて、システム開発部のメンバー全員が参加します。発表者はローテーション制で、若手であればその日に業務で書いたコードを先輩社員にチェックしてもらえます。外部のカンファレンスなどで講演している社員が発表者の場合、イベントで仕入れた最新技術や情報を共有します。目的は、『情報共有』と『システム開発部全体の技術力向上』です」
モバイルファクトリー システム開発担当 木村岳文氏(手前) 人事総務部人材開発グループ 小泉啓明氏(奥)。 「ソーシャルアプリの面白さは?」と質問する学生もいた |
Q:「技術者というと、残業が多いイメージなのですが」
モバイルファクトリー:「システム開発部のメンバーはほとんど残業をしません。仕事は定時で終わらせて、外部の勉強会に参加したり、趣味の開発や研究をしたりしている人が多いです。うちの社員は皆、本当にプログラミング好きなんですよね」
■ DeNAはフラットな職場。取締役や役員に誰でも相談できる
DeNA ヒューマンリソース本部 渡辺真理氏(左)、 ポータル事業本部システム部部長 武部雄一氏(右)。 技術のことと採用のことを同時に聞くことができる |
Q:「入社時には技術力がなくても大丈夫とのことですが、どのような教育体制なのか教えてください」
DeNA:「技術習得を支援するプログラムは2つあります。まず、技術レベルに合わせてグループを作り、それぞれに合わせた技術研修カリキュラムを用意しています。また、1人ひとりに合わせた先輩エンジニアをつけるメンター制度を実施しています」
Q:「DeNAならではの強みとはどんなものでしょうか?」
DeNA:「『優秀な人が多いこと』、これにつきますね。先輩エンジニア達から学んで技術を吸収し続けられます。また、ビジネスについて能力を発揮することも期待されているため、ビジネスマンとしての素養やスキルも身に付きます」
Q:「会社の雰囲気はどのようなものですか?」
DeNA:「会社の雰囲気はフラットですね。お互いに意見をいい合い、議論しやすいところが特徴です。上長は当たり前のこと、取締役や役員にさえ誰もが相談を持ちかけて議論ができます。また、誰もが常に『いまよりもっと良くできるはず』と考えています。一見問題が潜んでいないような業務や仕組みに対して、誰かが『ここはこうした方がいいんじゃない?』と提案すれば、すぐに議論して実際に変えてしまうことが多いです」
◇◇◇
質問時間終了後は懇談会に移った。お菓子を食べながら、学生たちは積極的に企業の担当者たちと話をしていた。質問の声は絶えることがなく、終了時間を大幅に過ぎてイベントは終了した。
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