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肩書き抜きで食っていける自信ある?

脱・リーマンエンジニアに必要な4つの習慣

エンジニアtype
2012/1/24

所属する会社や立場に関係なく、個人の力量で勝負するエンジニアが増えている。彼らはいかにして自身の価値を周囲に知らしめ、肩書き抜きで食っていけるようになったのか。「脱リーマン」に成功した4人のエンジニアへのインタビューを通し、共通する習慣を明らかにする。

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※本記事は、「エンジニアtype」のコンテンツを一部@IT表記に統一した上で、許可を受けて転載するものです。

肩書き抜きで、エンジニアとして食っていける自信ある?

 突然だが問題だ。

 2010年にフリーになることを決めた、あるエンジニアのAさん。

 そのことを長く付き合いのあった企業の担当者に伝えたところ、2社から、「今後も案件を担当してほしい」とオファーをもらった。

 そのため、うち1社(B社)とは、フリーとして他社の仕事を請け負ってもいいという条件のもと、正社員として雇用してもらう契約を締結。もう1社(C社)は、個人事業主との契約が難しかったので、急きょAさんを代表として会社を設立し、法人格で業務請負契約を提携することに。

 ちなみに、正社員として働くB社にAさんの机があるため、C社の仕事を含め、請け負った仕事はB社で行っている。

 以上を踏まえ、Aさんが職業欄に書くべき選択肢を、以下から1つ選べ。

  1. 会社員
  2. フリーランス
  3. 会社経営者

 誰もが、Aさんの立場を何と定義すべきか迷うだろう。しかし、事実Aさんと同じ働き方をしているエンジニアがいる。小山哲志氏だ。

 小山氏は現在、アジャイルメディア・ネットワークに正社員として勤務するかたわら、合同会社ほげ技研の代表社員として、他企業からの受注を請け負っている。

 小山氏がそうした自由な働き方ができるのは、肩書きや立場を抜きにして、彼個人の価値が周囲に認められているからに他ならない。ではどうすれば、小山氏のように組織におもねらない(=脱・リーマンな)働き方ができるのか?

 小山氏を含む4名のエンジニアから、脱・リーマンに必要な「4つの習慣」を聞いた。

●脱・リーマンエンジニアに必要な4つの習慣

  1. 自分のやりたいことって何だっけ?」自問自答を繰り返す

  2. 寂しいときは我慢しない。仲間を探してコミュニティに参加する

  3. 会社が認めざるを得ない、2足目のわらじを履く

  4. 技術・立場・組織へのこだわりは「断捨離」する
安生真氏
荻野淳也氏
赤松祐希氏
小山哲志氏

習慣1 「自分のやりたいことって何だっけ?」自問自答を繰り返す

 取材対象者の話を聞いていて、最初に気付いたのが「欲望への忠実さ」だ。

 ともすれば“わがまま”とも取られそうなほど、彼らは気のおもむくまま、特定の技術や企業に興味を持てば、すぐにその中へ飛び込んでいく。

 フリープログラマの荻野淳也氏はこう語る。

 最初に入った会社を辞めたのは、「NeXTの技術を実際の業務でも使いたかった」からです。そのことを会社に伝えれば良かったのかもしれないですが、当時の僕は発言権が小さかったし、気も弱かったので、やりたいことに少しでも近づきたくてフリーになりました。

 その後も、コンシューマー向けサービスをやりたいと思えば、新卒系の採用システムを開発する企業に転職。次はどうせコンシューマ向けなら、日本で一番大手のところがいいと思って、ヤフージャパンに転職。さらに、負荷分散技術を実践の場で試したいと思い、mixiアプリの開発会社に転職しました。

 今振り返ると、その時々にやりたかったものを実現するため、動いてきたのだと思いますね。

(荻野淳也氏)
フリープログラマ
1975年生まれ。大学在学中にアルバイトをしていたシステム会社に、大学院在学中に正社員として入社。退職後、フリーエンジニアを経て「ガラパゴス・システム」を共同企業。さらにヤフージャパンを経て、Web制作会社、ソーシャルアプリ開発ベンチャーなどで勤務。現在はフリーで活動しながら、起業準備中。

 フリーになるまでに2社を経験している赤松祐希氏も同じ。2社目への転職理由はずばり「Rubyを使いたかったから」。

 2007年ごろ、Railsが話題になり始めましたよね。そこで、僕も初めてRubyに触れてみました。そうしたら、手になじんだというか、とても楽しかったんです。

 ただ、当時勤めていた会社では、PHPとJavaがメイン。そこで、Rubyが書ける会社に応募して転職しました。

(赤松祐希氏)
フリープログラマ
1986年生まれ。中学時代からプログラミング言語を学び始める。大学中退後、Web制作会社のイー・フュージョンに入社し、Webアプリの開発に携わるようになった。業務システム・Webサービス開発会社のRAWHIDEを経て、2010年に独立。RubyKaigi2011では、KaigiFreaksレポート班スタッフとしても活動。

 普通なら、コロコロと職場を変えることに不安を抱く人も多いだろう。特に大手に勤めている人なら、たとえ「新たな技術に触れたいから」という理由があったとしても、ベンチャーへの転職は二の足を踏んでしまうだろうと思う。

 そのことについて、荻野氏はあっさり「その気持ちは分かる」と答える。

 その気持ちは分かります。僕も、大企業の男性エンジニアが育児休暇を取ったというニュースを目にして、うらやましいなあと思ったりすることもありますから。

 でも、現在の仕事で充実感を得られていないのであれば、リスクをとって動くべきです。 先行きへの不安感はあるでしょうし、実際リスクは大きいと思いますが、そうすることで使いたい技術を正しく使える環境が手に入るのですから。

 それに現在の業界では、優秀なエンジニアは常に不足しています。プログラム技術がしっかりしていて、向上心とセンスが伴っていれば、仕事がないという状況には絶対になりません。必要以上に心配することはありませんよ。

(荻野氏)

 

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