第6回 「自分のスキル」を評価するのは相手である
樋口研究室
樋口節夫
2011/1/24
「能力がある」「スキルが高い」。そういわれるためには、まず自分の能力やスキルを知ってもらう必要がある。自分のことを知ってもらわなければ、評価されることはない。 |
仕事をしていて、一度ぐらいは上司や顧客からいわれてみたい言葉、もらうとうれしいメッセージ、モチベーションアップする一言。あなたには、そういう言葉がありませんか。
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筆者も過去、多くのエンジニアに、上記のような言葉がないかどうかを尋ねてみたことがあります。すると皆さん、いろいろと相手からいってもらいたいと思う言葉を挙げてくれました。
- 「君はリーダーシップがある」
- 「君は話し方とかコミュニケーションがうまい」
- 「君の頭はロジカルだ」
どれも、自身のスキルや能力が高いことを「褒めてくれる」「認めてくれる」という種類の言葉です。
■ スキルや能力を身に付ける方法はたくさんあるが……
「リーダーシップ」「コミュニケーション」「ロジカルシンキング」などは、ITに関するスキルと同じく、重要なスキルです。実際、これらのスキルを習得する方法はかなり研究されていて、教育や研修も充実しています。
例えば、リーダーシップの能力を身に付けるには、「実行力」「決断力」「解決力」を高める必要がある、といわれています。
コミュニケーションについては、「傾聴力」「表現力」「共感力」を高めるとよいといわれます。顧客やメンバーと対等に会話するために「平等」や「尊敬」などの心構えも大切になってきますね。
ロジカルシンキングの能力を身に付けるには、「分析力」「整理力」「収集力」を高めることが大切といわれます。
このように、スキルや能力の磨き方は、ある程度分析されています。皆さんも、勉強して切磋琢磨していると思います。
しかし、それでもなお、誰もあなたのことを「スキルがある」とか「能力が高い」といってくれないとしたら……?
このギャップは、一体どこからくるものなのでしょうか。
■ 「スキルがある」「能力が高い」――それは相手が判断するもの
自分に高いスキルや能力があるかどうか。それについて考える前に、少し頭に入れておいてほしいビュー(考え方)があります。
それは、「スキルがある」とか「能力が高い」ということを、自分でいってもあまり意味がないということです。
きっと、皆さんが仕事をしている状況を眺めてみれば分かると思います。
例えば、会社でリーダーシップを発揮すべき職務の経営者や専門家がいるとしましょう。でも社員からは「あの人はリーダーの役目を果たしていない」と思われているとしたら……。
顧客に対して見事な話術でコミュニケーションをする営業がいるとしましょう。でもその人が社内に戻ってくると、下品で人を見下すような会話をしているとしたら……。
社内できちんとメンバーを管理しないといけないPMや管理職がいるとしましょう。でもその人が家に帰ると、家族からは尊敬されていないとしたら……。
このように、場所や環境、人が変われることで、自分の持っているスキルや能力が生きる場面もあれば、逆に無視される場面もあります。
スキルや能力は、自分ではなく、相手や第三者が評価して初めて「スキルが高い」とか「能力がある」と判断されるものなのです。
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