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エンジニアライフ時事争論(13)
職人、あるいはサムライ?
技術者が考える「プロの条件」


@IT自分戦略研究所
2010/8/4



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 「プロフェッショナルでありたい」というのは、日々スキルアップを目指すエンジニアの多くが抱く思いだろう。そう、プロフェッショナルは格好いい。では、どういう人が「プロフェッショナル」なのだろうか。

 エンジニアライフ時事争論、今回のテーマは「尊敬できるプロフェッショナル」。エンジニアライフのコラムニストが考えるプロフェッショナルの条件、プロフェッショナルな人が持つ意識について見ていこう。

医者と心の医者、2人のプロフェッショナル

 まずは、物語に登場する「プロフェッショナル」を紹介しよう。

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 『システムエンジニア 生き残りの極意』のみながわけんじ氏は、印象に残ったプロフェッショナルとして、「医者」と「心の医者」を挙げている。

 みながわ氏が紹介しているのは手塚治虫『ブラック・ジャック』で、ブラック・ジャックが乗っていた飛行機が雪山に不時着するエピソード。パニック状態に陥った乗客を落ち着かせるため、乗客の1人であるバイオリニストが素晴らしい演奏を始める。彼はブラック・ジャックにこう告げる。「わたしは心の医者だ」と。

 バイオリニストは寒さのために凍傷を患い、ブラック・ジャックが彼の指を切り落とす。医者と心の医者、2人のプロフェッショナルが出会った物語に学ぶものは多い、とみながわ氏は語る。

http://el.jibun.atmarkit.co.jp/minagawa/2010/07/post-5bfd.html

システムエンジニア 生き残りの極意: 心の医者
2人のプロフェッショナルの生き方

プロは、仕事の背景をよく読む

 『恋愛感情で仕事はできるか?』の森姫氏は、舞台俳優、脚本家、演出家というマルチな仕事をこなす「アオイさん」について紹介している。

 「アオイさんは本当の“仕事人”だ」と、森姫氏は語る。アオイさんは、2時間の舞台をわずか1週間でマスターして、素晴らしい舞台を演出した。当日まで高熱にうなされていたのにもかかわらず、である。

 「仕事とは、背景をよく読む」ことであると、森姫氏はアオイさんの仕事ぶりから学んだ。アオイさんの舞台には、わざわざ遠くから見に来てくれるお客さんや、舞台を成功させるために頑張っている関係者、そのほかいろいろな人がかかわっている。だから、どんなに過酷な状況であっても、アオイさんは最高の舞台を提供しようとした。

 現在、森姫氏は特定派遣として働いている。プロフェッショナルになるためには、「自社からの期待」「派遣先からの期待」に応える必要がある。森姫氏は「日々、試行錯誤」というアオイさんの言葉を胸に、プロフェッショナルを目指しているという。

職人気質のサムライエンジニアは自分にも他人にも厳しい

 プロフェッショナルは、物語や別の業界だけではなく、身近な場所にもいる。『蟻女(アリージョ)のエンジニアライフ☆』のぴぐみん氏は、「ザ・職人!」の先輩エンジニアにまつわるエピソードを紹介している。

 ぴぐみん氏いわく「サムライのような人」であるT先輩は、以下のような特徴を持つ人だ。

  • 厳しい

  • 不言実行。でしゃばらない

  • 何でも知ってる。しかも、詳しい

  • 自分の考えたやり方で、実行する

 T先輩は、自分にも他人にも厳しい。ぴぐみん氏がかつて冗長なコードを書いたとき、先輩は「こんなSQLを書くやつはうちにはいらない! 出ていけ!」とものすごい剣幕で怒ったという。

 真剣に怒ってもらうことで、ぴぐみん氏は「自分が書くコードには責任を持たなければならない」ことを痛感したという。「いまでは、厳しく怒ってくれたことに感謝している」と、ぴぐみん氏は語る。また、T先輩は、自分に対しても厳しい。常に勉強して自分の知識を増やそうと努め、それでいて「自分はまだまだ」と謙そんする。

 T先輩は、自ら考えて仕事をする人だ。「なぜこのコードでなければならないのか」「この指定はどういう意味か」ということを自分で常に考えて行動する。だが、いまはソースコードの多くが自動生成でき、フォーマットを埋めるだけで設計書を作れてしまう。「考えなくても仕事ができてしまう」のだ。だからこそ、先輩のように、自ら考え、勉強し、行動するエンジニアが重要になってくるのでは、とぴぐみん氏は語る。

http://el.jibun.atmarkit.co.jp/arijyo/2010/07/post-003d.html

蟻女(アリージョ)のエンジニアライフ☆: 番外編:ザ!職人
血管が切れそうになりながらも、怒る先輩

良き師匠を持て、そして良き師匠になれ

 人に厳しくするということは、非常に難しいしエネルギーを使う。『Wife Hacks 〜仕事と家族とコミュニティと〜』のkwappa氏は、厳しく指導してくれた「師匠」に、感謝の気持ちを伝えている。

 「いま自分がプログラマと名乗れるのは、師匠のおかげ」とkwappa氏は断言する。「師匠」は、社長兼チーフプログラマで、とにかく厳しく、恐ろしく仕事ができて、かつハチャメチャな人だったという。

 kwappa氏は何度も「あなたの書くコードは信用がならない」といわれた。だが、師匠はただ駄目出しをするだけではなく、常に「なぜ駄目なのか、どう書けばいいのか」をチェックしてくれた。この作業は、恐ろしく手間がかかる。「育成しよう」という明確な意志がなければできないことだ。

 いま、kwappa氏は自らが師匠となって、後輩を指導、育成する立場にある。自分が人に教える立場になって、師匠のすごさをあらためて実感したという。

 コードの癖が似るほど師匠の影響を受けたkwappa氏は、「プロのエンジニアになるためには、師弟関係が重要だ」と主張する。やるべきことは非常にシンプルだ。まず「良き師匠を見つける」こと。いずれは「自らが師匠になる」こと。そして、「師匠と巡り合えたことに感謝する」ことである。

プロは、ラスボスの風格を持つことが大事  next

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