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特集:転職市場予測

第2回 小飼弾「転職活動する暇があったらブログを書け」


小飼弾
2009/9/25

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転職市場崩壊。身動きできない不況下に、ITエンジニアは何を蓄えるべきか。プログラマでありブロガーである小飼弾氏が、市況に左右されないITエンジニアになるためのコツを伝授してくれた。

 この企画を受けて最初に思ったのは、「どこの星の話」だということです。「崩壊したITエンジニアの転職市場を占う」そうですが、ITエンジニアはいつからだぶつくようになったのでしょうか?

■できるITエンジニアには、転職活動はいらない

 確かに東京ハローワーク「【東京】職種別有効求人・求職状況(一般常用)」を見ると、2009年7月現在の「IT技術関連」の求人倍率は0.85倍、1を切っています。これだけ見ると「ITエンジニアの転職市場」は「崩壊」しているようにも見えます。

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 それなのに、わたしのところにはひっきりなしに「弾さん、いい人紹介してよ」という悲鳴が聞こえてくるのです。この差は一体どこにあるのでしょう。実は、「弾さん、いい人紹介してよ」にすでに答えはあります。本当にITエンジニアを必要としているところは、ハローワークなんて使わないのです。

 彼らは、まずは自分で探します。わたしがオン・ザ・エッヂでCTOだった時代ですらそうでした。ましていまやブログやTwitterで、できる人は自ら声を上げています。ちょっとググれば「この人欲しい」はいくらでも見つかるのです。それでも駄目なら、自分の知っている人に尋ねます。「弾さん、いい人紹介してよ」というやつですね。さらにそれでも駄目なら、求人広告を出します。ハローワークは最後の手段です。そこまで行かずに「いなければいないで仕方がない」とあきらめている会社も少なくないのです。

 そもそも、求職者が本当にITエンジニアである確率は、本当のところどれだけなのか不明です。ハローワークに行く人は、「ITは景気がよさそうだから駄目もとで応募しておくか」というものも相当含まれていそうです。「どうしてプログラマに・・・プログラムが書けないのか?」という有名な記事があります。

 「1から100までの数をプリントするプログラムを書け。ただし3の倍数のときは数の代わりに「Fizz」と、5の倍数のときは「Buzz」とプリントし、3と5両方の倍数の場合には「FizzBuzz」とプリントすること。」(「どうしてプログラマに・・・プログラムが書けないのか?」)

 簡単な問題? ところが「コンピュータサイエンス学科卒業生の過半数にはそれができないのだ」そうです。「元記事はアメリカの話であって日本の事情は違う」という方には、『学力低下は錯覚である』(神永正博著、森北出版)を紹介しておきましょう。

 「しかし、半年間講義をし、試験をしてみると唖然とする。たとえば、「nを入力して、1からnまで足すプログラムを書きなさい」という問題に解答できる学生は、せいぜい二割である。残りはめちゃくちゃな答えであるか、全く手をつけていない。アルゴリズム云々以前の問題である。」(『学力低下は錯覚である』、P.13)

 あなたが採用担当だったら、FizzBuzzを書けない「プログラマ」を採用しますか?

 「FizzBuzzが書ける」をボーダーラインにしただけでも、求人倍率は1を上回るというのがわたしの実感です。それどころか、転職活動すらいらない、転職活動する暇があったらもっとやるべきことがあるというのがわたしの意見です。それさえやっていれば、職は向こうから勝手にやってくると“弾言”します。

小飼氏が“弾言”する 
職にあぶれないためにやっておくべきこと 
 

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