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@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(34)
仕事ができる人の「先読み力」

@IT自分戦略研究所 書評チーム
2008/9/1

■危険察知能力

「先読み力」で
人を動かす


村中剛志(著)
日本実業出版社
2008年3月
ISBN-10:4534043708
ISBN-13:978-4534043702
1575円(税込み)

 「先読み力」は危険察知能力といい換えられる。トラブルの発生を未然に防ぐ(あるいは危険に近寄らない)能力のこと。仕事ができる(といわれる)人には、この「先読み力」が備わっている。トラブルを事前に察知し、顕在化する前に排除してしまうため、彼がトラブル・シューティングで苦労することはほとんどない。

 あなたには「先読み力」があるだろうか。この本では、3つの物差しが紹介される。

 1つ目は「仕事で関わるすべての人たちをリードしているか」。ある目的を達成するには、顧客、社内関連部署、上司、部下そのほかのさまざまな人に、ある問題に対する解決策とその根拠を示し、納得してもらわなければならない。そのうえで、自分が進みたい方向に全員を引っ張っていく必要がある。

 2つ目は「“できる人の5段階レベル”でどこにいるか」。レベル5に達するには「自ら判断して実行し、結果を出す」能力の有無が問われる。

 3つ目は「時間価値を意識しているか」。あなたは1時間当たり、いくらの価値を出すことができるか。そのことを意識して仕事をしているか。例えば、1時間の会議に参加することで、あなたはいくらの価値を生み出すことができるか。自分の時間価値だけではなく、上司、部下たちの時間価値も意識して仕事をしているか。

 「先読み力」の応用としては、「タイムマネジメント」「チームマネジメント」「ミーティングマネジメント」がある。

 例えば、「プロジェクトの進捗報告ミーティングに出る」というスケジュールを先読みしてみる。開始前に、アジェンダと資料を確認し、発言内容をまとめておく方がよいことに気がつく。発言内容を考えるには、それなりに時間がかかる。時間を確保するために動き始める(この行動がないと、発言内容を考える時間を確保できず、結局ミーティングではトンチンカンな発言をすることになる)。

 ミーティングの前に「結論の仮説を立ててしまう」のも先読み力発揮の典型例である。「結論をあらかじめ仮説として考えることにより、相手の反応を予測することが可能になり、次の一手が打ちやすくなります」(『「先読み力」で人を動かす』、p.163)。ミーティングが終わった後の行動までもあらかじめ考えておくと、さらによい。

 とにかくどんどん先を読んで行動すること。現実は後からついてくる。

本を読む前に
『1回の会議・打ち合わせで必ず結論を出す技術』 (@IT自分戦略研究所)
せきばらいで会議をコントロールする? (@IT自分戦略研究所)
議論すべき会議とそうでない会議 (@IT自分戦略研究所)


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