@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(50)
理解しにくい若者を理解する努力
@IT自分戦略研究所 書評チーム
2008/10/3
■いまどきの若者分析
理解不能な部下と うまくつきあうコツ 松本桂樹(著) 大和書房 2008年2月 ISBN-10:4479771034 ISBN-13:978-4479771036 1365円(税込み) |
臨床心理士として、いまどきの若者を分析している。若者とは、現時点で20代前半の人々を指す。第2章「イマドキの若者は何を考えているのか?」では、彼らの特性をいくつかの類型に分類して紹介している。
「打たれ弱い」「理不尽さに対する耐性が低い」「コミュニケーション能力が低い」「プライドが高い」「職場への帰属意識が薄い」「サポートを受けることに慣れている」
コミュニケーション能力の低さは、ノンバーバル・コミュニケーション力の低下に大きな原因があるとこの本に書かれている。ノンバーバルとは非言語という意味。顔色や表情、声の調子、しぐさなど言語以外の反応を通して相手の気持ちや状況を推し量り、人間関係を構築していく能力がノンバーバル・コミュニケーション力である。
携帯電話、インターネット、ビデオゲームが対面コミュニケーションの絶対的経験量を減らした。そして、それらのツールがない時代に育った人々と比較して、相対的に若者のノンバーバル・コミュニケーション力が低下したとする。ただし、見方を変えれば、日本人のコミュニケーション形態が変化したとも考えられるわけで、一概に「コミュニケーション力の低下」ととらえるのは早計だとも著者は主張する。重要なのは、若者との現実的なコミュニケーション構築方法の確立であり、若者のノンバーバル・コミュニケーション力の低下を前提とした配慮が必要なのだということである。(鯖)
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