@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(63)
自分と無理めの契約を結ぶ
@IT自分戦略研究所 書評チーム
2008/11/6
■「感覚系学習」と「運動系学習」
脳を活かす仕事術 茂木健一郎(著) PHP研究所 2008年9月 ISBN-10:4569701930 ISBN-13:978-4569701936 1155円(税込み) |
茂木健一郎の仕事術。
あなたの脳は、「感覚系学習」と「運動系学習」がバランスしているだろうか? 感覚系学習とは、本を読んだり、絵画を見たり、音楽を聴いたりする行為を指す。運動系学習は文章を書いたり、人に説明したりする行為のこと。「分かっているけど、うまくできない(手が動かない)」もどかしい状態は、感覚系学習と運動系学習のバランスが崩れていることで生じる。この不具合を解消するには、2つの行為を「作品」(アウトプット)を媒介にしてリンクさせていくしかない、とこの本に書かれている。入力したら、同程度の出力を行うこと。しかも、素早く。
躊躇(ちゅうちょ)せずに、取りあえず取り組むことが重要なのだが、なかなか実行に移せない。そんなときには、行動にタイムプレッシャーをかけてみる。
「仕事を始める時に『一時間以内にこの仕事をここまでやる』『この時間までにこれだけの分量の仕事をこなす』といった目標を設定して、実現できるよう全力を尽くす」(『脳を活かす仕事術』、p.75)。著者はこのような追い込み行為を「自分と無理めの契約を結ぶ」と表現している。
タイムプレッシャーが有効なのは、脳の「ワーキングメモリ」という機能に関係がある。ワーキングメモリは、作業のために一時的に長期記憶を集めて情報を保ち、タスクの操作と管理を行っている。LPFC(Lateral prefrontal cortex)などが作業の準備を行っている。この準備期間中に別のタスク(食事、睡眠、ほかの仕事)が割り込むと、ワーキングメモリは、セットアップをやり直さなければならなくなる。ゆえに、タイムプレッシャーによる時間設定は、1〜2時間程度にしておくのがよい。(鯖)
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