身に付けたいスキル、何ですか?

身に付けたいスキル、何ですか?

加山恵美
2008/2/13

現在の保有スキルと今後身に付けたいスキル

 次に、読者調査おなじみの最大のポイント、保有しているスキルと今後身に付けたいスキルを見てみよう。ここでも、全体としての傾向は前回とほぼ変わらないという結果に。

 保有スキルで回答数の多かったのが「Windowsシステム管理」(47.2%)、「クライアント/サーバ系開発」(40.4%)、「Visual Basic」(38.5%)だ。今後身に付けたいスキルとしては「セキュリティ構築/管理」(48.8%)、「ネットワーク構築/管理」(41.7%)が上位に。ほかにも「Linuxシステム管理」や「データベース構築/管理」(ともに41.2%)、「Ajax」(40.1)などが増えている(図2)。

図2 保有しているテクニカルスキル、今後身に付けたいテクニカルの一覧

国家試験およびベンダニュートラル試験の動向

 それでは、回答者の取得している資格、今後取得したい資格を、詳しく見てみよう。全体的に取得済みの資格も、今後の取得意向の資格も、ここ数年の傾向にあまり変化はない。

 まずは国家/公的資格。取得者数が最も多いのは「基本情報技術者」(45.8%)で、次いで「初級システムアドミニストレータ」(22.4%)だ。今後取得を目指す資格では、「ソフトウェア開発技術者」や「テクニカルエンジニア」など、上位の資格が並ぶ(図3)。

図3 国家/公的資格の資格取得状況

 ベンダニュートラル資格の取得済み資格では、「.com Master」と「XMLマスター」が目立つ。今後取得を目指す資格では、「LPIC(Linuxプロフェッショナル認定)」(14.6%)、「XMLマスター」(13.5%)、「UMLモデリング技能認定試験」(11.5%)、「ITIL認定資格」(10.4%)が上位に並ぶ。

図4 ベンダニュートラル資格の取得状況

ベンダ資格の取得意向

 ベンダ資格では、取得済みの資格、今後取得を目指す資格の双方で人気が高いのはORACLE MASTERだ。取得済み資格で最も多いのは、マイクロソフトの「MCP」で12.4%。次いで多いのが「ORACLE MASTER Silver」で9.7%だ。

 今後取得を目指す資格での回答では、「ORACLE MASTER Silver」が15.8%で1位、「ORACLE MASTER Gold」が14.1%で2位、そして「ORACLE MASTER Bronze」が12%で3位と、ORACLE MASTERが1〜3位を独占した。そのほかでは「MCP」(9.3%)や「MCSE」(7.2%)、「CCNA」(9.1%)や「CCNP」(7.2%)、「ORACLE MASTER Pltinum」(6.6%)、「SJC-P」(6.3%)、「SJC-WC」(5.9%)といった資格が健闘した(図5)。

図5 ベンダ資格の取得状況
今後取得を目指す資格の「ORACLE MASTER」が、1〜3位を独占した。

実務やキャリアに生かせたのは?

 それでは、「最も実務で生かせたベンダ資格」は何だろうか。これは、それぞれの資格保有者ごとに「実務で生かせた」「キャリアアップにつながった」かどうかを、資格保有者数に対する割合で算出した(資格保有者が1けたなど少ない資格は除外)。

 「実務で生かせた」とする回答が多いのは、「ORACLE MASTER Platinum」(75%)と「CCNP」(73.3%)だ。難易度が高い試験なので、それに合格するほどであれば実務でも実際に有利になることが多いのだろうか。

 「キャリアアップにつながった」との回答が多かったのも、「ORACLE MASTER Platinum」(100%)と「CCNP」(80%)だった。

英語のスキルアップは?

 最後に、英語のスキルアップについてだ。回答者の84%が仕事やキャリアに英語が必要だと回答し、英語の重要性については誰もが認める。しかし、現実のスキルレベルでは、「技術文書の読解」は必要に迫られることが多いためか、49.6%と半数弱が「できる」と回答したが、そのほかの項目では「できる」と回答した人は少ない。

 英語の学習方法では、皆いろいろと試していることが分かる。これまで実際に「用いた方法」として回答が多いのは、「教材を使って独学」(36.9%)、「英語の音楽やラジオ、映画などを視聴する」(28%)、「英語の新聞や雑誌、Webページなどを読む」(27.9%)といった、身近なものから着手する傾向があるようだ。

 その一方で「今後用いてみたい方法」で多いのは、「英会話スクール」(32.6%)、「eラーニング/通信講座」(22.4%)、「留学」(21.4%)など、時間やお金が掛かるものが上位に並ぶ。

 英語の学習法に対する自由回答には、勉強方法として「ポッドキャスティング」や「ニンテンドーDS」を挙げる人が多い。誰もが同じように書いていたのが、「とにかく英語づけの生活にする」という意見だ。まさに習うより慣れろ、ということだろう。


 皆さんが注目しているスキルや資格は、今回の読者調査で、どんな評価が下されていただろうか。読者調査がすべてのITエンジニアの傾向を表すものではないものの、代表的な考え方が反映していることは間違いない。最近はセキュリティ分野のスキルを身に付けたいという回答が多くなっている。また、最近注目を集めるライトウェイト言語も、今後身に付けたいスキルとして浮上している。こうした傾向は、今後どう変化していくのだろうか。今後も読者調査に注目してほしい。

 

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