ITエンジニアが中心に立って「世界を変えていこう」とするIT企業を徹底研究。アツいITエンジニアへ突撃インタビューし、その信念を聞く |
学生の皆さんは、KLabという会社をご存じでしょうか? KLabは、六本木ヒルズに拠点を持つITベンチャー企業です。最近は、ソーシャルアプリやモバイル関連のニュースで取り上げられています。
一見「KLabはソーシャルアプリデベロッパの1つ」であるかのような印象を受けます。しかし、KLabは毎年IVSのローンチパッドに参加したり(2010 Springでは4位入賞)、学生向けプログラミングコンテスト「天下一プログラマコンテスト」を行ったりしています。このことから、「KLabは非常に高度な技術を持った会社」であることがうかがえます。
ソーシャル時代の先端を走りながら、高い技術力を有するKLab。若手エンジニアたちは、どのようなマインドで、どのような業務に従事しているのでしょうか。今回は、執行役員 研究開発部部長である天羽公平さんと若手エンジニア3人、合計4人のKLabエンジニアにインタビューを行いました。今回も、全2回でお届けします。
井上:天羽さんは、KLabに来る以前からいまのようななアツいエンジニアだったのですか?
天羽:いえ、そうではありません。いまの自分があるのは、KLabの影響です。KLabに入社する前、わたしはとある下請会社にいたのですが、ご縁があってKLabに入社しました。とはいえ、最初の1年は淡々と仕事をこなすだけの日々でしたね。必ず定時に帰って、その後は遊んでいるような生活でした。
執行役員 研究開発部部長 天羽公平さん
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井上:それは驚きです。転機はいつ訪れたのですか。
天羽:1年ほど経ったとき、同期エンジニアと一緒にあるプロジェクトを担当することになったのが転機でした。彼はとても優秀なエンジニアで、わたしと彼の仕事ぶりには歴然とした差がありました。当時のわたしには、会議で出てくる技術の話はまるで宇宙語のようにしか聞こえませんでした。しかし、彼はしっかりと話の和に入り、新しい提案をどんどん出すのです。一緒にいて、とても刺激を受けました。
井上:それから、どのような努力をしたのですか。
天羽:「同期には絶対に負けたくない!」という気持ちと、「もっと会社に影響を与えたい!」というモチベーションが、わたしをかきたてました。決心してからは、毎晩2〜3時まで勉強をしていました。数カ月もすると、これまでまったく理解できなかったミーティングの内容が理解できるようになったんですね。目に見えるくらい、同期との差が縮まっていることを感じました。そこからは吹っ切れて、いろいろチャレンジするようになれました。
井上:1人の優秀な同期との出会いが、天羽さんの運命を大きく変えたのですね、驚きました。それからの天羽さんは、本当にいろいろなことにチャレンジしたとうかがっています。
天羽:そうですね、やりたいと思ったことは何でも声にして行動しました。
など、数えればきりがありません。特に、真田(哲弥)社長に提案した案件は、社長に認められて次期メインプロダクトになることが決定しました。こうしたチャレンジが会社や多くの社員に認められ、「入社3年未満で執行役員になる」という大きな飛躍を遂げられました
井上:なんと執行役員に! お話を聞いていると、KLabには「若手エンジニアが思う存分動き回れる」非常に良い環境があると感じます。企業風土について、詳しく教えていただけますか。
天羽: KLabには、エンジニアが声を上げて行動することを大いに歓迎する風土があります。こうした企業風土であるのは、真田社長をはじめとして、会社全体が若手エンジニアの積極的な行動を支援し、活躍できる仕組み作りをしているためです。
井上:真田社長は『なぜ、ベンチャーは失敗しやすいのか?』という著書で有名ですが、どのようなお人柄なのでしょうか。
天羽:彼は、まず「決して負けない」という強い信念を持っています。いままでさまざまなを経験をして、たくさんの人脈を築いてきた社長が発する言葉には、いつも自信と重みを感じます。一方で、よく人の意見に耳を傾け、「これはいい」と感じれば素直に意見を聞き入れる、柔軟な思考を持った人です。ただ、飲みに行くと普通のおじさんになるので、とても親しみやすいですよ(笑)。社員一同、そんな真田社長を心から尊敬しています。真田社長が掲げる「IT業界で一番ワクワクできて、一番成長できて、一番収益を上げる」という経営方針を全員が信じています。だから、わたしたちは同じ目的意識を持って突き進んでいけるのです。
井上:KLabという名前を聞くと、多くの学生は「恋してキャバ嬢」などを思い出して、「KLabはソーシャルアプリ開発業者である」といった印象を持つと思います。実際のところはどうなのですか。
天羽:確かに、いま社内ではソーシャルアプリ開発に非常に力を入れています。わたしたちは、ソーシャルアプリ開発を「自主主導型の投資事業」と位置付けています。「自主主導型の投資事業」では、社内でやりたいことを企画し、アプリケーションを作り上げます。それがいまはソーシャルアプリなのです。この事業には投資を惜しみません。海外展開やPC、iPhone/Android向けの開発へと、どんどん拡大していきます。
井上:なるほど。自主主導型の投資事業は、別の視点から見れば「一時的なブームに左右される」といった不安定な事業であるといえませんか。
天羽:はい、あり得ます。そのため、これらの事業に投資するためには、「安定的な収益を上げ続けている」ことが大前提となります。わたしたちはDSASやアクセルメール、P-Pointerをはじめとした基盤技術を柱として、収益基盤を作っています。
KLabはもともと研究室から発足した組織です。初めて携帯電話でJavaアプリやBREWを動かしたり、ドコモのポータルサイトを運営したりするなど、iモードの成長に大きく関与してきました。インフラ基盤であるDSASは、大手テレビ局やレコード会社から開発を請け負っていますし、技術力には自信と実績を持っています。しかし、飛躍なくして成長なし。わたしたちは安定収益を得て、それを自主主導型の投資事業にどんどん投資していきます。新しい挑戦から得られる新しい技術やビジネスに、ワクワクできますから。基盤技術による事業と、自主主導型の投資事業。KLabはこの2本柱で動いています。
「エンジニアがやりたいことをやる、それがKLab」 |
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