世界のORACLE MASTER資格保有者の約半数は日本人が占めている。資格保有者数で世界でもトップレベルである日本のITエンジニアの強みは何か。ITエンジニアのグローバルな競争も激化する中、日本のITエンジニアが生き残る道を説く。 |
■いよいよ10gのPlatinum試験開始
2006年6月現在、ORACLE MASTER(世界共通呼称はOracle Certification Program)取得者は世界で30万人に上る。そのうち15万人、何と半数が日本人なのだ。また同資格の最高峰となるORACLE MASTER Platinumの取得者は世界で約400人、うち約190人は日本人だ(同じく2006年6月現在)。日本のITエンジニアのデータベーススキルは、世界でも間違いなくトップレベルにある。
Oracle Databaseの最新バージョンとなる10gを対象としたORACLE MASTER Platinum Oracle Database 10g実技試験の日本での試験が、いよいよ2006年7月27日に開始された。第1号合格者が出るのももうすぐだ。
■日本の強みは高いクオリティと大規模システム
オラクルユニバーシティ シニアバイスプレジデントのジョン・ホール(John Hall)氏は「ORACLE MASTERの約半数が日本人であるだけではなく、そのトップ160も日本人です。世界的に見ても日本のITエンジニアはとても優秀です」と述べ、日本のITエンジニアを絶賛する。
オラクルユニバーシティ シニアバイスプレジデント ジョン・ホール氏 |
ホール氏から見て、日本人ITエンジニアの特徴や強みは4つあるという。高いクオリティ、大規模システムの実績、グローバル化、EC分野での先進性だ。
まず高いクオリティについては、日本のITエンジニアが手がけるシステムは完成度が高く、そこが高いクオリティと評価されていると指摘する。
次に大規模システムの実績。「日本には、大手企業様を中心として、大規模なシステムが多く存在します」とホール氏。そうした大規模システムが存在し、運用できることは、日本の技術の高さを物語っているという。
グローバル化についてホール氏は、「ここ数年で日本のグローバル化がますます進んできました」と指摘する。企業活動のグローバル化が進むとシステムも対応していかなくてはならない。日本のITエンジニアはそうした複雑で高度な要件にも応えられるほど優秀であり進歩しているという。
最後にEC分野の先進性も日本の特徴として挙げられるという。「RFIDやセキュリティなど、ECにおける技術は世界でも最先端です。アメリカよりも強力です」とホール氏は日本の技術を高く評価する。
■PlatinumはORACLE MASTER取得者の上位1%
ここで日本のITエンジニアが置かれている状況を見渡してみよう。日本のシステム開発に、大きな潮流が見える。それが海外へのアウトソーシング、オフショア開発だ。そうした潮流が、日本のITエンジニアに不安をもたらしている。コスト面だけで比較すると、日本よりも海外の方がはるかに競争力がある。それでは日本のITエンジニアに未来はないのだろうか。日本のITエンジニアの生き残り策はあるのだろうか。
だからこそ「資格取得があるのですよ」と強調するのがホール氏だ。世界共通の指標で客観的に判断できる高度な資格を取得していれば有利になる。高いスキルはコストよりも強力な競争力となるからだ。ORACLE MASTERはグローバルな資格制度であり、Platinumまで取得すれば文句なしに優秀であることが証明できる。
「ITエンジニアの能力は資格より実務で示すべきだ」という考えは根強い。その点についてホール氏は一定の理解を示し、「企業からすればITエンジニアが実務で高い効果を発揮してくれることはいいことなので、そう考えるのは間違っていません」という。が、「一方、ITエンジニアが資格を取得することは、企業にもメリットがあります。資格取得者が社内にいることを示せば社会に自社の技術力を誇示することができます。特にPlatinumとなればORACLE MASTERのトップ1%となるほど高い希少価値があります」とも述べる。
■求められるスキルは基礎から応用へ
ではITエンジニア個人にとって、資格を取得するメリットとは何か。ホール氏の考えはこうだ。
「まず金銭面です。高い技術力が客観的に証明できれば給料や一時金といった形でITエンジニアにメリットをもたらします。資格が世界的に評価されているとグローバルな可能性も広がり、グローバルな競争力も付きます。また他者との比較ではなく、自己の能力を客観的に判断する基準にもなるでしょう。これからITエンジニアのキャリアをスタートする人からすれば、資格はいい事始めとなります」
考えようや使いようによっては資格制度はITエンジニアにとって大きな盾となり、飛躍のステップにもなり得るということだ。さらにホール氏はこう話す。「5年前と比較するとITエンジニアに必要とされるスキルは、基本的なものから応用的なものへと移ってきています。例えばRAC、セキュリティ、ミドルウェアなどです。そうした背景も踏まえ、今後ORACLE MASTERでは応用技術に特化した試験も検討します。こうした資格を取得することで、ITエンジニアは市場価値をより高めることができるでしょう」
■真の実力が試される10g Platinum試験
10gのPlatinum試験が始まったが、疑問を感じる人もいるかもしれない。Oracle Database 10gではOracle Enterprise Manager(OEM)に代表されるように、管理の容易さがアピールポイントであった。一方Platinum試験は最難関な試験ということをアピールしている。容易になった管理にどのような難しい試練を課し、それを測るのだろうか。
これについては次のように解決し、試験に反映されている。「9i Platinumでも10g Platinumでも2日間の実技試験であることは変わりません。しかし9iのPlatinum試験では試されたのはコマンドラインのみでしたが、10gのPlatinum試験ではOEMも利用可能です。受験者はその場の状況と自己の能力で、どちらを使えばより効果的で短時間に問題解決ができるかを判断することになります」(ホール氏)
選択肢が多いと、より高度で実践的な判断力が求められるということだ。実際に10gのPlatinum試験では合計4台のサーバが受講者に与えられ、データベースやネットワークの設定、Grid Control、データ管理、パフォーマンスチューニング、RAC、DataGuardなど広範囲にわたるシナリオが用意されている。Platinum試験を制覇したITエンジニアは、まさにOracle Databaseを知り尽くした技術者として認定されることだろう。
最後に、オラクルのITエンジニアに対する支援活動を紹介しよう。その試みが「100% Student Satisfaction Program」である。まだ始まったばかりだが、オラクルによればIT系の教育制度としては初となる画期的な試みだ。
これは条件はあるものの、オラクルユニバーシティの講習で内容に満足がいかなかったら、無料で再受講できるというものだ。「この業界では初めてですよ」とホール氏は笑顔で胸を張る。この新制度を見ても、オラクルがITエンジニアを教育面で支援しようという意気込みが感じられる。
ITエンジニアとして、世界のトップ1%を目指して、10g Platinumにチャレンジしてみてはいかがだろうか。
提供:日本オラクル株式会社
企画:アイティメディア株式会社
制作:@IT編集部
掲載内容有効期限:2006年9月20日
■ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 10g実技試験 概要 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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■Platinum取得者の事例 |
日本オラクルが9i Platinum取得者とその上司に独自取材したPlatinum取得者のインタビュー記事集。2006年8月現在、次の15社の事例が掲載されている。 ・富士通ビー・エス・シー ・シティ・コム ・富士通北陸システムズ ・東北NSソリューションズ ・NTTデータシステムズ ・新日鉄ソリューションズ ・日本電気 ・東芝ソリューション ・日本ヒューレット・パッカード ・NTTデータ先端技術 ・リコーテクノシステムズ ・九州日本電気ソフトウェア ・システム・テクノロジー・アイ ・日立システムアンドサービス ・エヌ・ティ・ティ・コムウェア |
■ORACLE MASTER関連リンク (@IT自分戦略研究所) |
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