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ITコンサルタントの1日を追う!

第3回 大学で講義、子どもと散歩。ITコンサルの多忙な休日

アクセンチュア 齋藤博史
2008/12/15

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17:00―― 家族と横浜市内を散策、スーパーで買い物

 今日は、家族と横浜の海を見に行く約束をしています。大学から帰り、急ぎ車で向かうころには、そろそろ夕日がまぶしくなる時間になっていました。

 わが家のお気に入りスポットである大さん橋のデッキに上り、左手に赤レンガ倉庫や横浜ランドマークタワー、右手に山下公園と横浜ベイブリッジが広がる絶景ポイントに到着しました。私と妻はこの場所が大好きなのです。子どもたちはものすごい勢いで走り回り、犬のように行ったり来たりを繰り返しています。一番下の娘は、デッキの上を這いずり、転げ回っています。

 「真に高貴健剛な精神は、厄難に処し逆境に沈淪する日において、真骨頭を発揮するものである」とは、私の好きな『プルターク英雄伝』の記。広い海とその向こうに広がる世界の国々に思いをはせるとき、毎回決まってその言葉を思い浮かべるのです。

20:00―― 自宅近辺のタリーズコーヒーでメンバーと打ち合わせ

 買い物を済ませ、自宅に帰ってきました。いつもなら子どもたちをヘロヘロになるまで思い切り遊ばせ、サクッと寝かし付け、ゆったりと休日の残り時間を過ごすところです。ですがここ最近、土日になると会社のプロジェクトメンバーがわざわざわが家のある横浜までやってきます。押している仕事の整理であったり、次の提案の意見交換であったりと、一時期、週末は必ず誰かが遠いところをはるばる来てくれていました。

 家で夕食を取った後、近くのタリーズコーヒーに出掛け、メンバーといろいろな話をします。公の場なのであまりオープンに会話することはできませんが、月曜からの仕事に備え、あらかじめ作業の方向性や進め方について意見を交わしておくことは、実は非常に効率的なのです。もちろんメールでもやりとりできますが、職場を離れ、リラックスした状態で忌憚(きたん)ない意見を交わした方が、内容が熟すというものです。

22:00―― 自宅で読書、妻と乾杯

 私はコーヒーが好きです。自分で豆をひくほどのこだわりはありませんが、お店で好みのものを見つけて家で入れ、落ち着いて何杯か飲むのは、本当に幸せな時間です。

 一方でわが妻は、飲めないくせにお酒好き。突然、「プシュッ」と近くで音がするので、振り返ってみるとすでに「グビッ」といっていたりするのです。そうはいってもまだ一番下の娘の授乳中なので、3口くらいしか飲めないのですが。

 普段、私は仕事で遅いことが多く、妻は子育てで毎日戦争中です。なかなか夫婦の会話が成立せず、1週間のうちでこの時間くらいしかまともに会話できる機会がありません。もう12年になる付き合いですので、「ツーカー」で済ませがちですが、それでもいろいろと話したいこと、聞いてもらいたいことがあるものです。

 子どものことやママ友達との関係を聞いたり、自分の将来のことを話したりしていると、時間がいくらあっても足りません。「普段からちゃんと会話をしていないとダメだなぁ」と思いつつ、平日より早めに寝る準備をします。明日、また早朝から子どもたちにたたき起こされてもいいように……。


 これまで3回にわたって、私のITコンサルタントとしての1日をいくつかの視点から振り返ってきました。

 日々刻々と移り変わる毎日において、プロジェクトや立場が変わるたびに、新しいこととの出合いと葛藤(かっとう)の繰り返しです。

 気が付けばこの仕事に携わるようになって7年目に入りました。実はいまだに「これだっ!」と確信を持てるものはなく、探している途中なのです。修業中の身でありながら、このような記事を執筆するのは汗顔の至りでしたが、これもいままでの蓄積をアウトプットする1つの場だと思っています。

 5年後の自分が、もしまだITコンサルタントを続けていたら、いまの自分を振り返ってどのように検証するのでしょう。

 少なくとも、「このうえなくエキサイティングな毎日だった」と思えることだけは、なんとなく想像できる気がするのです。そのとき、家族ともども「専心と献身の毎日だった」といえるのであれば、それはITコンサルタントとして過ごしたこの年月が、正しい選択に基づくものだったという証しになると信じています。

 

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筆者プロフィール●齋藤博史(さいとうひろし)
アクセンチュア システムインテグレーション&テクノロジー本部

マネジャー
1977年生まれ。2002年アクセンチュアに入社、官公庁本部(当時)に配属。地方自治体の電子化や大手法人における大規模業務・システム変革プロジェクトなどに、新システムの実行基盤構築やパッケージシステム導入、データ移行などの実務担当者として参画。官公庁の民営化プロジェクトにおいては、業務およびシステムの円滑な移行、民営化後組織の立ち上げを担当するPMOメンバーとして活躍。直近では官公庁組織統合に伴う関連プロジェクトを担当。2007年9月から現職。


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