第7回 まだまだ厳しい中小企業、半数が「ボーナスなし」
提供:日本人材ニュースHRN、日本人材ニュースCarrera
2010/7/14
人材採用・育成の専門紙「日本人材ニュースHRN」、キャリア支援ニュースサイト「日本人材ニュースCarrera」から、IT業界の雇用に関する記事を転載してお届けします。 |
■厳しい中小企業、半数が「ボーナスなし」
この夏にボーナスを支給する中小企業が51.0%と、半数にとどまっている。
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大阪市信用金庫が、取引先の中小企業を対象に6月中旬にアンケート調査を実施。1040社から得た回答をとりまとめ、発表した。大手企業のボーナスは上昇傾向にあるが、中小企業では平均支給額も過去最低を記録するなど、いまだに厳しい環境にあることが判明した。
調査によると、この夏にボーナスを支給する中小企業は51.0%(530社)と約半数にとどまり、同行が1998年に調査を開始して以来、最低を記録。さらに、昨年の支給企業割合(56.7%)を5.7ポイント下回っている。支給企業割合が減少するのは3年連続となる。
「支給しない」企業の内訳を見ると、「ボーナスは支給できないが、少額の手当を出す」とする企業は33.0%で、昨年夏比2.5ポイント増加。「まったく支給なし」とする最も厳しい状況の企業は16.0%で、同3.2ポイント増加。「小額の手当を出す」「全く支給なし」も調査開始以来、最多となっている。
業種別に見ると、「支給する」企業は小売業が4割程度(41.0%)で最も少ないのをはじめ、運輸業(46.3%)と製造業(48.9%)も初めて5割を切っている。
従業者規模別に見ると、「支給する」企業は規模が小さくなるほど少なくなっている。50人以上の88.9%に対し20人未満は46.5%と、その差異(42.4ポイント)は大きく開いている。
「支給する」企業の1人当たりの平均支給額は、25万3559円。金額においても、調査開始以来の最低金額を記録した昨年の25万5100円を、さらに1541円下回っている。支給額の減少は3年連続。
支給額の分布を見ると、「20〜29万円」(42.4%)が最も多く、次いで「20万円未満」(30.0%)、「30〜39万円」(19.2%)と続いている。業種別に見ると、支給額はサービス業と小売業を除く業種で昨年より減少、小売業が28万1311円で最も多く、運輸業が22万3648円で最も少ない。
従業者規模別に見ると、支給額は規模が小さくなるほど少なくなっている。
日本経団連が実施した夏のボーナス調査では、大手上場企業は平均1.5%の増額になる見通しだが、中小企業では厳しい経営環境がいまだ続き、賃金低下を招いている実態が明らかになった。
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■「1年前より賃金が減少した」――3分の1以上
連合総研が、第19回「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート」調査を実施し、結果をまとめ発表した。調査では、「景気・仕事についての認識」「賃金に対する見方」「家計・消費の状況と意識」「勤労者の政治と政策に対する認識」「労働組合についての認識」をテーマとして取り上げている。調査対象は、20歳代〜50歳代の民間雇用者で、有効回答数739人(有効回収率82.1%)だった。
調査によると、「1年前と比べて賃金収入が減少した」とする回答が、回答者の3分の1を上回っている。一方で、「増加した」は2割強にとどまっており、リーマンショック以降減少傾向にある賃金はいまだ回復していない。1年後の賃金見通しでも、減少という回答が2割を超えている。
「今後1年間に失業するという不安を感じる」割合は23.5%。前回調査と比べて4.8ポイント低下したものの、4月調査としては過去最高(09年4月)に並ぶ水準にあり、雇用不安は依然として高い。とりわけ男性の非正社員では46.5%に上っている。
自身の5年後の賃金について聞いた設問では、「現在より高くならない」とする回答が54.9%で、賃金の上昇に悲観的な見方が過半数を占めた。この傾向は、20代及び30代男性でも、3分の1を占めている。
さらに、20〜30代正社員については、非製造業、従業員規模が小さい企業、賃金・処遇に納得性がないとする層で、賃金が高くならないとする割合が高い。
世帯収支は約4割が赤字と回答しており、家計の苦しさが浮き彫りになった。年収400万円未満の層や、男性非正社員に至っては約6割が赤字。生活苦から、「税金等を払えない」、「食事の回数を減らす」、「医者にかかれない」、といった経験をした割合が高く、貧困といえる状況が想像以上に進んでいる様子がうかがえる。
今後1年間に政府が取り組みを強化すべき政策課題としては、全体の54.0%が「景気対策・経済活性化」を上げており、次いで「財政再建」(45.5%)、「雇用対策」(42.8%)の順となっている。
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