自分戦略研究所 | 自分戦略研究室 | キャリア実現研究室 | スキル創造研究室 | コミュニティ活動支援室 | エンジニアライフ | ITトレメ | 転職サーチ | 派遣Plus |

>>連載インデックス

転職。決断のとき

第54回 不況をものともせず、SIerからWeb企業へ転職する

金武明日香(@IT自分戦略研究所)
2010/6/28

前のページ1 2

繰り返し問われた「何をしたいか?」「熱意はあるか?」

 西野氏は、「データベース設計・構築の仕事ができて、話をしやすい雰囲気の会社」で働きたいとの思いで企業を選び、自社サービスを提供するA社と、コンサルティング業務を行うB社の書類専攻を通過した。B社は「すぐにでも来てくれるなら内定を出す」と申し出をしてきた。しかし、当時の西野氏が担っていた役割はかなり大きなものであったため、最低1カ月程度の引き継ぎ期間を要した。要望が合わず、西野氏はB社のオファーを断った。

エンジニアライフ
コラムニスト募集中!
あなたも@ITでコラムを書いてみないか

自分のスキル・キャリアの棚卸し、勉強会のレポート、 プロとしてのアドバイス……書くことは無限にある!

コードもコラムも書けるエンジニアになりたい挑戦者からの応募、絶賛受付中

 残ったのはA社のみ。細梅氏からこの企業の紹介を受けたとき、データベースを設計・構築できるという仕事内容もさることながら、「自社サービスを持っている」ことに西野氏は強く興味を持った。A社の面接を受けたときは「いい手応えを感じた」という。

 面接は、比較的スムーズに進んだ。面接では「サービスへの熱意」と「会社に入ったら何がしたいか」を繰り返し問われた。

 特に、A社のように自社サービスを持っている企業の場合、「サービスへの強い思い」が質問の「核」であったらしい。最終面接の直前、人事担当から「技術的にはまったく問題ない。しかし、サービスへの熱意部分のアピールが少し足りない」とアドバイスを受けた。

転職成功の鍵は「入念な事前準備」

 西野氏は、面接前にサービスをじっくり使い込んで、そのうえで「改善点」と「こういうデータベースで作りたい、という構想」を念入りに作り上げた。東京へ向かう新幹線の中でも、事前準備には余念がなかった。

 結果として、入念な事前準備が功を奏した。「事前準備のおかげで、面接でうまくアピールできた」と西野氏は振り返る。最終面接では「どういうシステムを構築したい」か、というシンプルな質問をされた。西野氏は「使ってみてここが改善できると思った」「このサービスでこういうことをしたい」といったことを、じっくりアピールした。

無事に内定。年収が下がることに悩んだが……

 アピールが実を結び、西野氏はA社から内定をもらった。「年齢と技術のバランスが良い。質問に対して一言で終わらせるのではなく、しっかり自分が考えている話をしたことが良かった」と、面接のフィードバックを受けた。

 「前もってサービスを見ておくこと」「事前準備をしっかりすること」が、転職成功の鍵となった。

 内定を無事に受け取った西野氏だが、いくつか悩むポイントがあったという。

 主なポイントは報酬面だった。残業代などを含めて計算すると、当時働いていた企業よりも年収が下がることが分かったのだ。西野氏は1週間ほど悩んだ末、内定を受諾した。

 「やはり、仕事内容に興味がありました。いまの会社の仕事で、これ以上モチベーションは上がらない。それに、一度転職活動を始めてしまったから、どちらにせよ、いままでどおりというわけにはいかなかったでしょう」

 まずは行動してみる、西野氏らしい言葉である。1カ月かけて業務の引き継ぎを行い、2010年3月末に西野氏は東京へやってきた。

担当コンサルタントからのひと言

  西野氏は大阪在住だったため、基本的には遠隔で支援を行いました。 「顔を合わせていない分、コミュニケーションを深く取る必要がある」と考え、電話での面談に加えて、東京へ面接にいらっしゃる際は、極力面接前後でコンタクトを取って状況確認をしてきました。

 西野氏はハキハキした話し方と明るい口調が印象的な明るい性格の方で、包み隠さず何でもお話しできたことが良かったと思います。西野氏は、データベース(特にOracle)やサーバの運用管理業務に関する経験・スキルを持っていました。

  上流工程でのシステム設計・構築経験が積める企業をご希望だったため、「これまでの経験が上流でも生かせる」という点をいかにアピールするかについて、しっかり話し合いました。西野氏の要望に沿える企業を、大手SI企業から自社サービスを展開する企業まで、広く探っていきました。

 自社サービスを展開している企業は、自社サービスを非常に愛する人が集まっています。また、サービスへの自信と自負があるので、事前準備がかなり必要であることをお話ししました。「サービスを実際に使ってみる」「改善点を自分なりに考えてみる」「サービスを今後どうしていきたいのか自分なりのプランを作ってみる」など、いくつかアドバイスしました。

 一からすべてを構築でき、優秀なエンジニアがそろっているいまの企業は、西野氏にとって理想的な職場ではないでしょうか。西野氏は大変な勉強家ですから、新たなスキルを積極的に吸収して、近い将来なくてはならない存在へと成長されることかと思います。自信に満ちあふれた西野氏にお会いできることを楽しみにしております。

勉強熱心なエンジニアの夢「また一から勉強したい」

 現在、西野氏はA社のインフラ基盤を担当する部署で、既存データベースの運用を行っている。いずれ仕事が本格化すれば、データベースの設計・構築の仕事に入るだろう。新しいデータベースを導入する際に、「Oracleを使うか、KVS(Key Value Store)を使うか」といった検証の仕事もいずれ行うかもしれないという。

 現在所属している部署は15人、データベース担当は3人だ。数百人近い規模の会社にしてみれば、思った以上に小さい部署である。「正直、これほど少ないメンバーであれほどのサービスを回しているとは思わなかった」と、西野氏は驚きを隠さない。

 これまでやってきた仕事といまやっている仕事は、同じデータベースでもずいぶん雰囲気が異なるようだ。以前勤めていた企業では、データベース構築はベンダとの打ち合わせから始まった。しかし、A社では、西野氏は設計・構築を一から考えることができる。もともと、数々の資格をすべて独学で取得したほど勉強好きである西野氏。「一から携われることが楽しい」と、顔をほころばせた。

 「当時の運用部署では、質問に答えてくれるレベルの技術者がほとんどいませんでした。聞く人がいないから、自分で何とかするしかないと思ったのです」。知らないことについて質問を受けた場合、西野氏は自分で勉強して回答したという。

 西野氏が前の会社で頼られた理由は、この「勉強熱心さ」にあるのかもしれない。

 西野氏の勉強熱心さは、A社でもしっかり生かされている。「前にいた会社より、技術者のレベルが断然高い。ものすごい刺激を受けられます」。自社システムで構築しているすご腕のエンジニアと一緒にいれば、自分はもっと成長できるのでは、という西野氏の直感は当たっていたようだ。

 「いま、新しい場所で一から勉強し直そうとしています」。向上心の高いエンジニアは、晴れやかな笑顔を見せた。

 

前のページ1 2

» @IT自分戦略研究所 トップページへ

記事のためインタビューに出てくれる転職経験者募集中
本連載では、さまざまな理由で転職したITエンジニアを募集しております。なぜ転職したのかを中心にお話を聞かせてください。記事のインタビューに当たっては、実名、匿名どちらでも構いません。インタビューを受けてもいいという方がいらっしゃいましたら、次のアドレスまでお知らせください。なお、インタビューを受けていただいた方には、多少ではありますが謝礼を差し上げております。
連絡先: jibun@atmarkit.co.jp



@自分戦略研究所の転職関連の記事一覧
キャリアコンサルタントのアドバイス記事などを読む
転職事例の記事を読む
転職・退職時の注意点に関する記事を読む

自分戦略研究所、フォーラム化のお知らせ

@IT自分戦略研究所は2014年2月、@ITのフォーラムになりました。

現在ご覧いただいている記事は、既掲載記事をアーカイブ化したものです。新着記事は、 新しくなったトップページよりご覧ください。

これからも、@IT自分戦略研究所をよろしくお願いいたします。