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転職目的別・これが私の生きる道

第4回 プログラミングに魂売ります!

アデコ 高野和幸
2008/9/10

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目的別の実例を挙げながら、転職における成功・失敗の要因を探る。皆さんの参考となる「道」を探してほしい。

 もし転職を考えるとしたら、あなたはどんな点を重視しますか?

 この連載では、「給与を上げたい」「ステータスを上げたい」「市場価値を上げたい」という目的に向かって転職を成功させたケースを紹介してきました。これらは誰が見ても納得できる、「分かりやすい」モチベーションであると思います。

 しかし、給与もステータスも高く、うらやましいくらいの好待遇を得ていても、必ずしもそれが生き生きと楽しく働くことにつながるとは限りません。仕事の内容もまた、重要な要素でしょう。

 一心不乱に仕事に取り組んでいるときの、そしてその仕事を完遂したときの充実感や達成感は、何にも代えがたい大切なモチベーションになります。今回は、「充実感」に仕事の喜びを見いだして転職を成功させた2人のITエンジニアの例を紹介します。

ユーザーに近いところで働きたい

 森原さん(仮名)は29歳のITエンジニア。大手金融機関のシステム子会社で、主に親会社向けのWebアプリケーションの開発に携わる、経験豊富なプロジェクトリーダーでした。

@IT自分戦略研究所カンファレンス
上級ITプロフェッショナルのスキルとキャリア 開催
日時:2008年9月27日(土)
11:00〜18:00(受付開始 10:30〜)
場所:秋葉原UDX 6F RoomA+B
詳しくは開催概要をご覧ください。

 とにかく底抜けに明るい森原さん。いつも笑顔でパワフルに仕事をこなす彼女の人気は高く、常駐先でも頼りにされる存在でした。誰かのサポートをすることが大好きで、進んで若手スタッフたちの世話を一手に引き受け、いつも厳しいプロジェクトを乗り切っていました。

 多くの利用者を抱えるシステムを作っているという責任ある立場、手厚い福利厚生など、勤務先にはおおむね満足していた森原さんでしたが、以前から1点だけ物足りなく感じていることがありました。かかわってきたシステムはすべて親会社のためのものであり、実際のお客さまからは利用した感想を聞くことができないということです。

 森原さんのお客さまは「親会社の社員」であり、彼らの要望を形にしていくのが仕事の唯一の目的。使い勝手よりも、開発コストの削減ばかりを考えなければならず、作ったシステムが誰かの役に立っているのかどうかが見えない状況に、徐々にストレスを感じるようになっていたのです。「もっとユーザーの声に近いところで働きたい」。森原さんの思いは強くなっていきました。

 森原さんが転職を決意するきっかけになったのは、ユーザーの声に接する喜びを実感できたある事件でした。親会社の新規システムへの移行作業の際、テストでは発覚しなかった障害が発見され、数時間にわたってシステムが正常に機能しないトラブルが発生したそうです。このとき、たまたま店舗で作業を行っていた森原さんは、次々に寄せられるお客さまからの嵐のようなクレーム電話に遭遇することになりました。

 電話線の向こうのお客さまに、真剣に頭を下げる社員たちの姿を目の当たりにして、不謹慎だと感じながらも体が震えるような感動を覚えたそうです。

 「自分たちが作ったシステムが、こんなにたくさんの人たちに必要とされている!」

 不眠不休で復旧作業に奔走しながらも、森原さんはこれまでの業務では感じることができなかった大きな充実感をひしひしと感じ、心から仕事が楽しいと思うことができたとのことでした。

ハードなクレームが、転職を決意させてくれた

 私が森原さんと会ったのは、この「事件」があった数カ月後でした。

 「ユーザーに近いところで働きたい」との思いがさらに強まった森原さんは、以前のように仕事に熱中できなくなってしまっていました。かといって、これまでの経験をすべて捨ててしまう勇気もなく、なかなか具体的な転職先のイメージが浮かばないと悩んでいたのです。

 私は面談の中で、森原さんが充実感を得られるポイントがお客さまとの接点にあること、経験の中で捨てたくない部分とは必ずしも開発だけのスキルでなく、IT関連の幅広い知識であることを一緒に整理しました。そして森原さんに、自社で開発したソフトウェア製品をサポートするポジションを提案しました。

 これまでユーザーとのかかわりといえば、システム要件のヒアリングくらいだった森原さんは、私からの提案にとても驚いた様子で、自分には難しいのではないかと消極的な言葉ばかりを口にしていました。

 私は、サポート業務では複雑化するお客さまの要望を的確にキャッチするため、開発業務で得た知識を大いに評価する企業が多いことを説明したうえで、

 「できるかできないかではなく、やってみたい、一生の仕事にしたいと思うかを教えてください」

と質問しました。森原さんは、「ダメもとですね」といいながら、新しいチャレンジを決心してくれました。

 しかし、実際の転職活動は森原さんの予想よりもずっと順調。ある企業との面接で、「サポート職は感謝されるばかりではなく、強いおしかりを受けることもある。覚悟はありますか?」との質問を受け、例の事件のトラブル対応を引き合いに「ハードなクレームが今回の転職を決意させてくれたきっかけです」と笑顔で語った姿からも、評価が高まらないわけがありませんでした。

 数社から熱烈なラブコールを受けた森原さんは、多数の利用者を抱えるパッケージ製品のサポートエンジニアとして活躍できる企業を選び、入社を決意。現在もたくさんのクレーム、そして感謝の言葉にエネルギーを得ながら、充実した日々を楽しんでいるそうです。

「3度の飯よりプログラミング」。佐久間さんの選択  

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