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特集:勉強会の夏、カンファレンスの夏

第3回 社内勉強会と「勉強会エコシステム」のススメ

市谷聡啓(TIS)
2009/8/26

社内勉強会にはどんな意義があるのか。社内勉強会を適切に運営し続けるためにはどのような工夫が必要なのか。「人の集まらない勉強会」を繰り返した筆者が考案した「勉強会エコシステム」を解説する。

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皆さんの職場には勉強会がありますか

 予定の時刻を迎えるまで、用もないのに、会場となる会議室と自分の席を行ったり来たりと落ち着かない。いよいよ開始時刻になったので、意を決して会議室へと向かう。

 時刻は19時。会議室に入ると、いつもの勉強会仲間や、初めて顔を合わせる参加者が待っていた。場にはすでに、いつもの会議にはない「熱さ」がある。さあ、これから2時間。オフィスの一角で「勉強会」を始めよう。この2時間は、わたしにとっても、あなたにとっても、ワクワクする時間に、きっとなる。

 勉強会は、誰を参加の対象とするかで、会社とは無関係の勉強会(以下、社外勉強会)と、職場にいる人たちの参加を目的に開催する勉強会(以下、社内勉強会)に分けることができます。職場に勉強会がないというケースは多いと思います。しかし、社内勉強会には、社外勉強会とはまた違った意義があります。本稿では、社内勉強会について、参加と運営の意義を考えていきます。


社内勉強会の意義とは何か

 まず、社内勉強会の参加のメリットについて考えてみます。社内勉強会も勉強会には違いないため、社外勉強会の意義と多くが重なります。では、社内勉強会ならではの意義とは何でしょうか。

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 一般的に、勉強会の雰囲気は日常にはない独特のものがあります。1つのテーマについて、(基本的には)見知らぬ者同士が、仕事の合間を縫って「勉強」しているのです、日常的とはいえないでしょう。そこには、1つのテーマを参加者全員で学ぶ「場の一体感」があります。みんなそのテーマが好きで集まっているのです。すでに仲間意識が生まれています。

 さまざまなコンテキストを持った人たちとの出会い(この場があるから知り合える)と、勉強会での深い学びが、参加者にとって大きな刺激となります。この刺激が、また次の学びのモチベーションへとつながり、好循環を生みます。

 社内勉強会の場合も、このメリットは存在します。普段の仕事が部署やプロジェクトに閉じている場合、その枠の外にいる人たちとコミュニケーションをするケースは少ないでしょう。社内勉強会という場が、部署やプロジェクトを越えたコミュニケーションを生みます。

 何かを誰かと一緒に学ぶことで知識が広がり、コミュニケーションがつながり、それが「楽しさ」となります。社内勉強会の場合、勉強会の参加者が職場で仕事をともにする人たちなので、この楽しさを職場に直接持ち込むことができます。勉強会で生まれた、いきいきとした雰囲気が、職場でのコミュニケーションを円滑にし、仕事のモチベーションを向上させるでしょう。

 そして、わたしが考える社内勉強会の最大の意義は、一緒に仕事をすることになる人たちと「強くなれる」ことです。それは、今までより良い仕事をできるようになるということです。そう、社内勉強会には、自分たち(職場)で自分たち(職場)のことを「鍛え」、より高い成果を生み出せるようになる、という可能性が秘められているのです。これは、社外勉強会よりも直接的な効果といえるでしょう。

職場で勉強会を開催しよう

 勉強会のメリットが理解できたところで、職場で勉強会が開催されていない場合はどうすれば良いのでしょうか。その場合は、自分で勉強会を開催してしまえば良いのです。

 ほかの誰かが変化を起こしてくれるのを待ち続けていられるほど、人生は長くありません。ただ「ほかの誰か」に期待するだけではなく、「自分」に期待しましょう。自分の世界を変え、作っていくのは自分自身です。

 もちろん、いくつか課題はあります。

課題1 勉強会開催のノウハウがない

 もし、あなたが勉強会を開催したことがなかったら、まずは社外勉強会へ参加してみましょう。それが勉強会の進行や雰囲気をつかむ最も簡単な手段です。そこにハードルの高さを感じるなら、Web上の勉強会の記事やブログエントリーを参考にしましょう。昨今の勉強会の隆盛は、良質な感想エントリーを大量に生んでいます。

 社内で勉強会を開催する際は、できるだけ上司や役職者を巻き込むようにしましょう。業務外で開催するにしても、開催場所などで社内のリソースを使う場合は、上司の理解を得ておくに越したことはありません。万が一、上司の理解が得られない場合は、さらに上の人と話をしてみましょう。上層部に、あなたの活動を応援してくれる人がきっと現れるはずです。

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