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エンジニアライフ時事争論(2)
「結婚してマジメ社員に」――エンジニア結婚狂想曲

@IT自分戦略研究所
2009/1/21

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 エンジニアにとって、「結婚」とはどんなものだろうか。

 出会いは多いのか少ないのか。残業が多い(とよくいわれる)職業だが、家庭との両立は可能なのか。結婚することで、ビジネスパーソンとして成長できるのか。

 @IT自分戦略研究所 エンジニアライフのコラムニストに、「エンジニアと結婚」というテーマでコラムを書いてもらった。既婚/未婚を問わず持論を展開してくれた13人のコラムを紹介しよう。エンジニアは「結婚」とどう向き合うべきか。そのヒントを探る。

お客さんと結婚? 同業者と結婚?

 出会いがない――。独身の人に理由を尋ねたとき、一番多い回答ではないだろうか。さて、エンジニアにとって出会いは多いのか、それとも少ないのか。

 『エンジニアライフ クロストーク』を執筆する竹内義晴氏は、システムエンジニア(SE)時代、システム開発を請け負った会社の女性社員と結婚したという。

 システム開発に携わるエンジニアは、顧客と接する機会が多い。運用テストや仕様の確認といったフェイズに入れば、長く時間を共にすることも珍しくない。苦難を乗り越えてカットオーバーしたとき、そこに恋愛感情が芽生えることもあるのだろう。

 一方、エンジニア同士の結婚というケースも存在する。お互い仕事の大変さが理解できるだけに、異業種結婚よりも幸せかもしれない。

 だが、同じエンジニア同士といっても、ユーザー企業の情報システム部門の社内SEとITベンダのSEの結婚だった場合はどうか。発注側と受注側の結婚には、それはそれで苦労がある。『情報システム部門のリアル』を執筆するとみー氏の妻は、ITベンダのSEだ。

 妻がプロジェクトで忙しいとき、とみー氏は悩む。彼は発注者側。つまり、妻の労働時間を悪化させている元凶の1人かもしれないのだ。同じエンジニアでも、立場が違えば悩みは深い。

結婚を機に成長

 『地方からの戯言』を執筆するAhf氏と、『明日への希望、エンジニアのひとりごと』を執筆する大久保仁氏は共に、「結婚を機に成長した」と語る。

 Ahf氏は結婚によって、仕事に対するスタンスが変化したという。「休みを削って働く」から「なんとしても平日の間でカタをつける」になったのだ。「仕事も家庭も、どちらも大事」と語るAhf氏は、結婚を機に「マジメな社員」へと変貌を遂げた。

 大久保氏は、結婚をPCやOSのバージョンアップに例える。周囲からの信頼性が向上し、パフォーマンスが上がった。その代わり、何でも自分で決められた独身時代に比べて権限が減ってしまったとも嘆く。

 結婚を機に、社会人として成長を遂げるというのは1つの真実だろう。だが、犠牲にするものもある。自分の時間だ。例えばスキルアップのための勉強時間を仕事と両立させていた人は、さらに家庭の時間とも両立させることになる。ハードルが上がるのだ。

 社会人大学院に通学する『アーキテクトを目指して 社会人大学院生の挑戦』の執筆者、阿部聡氏は「妻の満足度を向上させて、勉強時間と家庭を両立させる工夫」を紹介している。

 「業界について理解してもらうこと」「守るべき約束は守ること」「コミュニケーションを絶やさないこと」。顧客満足度の向上や、チームメンバーのモチベーション維持にも応用できそうだ。人対人の作法は、夫婦も顧客もチームメンバーも、基本は同じなのかもしれない。

結婚適齢期なんて幻想だ

 未婚エンジニアの意見も見てみよう。『おしてもダメならひいてみよう』を執筆する及川和彦氏は、「いまは仕事が充実している」という理由から、結婚をしていない。

 及川氏自身、既婚者を見ると「余裕があるな」と感じるという。ただし、結婚すればすなわち余裕が出る、というわけではない。1人でいることで出る「余裕」もまた、存在する。

 今回のテーマのきっかけとなった『結婚は人生の墓場となり得るのか?』を執筆する新婚エンジニア ホリススム氏は、「年齢を基準に結婚を考えるべきではない」と主張する。

 ホリ氏の周りでまことしやかにささやかれる「男30歳結婚適齢期説」。ホリ氏はこれを「プログラマ35歳定年説」と重ね合わせ、どちらも「仕組まれたレールの上に乗せられているだけではないか」と語る。もっとも、ホリ氏自身はその2つのレールの上に乗ってしまっているのだが。

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