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エンジニアライフ時事争論(17)
「こんな勉強会に参加してみたい」を妄想する


@IT自分戦略研究所
2011/6/17



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 勉強会への参加で得られるものは多い。技術的な刺激はもちろんのこと、新しい人との出会いもある。だが、「もっとこんな勉強会があったらいいのに」「このテーマでいろいろな人と話し合ってみたい」と思ったことはないだろうか?

 5月のお題は「勉強会妄想」。コラムニストに、「こんな勉強会に参加したい/開催したい」という意見を自由に執筆してもらった。

失敗したベンチャー企業のエンジニアから学ぶ「失敗論」

 『30過ぎで5社目でした。』のけいいちっく氏は、2つの勉強会を提案している。

 1つ目は「敗軍の兵、兵を語る」会。失敗したベンチャー企業に勤めていたエンジニアが、「なぜ会社が失敗したのか」について赤裸々に話し、その失敗から学ぶ勉強会だ。

 この勉強会を思いついた理由として、けいいちっく氏は「失敗したベンチャー社長の意見は書籍などで読めるが、従業員の意見はほとんど分からないから」と述べている。登壇者には、下記のようなことを語ってもらう。

  • 自分が所属していた時の企業のライフサイクル(創業期〜成長期〜成熟期〜衰退期のうち、どこに当たるか?)

  • 印象に残っているプロジェクト/プロダクト(別称:記憶から消し去りたいデスマーチ)

  • 経営者の特徴、長所と短所

 失敗の理由はさまざまあるだろう。プロダクトの場合は「時代に先行しすぎた」といった意見が出るかもしれない(もちろん、恨み節になる可能性は否定できないが)。

 「埋もれがちな声にフォーカスを当て、そこから学ぼう」というけいいちっく氏の視点は、勉強会のテーマ設定の際、参考となりそうだ。「なぜ失敗したのか」「今ならどうやればいいと思うか」ということをディスカッションできれば、もしかしたら新しいサービスがこの勉強会から生まれるかもしれない。

エンジニア流・株トレード勉強会

 もう1つ、けいいちっく氏が提案するのが、株のトレーディングシステムソフト「Protra」の勉強会だ(Wiki)。

 Protraとは、独自のプログラミング言語を使用して、株をトレーディングするシステムを構築できるソフトウェアである。売買ルールを書いたプログラムを実行し、シミュレーションすれば、売買履歴や売買ルールでのトレード結果を表示できる。

 普通のトレード勉強会では、もうけた額が一番大きいことが最も重要だ。だが、それだけではエンジニアの勉強会としてはひねりが足りない。Protraはプログラミングができる。そのため、新たに「コーディングの美しさ」という評価軸を設けたいと、けいいちっく氏は提案している。


普通のトレード勉強会。ぺリカとはもうけた額のこと

 最も評価が高いのは、もちろん「もうけた額が大きく、コードが美しい」ことだ。では、「もうけた額は少ないがコードは美しい」と「もうけた額は多いが、コードが美しくない」だったらどちらがいいか? むろん、「もうけた額は少ないが、コードは美しい」方がいい。


Protraのトレード勉強会

 「まったくもうかってなくても、コードさえ美しければ評価される……そんな勉強会になるだろう」とけいいちっく氏は予想している。

演出にとことんこだわった「勉強会ティーパーティー」

 勉強会で取り扱うテーマは重要だ。同時に、実施する「場所」や「演出」にもこだわりたい。

 『恋愛感情で仕事はできるか?』を執筆する森姫氏は、「洋館でティーパーティーのような勉強会を開催したい」と語る。

 「参加証は封ろう付きの封筒でやってくる」「ドレスコードがある」「お茶やお菓子を食べながらテクノロジについて話し合う」など、森姫氏が提案するものは、一般的な勉強会とは一風変わっている。最後はティーパーティーらしく、仮面舞踏会で幕を閉じるそうだ。

 なぜこのような勉強会を開こうと思ったのか。森姫氏は「勉強会は普段の仕事とは違う“非日常空間”。どうせなら、徹底的に非日常空間を突き詰めてみたい」と語る。

 洋館にティータイム……一見IT業界とはかけ離れたところで、あえて勉強会を開催する。予算的には難しいかもしれないが、日常に緊張感を生み出す「素敵な空間」を作りたいという森姫氏の意見は、注目に値する。

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