第8回 富士山頂でコードリーディング
はなずきん
2009/7/1
IT系の勉強会は日々、全国各地で開催されている。「IT勉強会カレンダー」の管理人で、自らも勉強会を運営しながらさまざまな勉強会に足を運ぶ筆者が、毎月面白い勉強会をピックアップする。 |
6月は291件の勉強会やイベントを登録しました。年間のIT勉強会カレンダーを見てみると、6月を皮切りにカンファレンス系の大きなイベントが開催される件数が多くなるようです。
カンファレンスというと、@IT自分戦略研究所でもすでに紹介されていますが、2009年6月6日(土)に開催された「勉強会カンファレンス2009」では、さまざまな勉強会のあり方が取り上げられました。わたしも午前中の目覚ましセッションで話をする機会をいただきました。これらのセッションの動画はUstream.tvで公開されていますので、ぜひ一度ご覧になっていただければと思います。
■勉強会に行ってみた〜2009年6月「ひょうごんテック」
2009年6月21日(日)に開催された、NPO支援団体「ひょうごんテック」主催の「第2回テックカフェ」に参加しました。
勉強会情報 |
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勉強会名: ひょうごんテック テックカフェ 開催場所: 兵庫(神戸) 開催頻度: 1回/2カ月(2009年予定、7月1日現在) セッション内容: ITにまつわるさまざまなこと |
ひょうごんテックは、ひょうご市民活動協議会の技術支援ワーキンググループのメンバーが母体となり、市民活動団体のためのICT支援団体として設立された団体です。テックカフェ以前にも、オープンソースソフトウェア活用の推進やさまざまな勉強会活動を行っていました。
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今年度から始まったテックカフェは、「カフェ」の名のとおり、勉強会というよりはお茶会・座談会という色合いが濃く、「ITにまつわるさまざまなことについて、お茶を飲みながらみんなで楽しく話し合いましょう」をモットーに開催されています。
会場に到着して受付を行うと、スタッフの方から冷たいお茶をいただきました。6月とはいっても、外気温は27度。お菓子がセッティングされた机で一息つきながら、しばし開始を待ちます。
この日は「子どもを取り巻くケータイ・ネットでのトラブルとその対策」というテーマを軸にした、兵庫県情報セキュリティサポーターによる2つのセッションが行われました。
セッション1は以下の3つのインターネットにまつわる法律や条例の話から始まりました。
- 青少年ネット規制法(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律)
- 出会い系サイト規制法(インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律)
- 兵庫県青少年愛護条例
開催地の兵庫県の条例として紹介された「兵庫県青少年愛護条例」は、平成21年5月1日に施行されました。同県では、同年7月1日からインターネット上の有害情報に対する青少年の保護を実施しています。
神戸市勤労会館で開催されました |
子どもとインターネットとの接点はパソコンよりも携帯電話やゲーム機が中心です。そのため本来ならセキュリティに詳しかったり、パソコンで常にコンテンツを閲覧していたりするような人には、パソコン以外の端末経由で起きる事件や出来事が伝わりづらいのです。それが、トラブルが減らない一因だといえるそうです。
「あるWebサイトをパソコンで見た場合と携帯電話で見た場合で、何が違うのか」という解説が非常に興味深いものでした。携帯電話で見た場合の方が、広告のリンクを誤って押してしまう率が高くなるんだそうです(普段、筆者が携帯電話でブラウジングを行っている際も、誤って広告を……ということは多々あります)。コンテンツ制作業者にとって、携帯電話というプラットフォームがビジネス上、いかに魅力的かがよく分かります。
さて休憩……となった際に、すぐそばにいた方から、
「ケータイでWebサイトを閲覧するのは、そんなに容易にできてしまうものなのか?」
と質問をされ、QRコードを使用すれば容易に見られるという話や、メール本文のリンクを選択して実行するだけで、携帯電話のブラウザで表示できる、という話をさせていただきました。
セッション2では、「フィルタリングとは?」というテーマで、セルフレイティング/ブラックリスト方式/ホワイトリスト方式/キーワードやフレーズによる排除といったフィルタリング方式の説明から、携帯電話のフィルタリングサービスを有効に設定しているにもかかわらず、フィルタリングを通過してコンテンツが表示されてしまう場合の仕組みが紹介されました。
これらのセッション後、6〜10人の3グループに分かれ、携帯電話フィルタリングに関するディスカッションが繰り広げられました。時間にして40分程度でしたが、全体として次のような意見が出ました。
「携帯電話のブラウジングによって入手した情報の正当性を自分できちんと考え、疑問を持ち、流されない感覚を持つということが何より大切」
もっとも、手に入れた情報の正当性を考えて……ということは、携帯電話を通してだけでなく、パソコンによるブラウジングやリアルな世界などにおいても同様のことがいえるのでしょうね。ちなみに、大学生に聞くと、携帯電話では「まず検索→表示されたものは信じる」ということらしいです。中高生も似たようなものかもしれません。
今後もひょうごんテックでは2カ月に1度、定期的にテックカフェを開催していくそうです。興味のあるテーマのときは、参加してみてはいかがでしょうか。
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