第2回 独立する前に、自分のやりたいことを書き出そう
平野美由紀(首都圏コンピュータ技術者)
2009/7/28
■人脈は動いて得る
ヒアリング力や提案力と、次から次へと現れるテクニカルスキルを同時に身に付けなければならない。そう聞くと、独立なんて自分には難しいのではないかと思うかもしれない。だが、エンジニアほど独立に向いている職業はない。店舗を構える必要がないので費用がかからないし、自分の腕一本あれば仕事ができるからだ。さらにいまはネットで容易に情報収集できるので、すでに独立している人のノウハウを学んだり、営業代行や確定申告サポートなどを活用したりできる。独立するためのサポートをしてくれるところはたくさんある。
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独立する前にできることは何だろうか。先に挙げたスキルを身に付けることも重要だが、「人脈」さえあれば独立はできる。
人と出会って、良い関係を構築していくにはどうすればよいか。「動くこと」しかない。人のいる場所に行くこと。声を掛けること。声が掛けられなければ、例えばセミナーにボランティアとして参加してサポートする。懇親会だったら、お酒を注いでみたり、片付けを積極的にしてみたりする。とにかく「動く」ことである。動けば、話すきっかけは必ず生まれる。
いきなり仕事モードで仲良くなろうと思っても相手が警戒するだけだ。「A社の社員」という立場では、仕事モードで付き合うのが難しいことが多いだろう。一見、仕事に直結しないだろうと思われる場でも、人脈は果てしなく続いている。どこでビジネスチャンスに巡り合えるかは、動いてみないと分からない。
■個人事業主として生き残るには
「どこへ行っても気を抜いてはいけない」
わたしが実際に多くのエンジニアと接してきた経験からいうと、個人事業主が生き残るには、これに尽きる。常にピリピリした生活をしろというわけではない。「おうちに帰るまでが遠足です」と同じことである。
例えば、仕事の打ち合わせや面談の日に、家を出てから担当者や面談官に会うまで、何人の人と会うだろうか。その中に仕事に関係している人とどれくらい会っているだろうか。関係ないと思って横柄な態度を取ったり、無愛想にしたりしていないだろうか。悪いうわさというものはすぐに広まる。実際にわたしは、受付での態度や電話の応対の仕方で気になる点があった場合は、すぐにチェックする。そういう本質的な部分は、長期で仕事をすればするほどうっかり出てきてしまいがちである。
ちょっとしたことにも気を使う。地味ではあるが、意外とそういうところがエンジニアとして1人で生きていくために必要なことだと思う。
■いまが独立を考えるチャンス
IT業界は昨年のリーマンショック以降、不景気で各企業ともに予算の凍結、プロジェクトの中止・延期などが相次ぎ、個人事業主だけでなく、すべてのエンジニアが影響を受けている。企業は人を切らなくてはならない状況に陥った。最初にそのターゲットにされたのが派遣社員だった。
では、個人事業主はどうなのか。案件の絶対数が減少して、仕事がなくなる人はいる。だが、事業主としてのビジョンを明確に持っている人は成功し、生き残っている。
不景気だからこそ、自分の存在価値が分かる。自分にしかないスキルを持っている人は、自然と選ばれた者になるのだ。いまこそ、生き残るための術を身につけ独立する、絶好のチャンスである。
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