第2回 初めてのお客さま訪問で遅刻しちゃった!
ナレッジエックス 中越智哉
2007/5/9
この春に大学を卒業し、ある中堅SI企業に就職した中山しんじ君。初めての経験にとまどいつつ、周囲のサポートを受けながら、社会人としてもITエンジニアとしても成長していきます。皆さんもしんじ君と一緒に歩んでみませんか。 |
東京都内の中堅SI(システム開発)企業、アットイットシステム社に入社した中山しんじ君。開発部に配属され、麻根主任が率いるプロジェクトの一員となりました。まだまだ不慣れではあるものの、日々の仕事に一生懸命に取り組んでいます(第1回「『分からないんで教えてください』はいけないの?」)。
そんなある日の夕方。しんじ君が麻根主任に呼ばれているようですよ。
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■しんじ君、初めての外出
しんじ君 | 麻根さん、お呼びですか。 |
麻根主任 | ああ、中山君。明日、お客さまのところへ打ち合わせに行くんだが、中山君も一緒に来てほしいんだ。 |
しんじ君 | はい、分かりました。何か準備しておいた方がいいものはありますか。 |
麻根主任 | いや、明日はお客さまに中山君を紹介するだけだから、手ぶらでいいよ。あ、でも名刺は忘れないように。もう名刺はもらっていたっけ? |
しんじ君 | あ、はい、昨日いただきました。 |
麻根主任 | そうか、ちょうどよかった。明日は10時にお伺いする予定だから、現地集合にしよう。場所は後でメールしておくから見ておいて。1階にロビーがあるから、そこで待ち合わせでいいね? |
しんじ君 | はい、分かりました。 |
こうして業務で初めての外出をすることになったしんじ君。帰りがけにオフィスのホワイトボードに「ナレッジ商事 直行」と書き込んだだけで、何だかビジネスマンっぽいなぁ、と気分が盛り上がるのでした。
■電車に乗れない?!
そして次の日。普段はカジュアルな服装のしんじ君、今日は久しぶりにスーツでの出勤です。訪問先のナレッジ商事はしんじ君の家から少々距離があるため、いつもより早く家を出ることになりました。
しんじ君の会社は10時始業で、家から結構近くにあるため(というより、会社に近いという条件で家を探したのです)、普段は通勤時間に電車が混雑していることはほとんどありません。ですが今日は、ちょうどラッシュアワーのピークにぶつかってしまったのです。
来た電車には、扉からあふれんばかりの人が乗っています。詰め込まれていると形容した方がいいかもしれません。
しんじ君 | うわぁ、ぎゅうぎゅうじゃないか。こりゃ、どう見てもこの電車には乗れないな〜。 |
と、次の電車を待つしんじ君。ところが……。
しんじ君 | ありゃ、この電車も満員じゃないか。もう1本待てば大丈夫かな……。 |
しかし……。
しんじ君 | え……この電車も満員? |
地方出身で通勤ラッシュの経験がないしんじ君。どう見ても乗れないと思った電車に人がどんどん乗っていくのを見て、どうやらそういうものらしいと気付いたのは、4本目の電車が来たときでした。仕方なく、無理やり乗り込みます。
しんじ君 | う、身動きが取れないよ……。こんな電車に毎朝乗っている人もいるんだ。僕はずいぶん楽な通勤をしているんだな。 |
■これじゃ間に合わない!
ナレッジ商事の最寄り駅までは、途中で乗り換えが必要です。
しんじ君 | 次の電車はすいてるといいなぁ。 |
というしんじ君の願いもむなしく……。
しんじ君 | やっぱり満員だ……。 |
乗り換えた電車もやはり満員。と、しんじ君はあることに気付きました。最初の路線で何本か電車に乗り損なっているので、予定より15分も遅れているのです。
しんじ君 | しまった、どうしよう。これじゃ間に合わないぞ。麻根主任に電話しようにも満員電車の中だし、地下鉄だから圏外だよなぁ。降りて電話したらもっと遅れちゃうよなぁ……。5分くらいだったら主任も待っててくれるかも? |
最寄り駅から猛ダッシュし、10分遅れで待ち合わせ場所に到着したしんじ君ですが、当然のことながら麻根主任はそこにはいません。
困り果てたしんじ君は、麻根主任の携帯電話に連絡しました。
麻根主任 | はい麻根です。 |
しんじ君 | すみません、いま到着しました……。 |
麻根主任 | じゃあ受付で「情報システム部の遠藤さま」あてと伝えて。そうしたら受付の方が案内してくれるから。 |
しんじ君 | はい……。 |
何とかお客さまのところへたどり着き、ごあいさつを済ませたしんじ君ですが、帰り道では麻根主任にこっぴどく怒られました。
麻根主任 | 中山君……。お客さまのところに遅れるなんて、一体何を考えているんだ! |
しんじ君 | すみません、申し訳ありません……。 |
今回のインデックス |
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