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面接官の視点と本音

第2回 「志望動機は?」の裏に隠された判断基準


新田龍
2010/4/28


多くの就活学生が悩む「面接対策」。そもそも面接官は何を見て学生を判断しているのか。IT系企業の面接官経験もあるキャリア教育プロデューサー 新田龍が「面接官の本音」を語る。

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 前回は、「面接では相手が最低限不快感を抱かない程度の『ビジネスパーソンとしての基礎』を実践できている必要がある」ということを説明しました。

 ではその「ビジネスパーソンとしての基礎」とは何でしょうか。具体的には、「対人印象」「話の内容」「意欲や姿勢」という3つの要素に分かれます。詳しく見ていきましょう。

■ 面接官が見抜く「欲しい人材の共通点」

 業界、職種、文理、男女、年齢、新卒・中途、地域などすべて関係なく、どこの組織でも共通するポイントを抽出したのが以下の項目です。最初からすべてを網羅するのは難しいかもしれませんが、事前の準備次第で実現可能なものがほとんどです。内定獲得を目指す人は、いまからでも地道に取り組まれることをお勧めします。

● 対人印象

  • 第一印象が心地よく、清潔感がある

  • 明るい印象で、元気さが伝わる

  • 謙虚さと落ち着きが感じられる

 「外見より中身が重要!」という意見は確かに正論です。しかし実感として、わたしたちは人を外見や第一印象で判断してしまっていることが多いのではないでしょうか。印象があまり良くないというだけで、相手に関心を持てなかったり、相手の説明をいくらか割り引いて聞いてしまったりする、という経験をお持ちの方は少なくないと思います。

 「自分が同僚や部下にするなら、どんな人がいいか?」

 「自分がお客さんだとして、どんな人と仕事をしたいと思うか?」

など、「相手目線」で考えれば、対人印象が実に重要であることに気付くと思います。

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 第一印象が「心地よい」というのは、TPOをわきまえており、ビジネスレベルで問題ないという程度のニュアンスです。明るくて元気さを感じられるのも重要。経験や話の内容が同じであれば、人は明るくて元気な方を選びがちです。特に集団面接では印象が左右する部分が大きいので、心掛けておくことをお勧めします。

 「落ち着き」とは、裏返せば「不必要に緊張していない」ということです。「どんな質問が来ても答えられる!」という自信があれば、自然と落ち着いて対応できます。これは自己分析をしっかりと行い、面接の場数を踏むことで培われます。

 「謙虚さ」も同様に、さまざまな経験を通して「自分はまだまだ至らない」ということを悟ったとき、自然ににじみ出てくるものだと思います。

 次に判断されるのが「話の内容」です。次ページで、「話の内容」をさらに「経験」と「能力・知識」という要素に分けて説明します。

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筆者プロフィール
新田龍(にった りょう)
ブラック企業アナリスト、キャリア教育プロデューサー、大学講師、株式会社就活総合研究所 代表取締役、および株式会社ヴィベアータ 代表取締役。
早稲田大学政治経済学部卒業後、ネット上で「ブラック企業」といわれる2社において事業企画、コンサルタント、人事採用職を経て独立。「すべてのはたらくひとをハッピーに」を目指し、これまで5000人以上の面接・カウンセリング経験、早稲田大学など20大学でのキャリア指導経験を持つ。著書に『人生を無駄にしない会社の選び方』、(日本実業出版社)がある。

連載:学生よ騙されるでない! ブラック企業の見抜き方



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