@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(100)
法則で人生をショートカットする
@IT自分戦略研究所 書評チーム
2009/4/10
■法則を知り、活用するための1冊
知っているようで知らない「法則」のトリセツ 水野俊哉(著) 徳間書店 2009年2月 ISBN-10:4198626707 ISBN-13:978-4198626709 1260円(税込み) |
この世界にはいくつもの法則がある。自然現象に関するものから人間の行動や生活に関するものまで、その妥当性は別として、あまたの法則が生まれては共有されてきた。
本書は「職場」「仕事」「ビジネス」「勉強」「心」といった、ビジネスパーソンにとって重要な領域の法則をまとめたものである。これらの法則は著者が考えたものではない。数多くの書物から、学問的な説明がなされている法則を抽出した結果である。また、単に紹介するだけにとどまらず、その法則を「どう生かすか」の説明に多くの紙面を割いている。参考文献は全部で158冊(本連載で取り上げた本もいくつか含まれている)。
「『法則』とは人類共通のルールであり、『法則』を正しく使うことによってわれわれは『人生をショートカットできる』」(『知っているようで知らない「法則」のトリセツ』、p.2)と著者は主張する。それはあたかも、円周率(=円の直径と円周の長さに関する法則)を正しく使うことで、円の面積を瞬時に求めることができるかのごとく、である。収録されている法則の一部を下記に紹介する。聞いたことのあるものが含まれているかもしれない。
- 顕著な特徴が全体の評価を左右する「ハロー効果」
- 期待されるほど人は能力を発揮する「ピグマリオン効果」
- 反対者は正面に座る「スティンザーの3原則」
- 小さなミスが惨事を招く「ハインリッヒの法則」
- 人の行動を誤らせる「判断のヒューリスティック」
- 論理的思考を深める「フェルミ推定」
- 約束を守る心理「返報性のルール」
さらに、著者は第6章で「成功本、自己啓発本に関する法則」をまとめている。成功者たちの経験則を束ねることで、成功の法則を導き出そうとする試みだ。著者によれば、成功本にはいくつかのパターンが存在する。まとめると「夢や目標を定めて、自己管理しながら周囲の人への感謝を忘れずにポジティブに行動し続ける。そしてメンターやソウルメイトに出会い、やがて成功へと至る」(同、p.252)というのが成功の法則であるようだ。
加えて、巻末には「法則の索引」が掲載されている。つまり、本書はそのまま「法則本の索引」として機能する。
これらの法則を信じるか否か、採用するか否かの判断は読者の手に委ねられている。(鯖)
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