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@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(57)
頭の中の交通整理とパワーポイント

@IT自分戦略研究所 書評チーム
2008/10/22

■ロジカル・シンキングの全体像

3分でわかる
ロジカル・
シンキングの基本


大石哲之(著)
日本実業出版社
2008年6月
ISBN-10:4534044089
ISBN-13:978-4534044082
1470円(税込み)

 ロジカル・シンキングのさまざまな要素が3分で把握できる構成。その要素は全部で40個。つまり、ロジカル・シンキングの全体像を理解するには、3×40=120分(2時間)かかる。

 全体は4部に分かれている。

 第1部には、論理的に考えるためのコツが記述されている。論理的に考えるとは、物事を整理して考えるということとほぼ同じ意味である。想念がぼんやりと頭の中に浮かぶのを放置しておいてはいけない。頭の中を「交通整理」するには、決まった方法がある。知っている人はその方法を使って、効率的に物事を考え、時間と労力を節約している。

 第2部は考えたことを伝える方法について書かれている。人に何かを伝えるにも決まった方法がある。あなたの話を聞くことで、相手が説得されれば、あなたの話は相手にうまく伝わったということである。やみくもに話しても、多くの場合、相手には何も伝わらない。相手に何かを伝えるには、「結論」「理由」「裏付け」の3つの要素を順番にきちんと提示する必要がある。これを守れば、たいがいのことは伝わる。

 第3部は論理的に考える力を鍛える方法が書かれている。いくつかの基本的なルールがある。このルールに沿って、毎日練習を繰り返せばよい。問題にぶち当たったら、すぐに答えを出そうとせず、問題を分解して、どんどん小さくしていくという習慣をつける。このようにして分解していった問題群を「イシュー・ツリー」という。問題を細分化することで、問題の本質を探しやすくする。また、実際の解決行動を起こしやすくする。

 第4部は実践のためのコツが記述される。第3部で書かれた内容を具体的に実践するには、どんなツールを使って、どのように手を動かせばいいのか。そういうことが書かれている。この本は、パワーポイントを使い倒せと書いている。なぜ、パワーポイントなのか。その理由ももちろん明らかにしている。(鯨)

本を読む前に
ロジカル・シンキングの初歩 (@IT自分戦略研究所)
ロジックをめぐる冒険 (@IT自分戦略研究所)
『地頭力を鍛える』と頭が良くなる (@IT自分戦略研究所)


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