@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(75)
リーダーの器
@IT自分戦略研究所 書評チーム
2008/12/17
■リーダーになるためのレッスン
伝説の外資トップが説く
リーダーの教科書 新将命(著) ランダムハウス講談社 2008年11月 ISBN-10:4270004401 ISBN-13:978-4270004401 1680円(税込み) |
リーダーを目指す人、すでにリーダーとして活躍している人を対象としたリーダー育成のための教科書である。著者は新卒でシェル石油に入社し、その後日本コカ・コーラへ。米国勤務を経て、1978年ジョンソン・エンド・ジョンソンの社長に就任した。外資系企業を渡り歩いてきた経験を元に、現在はコンサルタントして、経営やリーダーシップ、マネジメントのノウハウをさまざまな企業に伝授する。
本書は全4章構成。それぞれの章は14のレッスンで構成されている。
第1章は上司の心得について書かれている。これからリーダーになる人があらかじめ心得ておくべき事柄。リーダーとはどのような資質を備えた存在なのかを多面的に記述する章でもある。リーダーの基本的な資質に学びへの積極性がある。ビジネス書だけではなく、哲学、文学、芸術などの教養書の読書は必須であるとしている。
第2章で、上司としての認識について言及している。部下を持つとはどのようなことか? 実際にリーダーになって間もない人が直面する現実的な問題を指摘し、解決策を提示する。「八褒め二叱り」「機会は平等に、処遇は公正に」など、見出しを肝に銘じておくだけでも役に立つ。
第3章はリーダーシップをさらに磨きたい人に向けた上司としてのスキル鍛練アドバイス。異なるタイプの部下への対処方法、上司と部下との関係(本書では「畏怖」を理想とする)、上司の資格、優れた上司の振る舞いなど。優れた上司は部下の成長に責任を持つ。
第4章は「優れた」リーダーを目指す人に向けたアドバイスである。経営層レベルのリーダーシップを身に付けるには、卓越した専門能力とビジネス能力、人間関係構築能力、コミュニケーション能力が必要不可欠であるとする。上司としてリーダーとして、コミュニケーション能力の重要性をこの本では強調する。10カ条にまとめている。
- コミュニケーションの第一歩は“聴くこと”である
- 相手に正しく伝わって初めてコミュニケーションは達成される
- 効果的なコミュニケーションの3つの条件(波長を合わせる、など)
- 「起承転結」「結から先に」など、相手にスタイルを合わせる
- コミュニケーションは時間が余ったら行うものではない
- Eメールはコミュニケーションの主要手段にはなりえない
- バッドニュースファースト。上司にサプライズを与えてはいけない
- スピーク・アウト
- 異見も意見
- 職場こそがコミュニケーションのメイン舞台
(鯖)
本を読む前に | |
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