@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(85)
茶番劇としての「就活」
@IT自分戦略研究所 書評チーム
2009/1/27
■就職活動と茶番劇
就活のバカヤロー 大沢仁、石渡嶺司(著) 光文社 2008年11月 ISBN-10:4334034810 ISBN-13:978-4334034818 861円(税込み) |
「ハッキリ言うと、就活は気持ちが悪い」(『就活のバカヤロー』、p.257)
なぜか。この本の著者たちは、就職活動にかかわるさまざまな立場の人々の振る舞いのいちいちが不自然だからとその理由を述べる。
学生は皆同じ色と形のスーツを着て、合同説明会に集い、「中途半端な自己分析」に基づく「イタい自己PR」をして、硬い笑みを浮かべる。キャリア教育の名の下に、学生に就職活動の実践的ノウハウを教える大学の姿勢も「気持ち悪い」し、学生にこびる企業も「気持ち悪い」。そして、就職活動でビジネスをする就職情報会社は「相当気持ちが悪い」。
「就活」という奇妙な祭りに参加する学生、大学、企業、就職情報会社の振る舞いの歪(いびつ)さをこの本は執拗(しつよう)に記述するのである。これらの記述の根底には、「就活」の現状に対する徹底的にネガティブな感情が横たわっている。著者たちは、しかし、「就活」にかかわる人々への誹謗(ひぼう)中傷をするのが目的なのではなく、「就活」の実態をできるだけ詳細にレポートし、(就職活動とは)「皆が踊らされている悲しい茶番劇であることを訴えかけたかった」のであるとする。そのうえで、「『就活』とは、(中略)学生個々人が未来に向けて大きな一歩を踏み出す行為である」と「就活」を再定義するのである。(鰈)
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