第4回 勉強会発のXOOPSディストリビュータ
加山恵美
2008/2/8
伊藤 「XOOPS Cubeが出てから、みんなが簡単にXOOPSの環境を構築、使用できるようにする必要性が高まり、ホダ塾でディストリビューションを作ろうという運びになりました。現時点では3月3日リリースと目標を定めています」
argon 「それ、もう公表してしまって平気ですか?」
後藤 「目標を設定しておいた方がいいでしょう。現時点で公開しているものでも、使えますから」
■参加することでスキルを伸ばす
――このコミュニティの良さってどんなところでしょうか?
後藤 「各自が自分の得意なところでコミットしているところでしょうか。現在ディストリビューションという共通の目標がありますが、それぞれ並列で作業ができます」
箕輪 「各自で進められるので、ケンカせずにすみます(笑)」
後藤 「みんなが成果を持ち寄り、足し算できるからいいんですね」
伊藤 「実際に顔を合わせているところも大きなポイントだと思います」
argon 「でも、たまにはもう少し積極的に意見をいってもらいたい時もあります。特に私はデザインをしているのですが、数パターン作成して『どれが好みか?』と聞いても、みんな『(どれも)いいよー』という感じなので(苦笑)」
箕輪 「全体として緩いというか、縛りが少ないところがいいのかもしれませんね。中央集権的に進めようとするとうまくいかなくなるのでは」
伊藤 「今回のディストリビューションもコンセプトのようなものを出そうと整理したことがありましたが、逆にそれに縛られるとやりにくくなるので明確にはしていませんね。ただ現段階利用できるもので安全で洗練されていること、簡単に導入できること、ユーザビリティ向上などを目指しています」
箕輪 「XOOPSのディストリビューションはほかに例がないので、今回がいいテストケースになるかもしれませんね」
――皆さん本業をお持ちですが、コミュニティ活動とどう切り分けしていますか?
後藤 「正直いって、切り分けできているとは思えませんね。私の場合『体のいい現実逃避』かもしれません。お金になる仕事だけだと面白くないですから」
箕輪 「私もそうかもしれません。仕事柄、常にパソコンとブラウザが起動したままです。コミュニティに何か書き込むのは息抜きになります」
伊藤 「でも後藤さんはすごいですよね。いつも書き込みが朝の3時から5時ですから。早起きなんですね」
後藤 「就業時間中には書き込みはしないようにと心掛けています。私にとってコミュニティで質問に答えることは、トレーニングのようなものです。質問した人よりも、それに答えた人の方がより多くの知識を得ることができると考えています。それで1つ質問に答えるごとに、「また1つスキルが上がった」と快感を得ています。長距離走のトレーニングのように継続こそ大事です」
栗山 「後藤さんのように常に書き込むような人は、ぐんぐんスキルを伸ばしています。数年の間にスキルも英語力もかなり向上しているのが分かります」
――XOOPSに期待することやこのコミュニティの将来のビジョンをお願いします
argon 「XOOPSはじめCMSは器であり、いいデザインを提供できたらと思っています。個人的には絵描きさんなど何かを作っている人に使ってもらいたいです。自分の作品のためにXOOPSを利用し、そこでコミュニティが広がればいいなと思っています」
後藤 「argonさんに少し似ているかな。私は、XOOPSはプロのメシの材料ではないと考えています。個人的には少年野球チームといった趣味の領域や学校のコミュニティなどの場でポンと作って利用してくれればうれしいです。使ううちにいろいろと拡張して『なんでもできる』と分かってくれれば、さらにいい。それがXOOPS cubeであるといいなと思う」
箕輪 「ただ、すそ野が広がると注文やクレームが増える可能性もあり、そこが心配なところです。コンシューマ製品のように「うまく使えない」と苦情が出ても、そういうのはXOOPSにはなじまないのではないかと思います」
伊藤 「私は結構仕事でXOOPSを使っています。ただ、技術的に後に残るという意味でも以前のXOOPSはもう使いたくなくて、できるだけXOOPS Cubeでやりたい。そのためにもコミュニティ活動としてできることはあるんじゃないかなと思っています」
栗山 「コミュニティなので自己満足もあり、目的もさまざまです。ただXOOPSには要素技術がたくさん詰め込まれており、解体するといいWeb技術の勉強材料になるのではないかと思いっています。そのまま利用するのもよし、興味があれば深掘りするもよしです。特に学生さんや若いエンジニアにはXOOPSを通じてスキルや英語力を伸ばしてもらいたいなと思っています」
集まったメンバーからは、自分自身が利用するソフトウェアに対する信頼と情熱がつたわってきた。XOOPS Cubeの開発者との信頼関係も強く、日本のXOOPSコミュニティの中心として活躍していくことだろう。
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