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国際競争時代に突入するITエンジニアに生き残り策はあるか?
日本人ITエンジニアはいなくなる?

第26回 海外の活力を取り込む4つのポイント

小平達也
2007/12/22

ITエンジニアの競争相手が海の向こうからやってくる。インド、中国、それに続くアジア各国。そこに住むエンジニアたちが日本人エンジニアの競争相手だ。彼らとの競争において、日本人エンジニアはどのような道を進めばいいのか。日本だけでなく、東アジア全体の人材ビジネスに携わる筆者に、エンジニアを取り巻く国際情勢を語ってもらった

20年後から現在を振り返る

 いまから20年後、皆さんはいくつになっていて、どこで、何をしているのだろうか。冒頭からいきなりの質問で恐縮ではあるが、将来について少し想像してみていただきたい。

 未来は不確定で、特にテクノロジはわれわれの想像を超える変化をもたらす。しかし、P.F.ドラッカーも指摘しているように、将来の人口変動はある程度予想が立てられる。

 日本の場合、いまから二十数年後、2030年の労働力人口は2006年の6657万人から1070万人も減る見込みだという(厚生労働省)。BRICsといわれる新興国で人口爆発とともに年間10%近い経済成長が続く一方、わが国の「働き手」は20年で1000万人減るというのだ。そんな未来が、ほぼ確実にやってくる。

 20年後、皆さんはどこで、どんなキャリアとライフスタイルを営んでいるのだろうか。キャリアというものを考えるとき、「未来」の立場から「現在」を振り返ってみるという視点も必要だ。本連載第25回「『戦わずして勝つ』。戦略のプロに学ぶ自分戦略」では、元防衛大学校教授 奥出阜義(おくであつよし)氏に戦略について語っていただいた。自分が20年後にどうありたいかというイメージ(戦略原則でいう「目的」)を持ちながら、技術革新や社内外における環境変化の中でも自分がイニシアチブを取り(同「主動」)、自分と周囲にとって最適な提案(同「創造」)をしていくというスタンスは、スペシャリスト志向であるにせよマネジメント志向であるにせよ、今後ますます大切になるだろう。

少子化社会への処方せんと海外人材

 個人の視点を超えて社会全体を見ると、少子化社会への対応策は実にいろいろな方面から提案されている。テクノロジを活用し生産性を上げる、女性やシニアの働きやすい環境をつくる……。もちろん対応策の中には、本連載のテーマとも関連する海外エンジニアの活用も含まれている。

 昨年(2006年)首相官邸に設置されたアジア・ゲートウェイ戦略会議は、成長を続けるアジアなど海外の活力を日本に取り込むことを目的としており、留学生戦略もテーマとして取り上げている。また、経済産業省および文部科学省の進める「アジア人財資金構想」は、優秀な留学生の日本企業への就職を促進すべく、ビジネス教育、日本語教育、インターンシップなどのプログラム提供を開始している。

 これら「海外人材戦略」にさまざまな動きがある一方で、「自社(や個人)はどのように対応したらよいのか、イメージがわかない」という話をよく聞く。そこで以下では、海外の活力を取り込むための4つのポイントを紹介したい。参考になれば幸いである。



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