第6回 先行き不安な時代に、今後の針路を決める方法
樋口研究室
飯田佳子
2009/3/27
■新規案件のアイデアは身近なところに
Aさんは、自分の思いをどうやってメンバーに理解させるか、ずいぶんと悩んだそうです。結局、新規案件の獲得を、以下のようにいい換えて、メンバーに伝えました。
「自分がお店や会社をつくったら、何が売り物になるか。それを考えてください。そう指示しました。この言葉は、かなりメンバーの心にヒットしたようでした」
メンバーは、案件獲得という自分たちにはできそうもない活動を押し付けられたと感じ、不満に思っていました。でも、Aさんの指示を聞いて、自分の周辺に売り物になるネタがないかどうかを考え始めたそうです。その結果、運営しているコールセンターの「簡単メニューシステム」、ユーザーPCへの「自動プログラム配信ソリューション」、365日止まらない「連続稼働サーバ構成」など、売り物になりそうなアイデアがいろいろと出てきました。
「よく見ると、新規案件のアイデアは一番身近なところにあった。そんな感じでした」
なるほど。宝の山は、自分の目の前に転がっていたのですね!
■先が見えないときの航海方法
先が見えないとき、みんな一緒に迷っていても仕方がありません。一筋の光を見つけ、それに向かって航海することが、心の安定にとって大切です。
そんなときに最適な行動方法があります。それが以下の「針路を見つける3つの行動」です。
図1 針路を見つける3つの行動 |
1.まず自分の「一歩先」を見る
「一歩先」とは、自分の周辺です。いつも自分が実行している手順や方法、かつての経験で役に立っていること。それを正しく実行することが針路になります。
2.ダメなら自分の「二歩先」を見る
「二歩先」とは、相手の周辺です。例えば、同僚や上司、お客さまが実行し、役に立っていること。それを正しく実行することが針路になります。
3.まだダメなら自分の「三歩先」を見る
「三歩先」とは、自分や相手を取り巻く環境(周辺)を見ることです。例えば、組織(会社や団体)、経済、自然環境に役に立っていること。それを正しく実行することが針路になります。
先が見えないときは、まず自分の周辺をいろいろな角度から眺めてみましょう。そして自分の役に立つことを見つけ、実行してみてください。
過去に、自分(一歩先)が試してみて調子が良くなったことはありませんか。例えば、「夜型生活から朝型生活に変えたら、仕事がはかどるようになった」などです。ぜひ始めてみましょう。同僚や先輩(二歩先)が薦めていた勉強会はありませんか。この機会にぜひ行ってみましょう。無駄なコピーやプリントをしていませんか。これをやめるとエコ(三歩先)につながります。すぐに実行してみましょう。これらの行動は、いま、とても大切な針路になると思います。
わたしはITコーチとして、皆さんが針路を見つけられるよう、お手伝いをしています。現在のような先が見えないときにこそ、きちんと針路を見つけて、それに向かって行動しましょう。そうすると、どんなときでもパワーを落とさず、明るく前向きに進むことができます。試してみてくださいね。
今回のインデックス |
親会社からの仕事が激減。新規案件の受注を増やすには? |
先が見えないとき、迷わずに行動する方法 |
筆者プロフィール |
飯田佳子●樋口研究室の認定ITコーチ。会社ではプロジェクトの品質管理の仕事をしている。「システム構築には技術やプロセスも重要だが、もっと重要なのは人間の品質アップ」。そう信じて、日々、社員のパフォーマンス向上を目指している。 |
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