恐らく、就職活動のために名刺を作成された方もいらっしゃると思いますが、筆者は「勉強会用の名刺」を作成しています。この名刺には、名前や所属に加えて、mixiやTwitterのid、WebサイトのURLも書いてあります。また、いままでいただいた名刺の中には、会社の名刺の裏にその方が運営されているIT勉強会のロゴを印刷したものや、家電量販店などの名刺コーナーに売られている、ゴールドなどの特殊な名刺用紙を使用した「ネタ名刺」などがありました。このように、名刺1つでもいろいろと楽しめることが、IT勉強会で交換される名刺の特徴かもしれません。
学生で名刺を持っておられない読者の皆さんは多いと思いますが、学生で名刺を持つことは決して珍しいことではありません(社会人の方に驚かれたことは多いですが)。実際、「セキュリティ&プログラミングキャンプ」の会場では、毎年、非常に多くの学生が名刺交換を盛んに行っています。
名刺は、家電量販店などで名刺用紙を購入し、自宅のプリンタで印刷すると、すぐに作成できます。IT勉強会には名刺を持っていきましょう!
一般に配布している名刺 |
勉強会用の名刺 |
●ノートパソコン
ノートパソコンは必須ではありませんが、筆者の場合はパソコンでメモを取るため、ノートパソコンを持っていきます。IT勉強会では、普段聞くことのできない話をたくさん聞くことができます。ノートなど、何かメモを取るものを持っていくとよいでしょう。
●筆記用具
ノートパソコンでメモを取る場合でも、筆記用具は必須です。多くのIT勉強会では、今後の勉強会運営の参考にするために、アンケートが行われています。IT勉強会は講師、スタッフだけでなく、参加者も含めみんなで作るものですので、ぜひアンケートには協力しましょう。
●地図
初めて行く会場の場合には、道に迷ったときのために、地図を持っていくといいと思います。下見までは必要ないと思いますが、どのルートで行くか、ということは考えておいた方がよいでしょう(「何とかなるや」で行くと本当に迷います)。Google Mapも便利ですが、携帯電話の画面は小さいので筆者はプリンタで印刷した地図を持っていくことが多いです。
そのほかに、事前配布資料がある場合には目を通し、予習しておくと当日の話が理解しやすくなります。勉強会当日は印刷して持っていくとよいかもしれません。
ビジネスの場ではありませんので、それほどかしこまった名刺交換のマナーは必要ないのではと筆者は考えています。ただし、最低限のマナーとして、
・名刺は両手で渡す。「ちょうだいします」といって両手で受け取る
・受け取った名刺はすぐにはしまわない
・「よろしくお願いします」とあいさつし、絶対に無言で交換しない
ということを筆者はいつも心掛けています。いただいた名刺をぞんざいに扱うことだけは避けましょう。また、名刺にはその人の連絡先などの個人情報が書かれています。なくしたりしないよう、大切に扱いましょう。
IT勉強会の場で社会人の方と名刺交換をすることは、名刺交換のマナーを学ぶ絶好の機会です!
スーツを着ていく必要はありません。普段、外を出歩くときの服装でOKです。社会人の方も多く参加していらっしゃいますので、あまりにも派手な服装は避けましょう。
言葉遣いについても、ビジネスの場のようにかっちりとした敬語を使う必要はあまりありません。ただし、「あいさつ」はしっかりしましょう。自分があいさつをし、相手があいさつを返してくれることで、お互いがうれしい気持ちになり、また、初めてIT勉強会に参加するときの不安が大きく解消されると思います。
IT勉強会は、大学の講義とは異なります。講師の方のお話はしっかりと聞きましょう(もちろん大学の講義もしっかりと聞くに越したことはありませんね……)。大学の講義では寝ている人を見掛けますが、IT勉強会では論外です。もっとも、講師の方のお話は非常に興味深いので、つまらなくて寝てしまうという心配はほぼありません。
IT勉強会(特にセキュリティ系のIT勉強会では)では、「オフレコ」(=勉強会の会場外では公開しないことを条件にした発言)の情報が出ることが多くあります。また、IT勉強会によっては、勉強会で見聞きしたことをWebページなどに書いてはならないとしているところもあります。これらの約束事を破ると、ほかの参加者の方の迷惑になることや、場合によっては次回以降のIT勉強会が開催されない、ということもあり得ますので、これらの約束は必ず守りましょう。もちろん、「公開OK」としているものは、Webページなどに記載してもOKです。「勉強会参加レポート」として、自分のブログに掲載されている方はたくさんいらっしゃいます。ブログをお持ちの方はどんどん書きましょう!
懇親会では、20歳以上であればお酒を飲むことが多くあると思います。この際、「未成年の参加者には絶対に勧めない、飲ませない」ということを心掛けてください。また、飲みすぎてつぶれることがないよう、飲む量には気を付けましょう。「ほかの方に迷惑が掛けない」ことを心に留め、交流会を楽しみましょう。
この記事を読んでくださっている皆さんの中には、地方に住まわれている方が多いことと思います。「どうせIT勉強会って都会だけだろう」と思っていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。
筆者(小谷大祐)がまだ出身地の富山県にいた高校時代(2004〜2006年)は、IT勉強会の開催は、首都圏や近畿地方ばかりだったように記憶しています。高校2年の夏休みに、セキュリティ系のIT勉強会に参加してみようと、京都まで足を延ばして「まっちゃ139勉強会」に参加したのが、初めてのIT勉強会でした。
最近は、地方でも活発にIT勉強会が開催されています。「IT勉強会カレンダー」を見ていただくと、東京や大阪が多いのは間違いないのですが、それ以外の場所でもIT勉強会の数が徐々に増えてきていることが分かります。
最後に、これまでに述べてきた内容から、大事なことをいくつか挙げてみました。
・名刺、筆記用具、地図を持っていこう
・IT勉強会で社会人のマナーも学ぼう
・IT勉強会は都会だけでなく地方でも多く開催されている
IT勉強会は、学校の枠を離れた、社会の中で開催されています。IT勉強会に参加することで、社会について多くのことを学べると思います。さらにITについても学べるわけですから、一石二鳥です。
4回にわたって、学生から見たIT勉強会を紹介してきました。IT勉強会には、年齢に関係なく、ITに興味を持つ誰もが楽しめる世界が広がっています。あなたも、そんな世界に飛び込んでみませんか。筆者一同、皆さんとお目に掛かれることを楽しみにしております。
筆者プロフィール |
小谷大祐(こたに だいすけ)●京都大学工学部情報学科計算機科学コース3回生 関西のセキュリティ系の勉強会「まっちゃ139」に参加する傍ら、出身地の富山県では「富山インターネット協議会」運営委員を務める。主にインターネット技術に興味がある。 ▼ブログ ⇒ 小谷@京都と高岡の日記 |
筆者プロフィール |
上田浩明(うえだ ひろあき)●大阪電気通信大学 情報通信工学部 通信工学科4年 関西のセキュリティ系勉強会「まっちゃ139」に参加する傍ら、神戸情報セキュリティ勉強会「セキュメロ」スタッフを務める。セキュリティキャンプ2005に参加後、セキュリティ&プログラミングキャンプ2009ではセキュリティコースのチューターを担当する予定。主にネットワーク技術に興味がある。乗り物好きな趣味を活かして全国を飛び回る。 ▼ブログ ⇒ うえひろna日記 |
連載:学生のためのIT勉強会入門 バックナンバー
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