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第3回 ひろせまさあき――勉強会は「取りあえず行っちゃえ」

岑康貴
2008/6/3

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趣味だから、みんなで話したい

 「僕は、どっちかっていうと趣味に近いですね」

 なぜ、ほかのITエンジニアと勉強会やコミュニティを通して交流をするのかという質問に対して、廣瀬氏はそう答えた。彼にとってテクニカルなことをするということは、それ自体が趣味のようなものなのだという。

 「例えば僕が盆栽をすごく好きだったとすると、盆栽に関連した会社に勤めていても、社外の盆栽好きとだって話したくなりますよね。それと同じです。もちろん、会社で仕事としてやっていることなんですけど、同時に趣味というか、楽しい部分もある。楽しいことなんだから、会社という枠は関係なく同じ趣味を持つ者同士で集まりたいというのは、自然なことなんじゃないでしょうか」

 楽しいから集まるし、楽しいから自ら勉強会も主催する。単純だが、明確な理由だ。

 「だから、テクニカルなスキルを向上するためにとか、人脈づくりとか、そういうことのためにっていう意識はまったくないですね。結果的にそういうことになっているのかもしれないですけど」

 結果としてそうなっているかもしれないが、そのためにコミュニティでの活動を行っているわけではない、と廣瀬氏は強調した。周りにもそういう人が多いのだという。それでは、スキルの向上や人脈づくりを目的とする人はあまりいないのだろうか。

 「中にはいると思いますよ。でも、楽しめない人はダメなんじゃないですかね。変に下心があると持続できなかったりしますし、勘のいい人には気付かれたりもすると思います。だから、そういう人には人が集まってこないかもしれないですね。やっぱり面白そうな人のところに人は集まると思うんです」

会社へのフィードバックも大切

 
 

 ただ、楽しんでいるだけではなく、「会社へのフィードバックもあっていいだろう」と廣瀬氏は付け加える。例えば廣瀬氏は会社として勉強会を主催しているわけだが、それが会社にとってどういうメリットがあるのか、社内の人間に対して説明しているという。

 コミュニティの活動は「社外活動」となってしまいがちだ。しかし、そこで得たものが会社のメリットとなるということを意識することは重要だと廣瀬氏は語る。

 一方、社内で自分のテクニカルな興味関心をすべて完結させるのは、その会社が「よほど恵まれた環境でないと、あり得ないでしょう」とも語る。「社外に面白い人たちがいるのなら、そこに飛び込んでいかない手はないと思う」と廣瀬氏は話す。

行っちゃえ、そして、質問しよう

 最後に、コミュニティ活動に興味はあるが、なかなか最初の一歩を踏み出せないITエンジニアに向けてメッセージをもらった。

 「(勉強会に)行っちゃえばいいと思います。取りあえず行っちゃえ。行っても多分、損をすることはない。だったら行かない手はないと思いますね。特に東京や、都会に住んでいる人は、ぜひ行くべきだと思うんですよ。地方に行っちゃうと勉強会自体が少ないですから。ストリーミングとかもありますけど、やっぱり現場に行って、じかに聞いた方がいい。その場の空気みたいな感覚って結構、影響あると思います。それに、ストリーミングだとお酒が飲めませんからね。飲み会のためのツマミみたいなもんですから、勉強会の本編の方は」

 取りあえず行っちゃえ、と廣瀬氏はアドバイスをする。そして、実際に行ったら、実践してほしいことがあるという。

 「頑張って質問をするといいんじゃないでしょうか。自分で興味があるような内容の勉強会だったら特に。恥ずかしいので、手を挙げて質問するっていうのは結構、度胸がいることだと思います。でもそこで頑張って質問をすると、スピーカーの人にも印象に残ると思いますよ」

 行く機会があるなら行く。質問する機会があるなら質問する。できなくなってからでは遅いと廣瀬氏は強調する。もしかしたら明日突然、地方転勤になって、勉強会への参加が難しくなるかもしれない。勉強会の後の飲み会で質問すればいいやと思っていたら、その人が飲み会に来なかった、というのもよくある話だという。

 もし講師として誘われたときに「経験がないから」と断っていたら、こうしてインタビューを受けることだってなかったかもしれない。そう廣瀬氏は笑う。きっと社内でも、こうやって後輩を勉強会へと誘っているのだろう。

 

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