第6回 金曜夜に明るく易しくデータベースの勉強を
加山恵美
2008/4/7
無数にある開発コミュ二ティやユーザー会といった組織。一体どんなことをしているのか。そこではどんな人たちが活動しているのだろうか……気になっている人も多いだろう。コミュニティのメンバーに話を聞き、その実像を探る。 |
「DB2」にまつわるエンジニア交流コミュニティである「Club DB2 ナイト・サークル」。金曜日の夜にデータベースの勉強会を開催するコミュニティだ。DB2を前提に話を進めるがデータベース技術の基礎的なポイントを押さえており、エンジニア同士の交流の場となっている。
■DB2の学ぶ場、交流の場を草の根的に作ろう
渋谷にあるIBMのソフトウェア・コンピテンシー・センター、そのセミナールームに仕事帰りのエンジニアが40〜50人ほど集まる。夜7時になると講師があいさつを始めた。「みなさん、こんばんは。世の中にはほかに楽しいこともたくさんあるのに、この金曜日の夜の渋谷に、データベースの勉強会にお集まりいただけるなんて(笑)、ありがとうございます」
講師を務める日本アイ・ビー・エムの下佐粉昭氏はいつもそうやって笑いを取りながら話を切り出す。Club DB2は隔週の金曜日、エンジニアが集まりやすいように夜7時から勉強会を開始する。勉強会はみっちり2時間にも及ぶが、(筆者のようなデータベーススキルのない)初心者でもついていけるように平易な言葉でデータベース技術を解説する。
Club DB2を運営する主要メンバーと常連の参加者にClub DB2について訊いた。
今回話を伺ったClub DB2 ナイト・サークルのメンバー 上段左から野間氏、下佐粉氏、岡口氏。下段左から飯島氏、中島氏 |
――コミュニティ発足のきっかけは?
野間愛一郎(日本アイ・ビー・エム:Club DB2 主宰) 「コミュニティを発足する前にふと気づいたのです。エンジニアがDB2を学ぶ時に役立つコミュニティの場、例えばメーリングリストや掲示板などがないと」
下佐粉昭(日本アイ・ビー・エム) 「IBMはビジネスパートナーを育てるとか情報を提供することは普段からよくしているので、そういう場ならあるのですけれどね」
野間 「エンジニア個人に対してはそういう機会は少ないのです。誰もやらないので自分たちで『やろう』と決意しました。予算もなく、とりあえず『ユーザー会』という形で集う場を作ろうと考えたのですが……」
下佐粉 「ダメだと(笑)」
野間 「『ユーザー会』と名がつくと、IBMのガイドラインでは事務局や運営体制も用意しなくてはならず、大ごとになってしまうというのです。それで草の根的な活動ができるように、『Club DB2 ナイト・サークル』という名前にしました」
■無料かつ夜に開催、だから人が集まってきた
――初回の開催はいつですか?
岡口純子(日本アイ・ビー・エム) 「もうけっこう前になりますね」
野間 「初回は2006年6月30日に開催しました。15人から20人くらい集まればいいかなと思いました。実際は予想以上で24人くらい来てくれました」
岡口 「申し込むと来てくれる確率が高いです」
野間 「おそらく技術セミナーが無料で夜に開催するというのが良かったのだと思います。通常は有料で昼間に開催というのが多いですから」
下佐粉 「有料ですと予算を立てないといけませんし、昼間ですとエンジニアはなかなか時間がとれないことが多いと思います」
野間 「これも大変でした。普段勉強会の会場として利用している施設は、本来夕方5時半までしか使えませんでした。それを夜9時まで開放してもらうことからはじまり、社内的にイレギュラーなことが多くて」
――当初はどんな雰囲気でしたか?
野間 「はじめは『10回開催する』が目標でした。しかし今日(取材時で)で38回目。よく続いています。私が強く思っていたのは、『IBMっぽくなくやろう!』でした。私は中途入社なのですが、IBMというとお堅いイメージがあります。社員は廊下を直角に曲がるような(笑)」
下佐粉 「IBMの公式なセミナーだと講師と生徒の立場が明確で、話し方も堅い感じです。独特の話し方があるんですよね」
野間 「肩の力を抜いてやりたいと思いました。その点、下佐粉や岡口は難しい技術を誰にでも分かりやすく話せる貴重な存在で、Club DB2ではこの2人の存在なくては成り立ちません」
――参加者の方におうかがいします。どこでClub DB2を知りましたか?
飯島宏孝(イー・アンド・エム) 「初回から参加しているので記憶が定かではないのですが、確かDB2 Developer DomainかDB2 Today(メールニュース)だったかと思います。当時パフォーマンスチューニングで苦戦していて、知識を得る場がほしいと思っていたところ、初回テーマが『パフォーマンス・チューニング ステップ』でしたので参加しました」
中島美貴子 「私もきっかけはDB2 Todayだったかもしれません。普段はメインフレームで仕事をしているので、少し業務とは離れますが最新の動向も知りたくて参加しました」
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