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新人しんじ君、IT業界へ

最終回　これまでの失敗と学び。明日からも頑張ります！

ナレッジエックス 中越智哉
2007/10/15

■ITエンジニアにとって、納期は絶対なんだ

　そしてお昼になり、しんじ君は同期の若尾さんとランチを取りながら、お互いの仕事について話していました。

若尾さん	私のいまの案件、結構忙しいのよね。
しんじ君	え？ 若尾さんのところは、いまがヤマ場なの？
若尾さん	そう、今月末が納品。しかも私が担当しているところが一番時間がかかってて、すごく大変で……。
しんじ君	そうなんだ？
若尾さん	もう、私の担当分だけ、納期を延ばしてくれないかなって毎日思ってる。
しんじ君	ああ、その気持ち、分かるよ。僕も前の案件でそう思ったよ。
若尾さん	やっぱり？
しんじ君	うん、でも、「納期はITエンジニアにとって絶対守るべきものだ」って、面田さんにいわれたよ。仕事で責任を果たすってそういうことなんだって。
若尾さん	そうか……でも、なんだかいまの私には荷が重いな。
しんじ君	若尾さんはきっと期待されてるから、難しいところを任されているんじゃないかなぁ。
若尾さん	そう？……なんかそのいい方、どこかで聞いたような気がするけど。
しんじ君	え、そうかな？ ははは。

エピソード8　納期はなぜそんなにも重要なのか 　→　第8回「この納期、1週間遅らせてくれないかなあ？」

■お客さまには失礼がないように、専門用語を使い過ぎないように

　午後、しんじ君はナレッジ商事へ向かいました。しんじ君が待ち合わせの少し前にナレッジ商事に到着したとき、携帯電話が鳴りました。

しんじ君	はい、中山です。
瓜山さん	もしもし、瓜山だけど、やっぱり前のお客さんが長引いちゃって、ナレッジ商事さんにはちょっと間に合わなさそうなんだ。悪いけど先に行っていてもらえるかな？
しんじ君	はい、分かりました。遠藤さんにはその旨お伝えしておきます。
瓜山さん	ありがとう、よろしく頼むよ。

　しんじ君は以前の自分の失敗を思い出しながら、遠藤さんを訪ねました。

遠藤さん	おや、今日は中山さんお1人ですか。
しんじ君	あ、いえ、瓜山も一緒なんですが、前の打ち合わせが長引いておりまして、到着が少々遅れております。
遠藤さん	そうでしたか。
しんじ君	はい、ですので先に例の機能に関しての確認をさせてください。
遠藤さん	はい、お願いします。
しんじ君	ええと、ではこの部分の処理内容なのですが……。

　瓜山さんはそれから15分ほどして到着し、打ち合わせは無事に終了しました。以前のしんじ君なら、お客さまへの説明に手間取って、時間どおりに終えられなかったかもしれません。ですがいまは、説明内容を自分なりに工夫してお客さまが理解しやすいようにしているためか、順調に終えることができました。

番外編「新人しんじ君の夏休み〜母さん、プログラムってそれじゃないんだ」

　瓜山さんはさらにもう1件、別の顧客への訪問があるということで、しんじ君は1人で会社に戻ります。その途中、しんじ君は友人の北村君から携帯メールが届いているのに気付きました。

北村君	よう、元気か？ 最近、あのSNS使ってないみたいだけど、もう飽きたの？

　しんじ君は以前、SNSに顧客についての話を書き込んで面田さんに注意されてしまったので、最近はあまりそのSNSを利用していませんでした。なので、こんな返事を出しておきました。

しんじ君	飽きたわけじゃないんだけど、ネタがなくてさ……。会社のことが書けないと、書くことがないんだよね。

エピソード7　SNSの常識・非常識 　→　第7回「今日会社であったこと、SNSに書いてもいい？」

「自分の昔のコードを見ると、ついつい直したくなるんだけど……」

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