幸せな「エンジニア」ライフの理由
かずひこ
2007/12/17
■「エンジニア」として生きていける
3つ目の幸せの理由は、本当に「エンジニア」ライフを送れることです。
私が普段働いているフランスのオフィスには、フランス人、ドイツ人、日本人のエンジニアがいて、別のオフィスでは、ブルガリア人、セネガル人、ポーランド人、ブラジル人のエンジニアが働いています。国も文化も人種もさまざまですが、お互いにエンジニアとして相手の人柄と技術力を尊敬し合いながら一緒に仕事をしています。
もちろんセールスの人やマーケティングの人もいます。しかし、実はNexediではみんなエンジニアでもあります。プロジェクトマネージャになったらプログラムは書かない。あるいは、セールスの人は技術のことを知らなくていいということはありません。それぞれが得意分野を生かしつつ、技術的なスキルを存分に発揮しています。
世の中にたくさんある職業の中から、エンジニアであることを選んだ理由は人それぞれあるでしょうが、私がエンジニアという職業を選んだ理由、それは技術的な挑戦がたまらなく刺激的だからです。周りがみんな優秀なエンジニアという環境に身を置き、日々切磋琢磨(せっさたくま)することは、1人のエンジニアとしてとても幸せなことです。
■ヨーロッパも楽しい
日本にいると、ITの世界で海外を目指すというと、アメリカ、それもシリコンバレーをイメージされる方がとても多いと思います。
確かにアメリカの市場はとても大きく挑戦しがいのあるマーケットですが、一方でヨーロッパも、EU全体で見ればアメリカ並みの市場規模です。ただし、国ごとのマーケットはさほど大きくありませんから、近隣諸国が当たり前のようにビジネスの対象になります。日本にいたときに近くの国をあまり意識していなかった私にとっては、この心理的な距離の近さはとても新鮮な感覚です。
ヨーロッパ、特にフランスは、個人主義が強い地域だとよくいわれますが、それは極端ないい方をすれば国家よりも個人が大切だというような感覚です。私のように外国人としてそこに住む立場からすれば、ナショナリズムが強い地域よりはずっと居心地よく暮らせる気がします。
■本当に面白い仕事をしよう
世の中には、さまざまなソフトウェアの開発手法からライフハックまで、よりよく仕事をするための方法論にあふれています。もちろん、身近なところから自分ができる範囲で質を高めるための工夫をすることはとても大切です。しかし、どんなに方法論を頑張っても、そもそもの仕事が面白くなければ、エンジニアとして本当に幸せにはなれません。優れた方法論を、大して面白くない仕事とだましだまし付き合うために使うよりも、本当に面白い仕事をより素晴らしい成果に結び付けるために使う方がいいに決まっています。
私はこれまで、「面白い仕事って何だろう?」と特に意識してきたわけではありません。ですが、オープンソースのために存分に働けて、技術的にもやりがいがあり、多種多様な文化や価値観を身近に感じることができるいまの生活は、私にとって本当に面白いものです。
技術に対する需要があるかぎり、エンジニアとして生きたい人が本当に面白いと感じられる仕事は、きっとあるはずです。それなのに、いつか世界を変えられるかもしれない人たちが、世界を変えられそうにない仕事で埋もれてしまうのはとてももったいないことだと思います。1人でも多くのエンジニアが、本当に面白い仕事を自ら手にして、存分に力を発揮できることを、心から祈っています。
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