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第8回 新藤愛大――「Spark projectは生活の一部」

岑康貴
2008/12/17

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コミュニティは「生活の一部」

 フリーランスとしての「仕事」と、Spark projectや勉強会開催などの「コミュニティ活動」。いずれも2007年から本格化した2つのアクティビティは、ちょうど半々の割合で新藤氏の「生活の一部」になっているという。この2つはさながら車の両輪のように、新藤氏の中で密接に連動している。コミュニティが仕事につながり、仕事で得たものがコミュニティに生かされている。

 「どちらも楽しいし、どちらも大変なときがある」

 楽しいだけではない。仕事はもちろんのこと、コミュニティや勉強会の運営にもそれは当てはまる。予想を超えて大きくなってきているため、運営方法についてもっと考えていかないといけない、と新藤氏は語る。

 だが、企業の協力を得て運営する、という方向性を新藤氏は否定した。「あくまでユーザーに近い立場であり続けたい」。そうまでして新藤氏がコミュニティ活動を続けるのはなぜなのか。

新藤氏の自室兼職場。
Macには「三度の飯よりActionScript」と書かれた紙が張ってある。

人と出会って、幅が広がった

 中学、高校とFlashにのめり込んだ。だが、周りにはFlash好きはおろか、パソコン好きすらほとんどいなかった。Flashについて語り合う人は当時、まったくといっていいほどいなかったのだ。

 ブログを始めた。Flash系のイベントに足を運ぶようになった。やがて仕事となり、コミュニティを運営するに至った。かつてからは考えられないほど多くの人と出会ったことで何が変わったか。新藤氏は「幅が広がった」と表現する。

 「いろいろな意味で、幅が広がりました。それは直接的には技術的な幅を意味しますが、実はそれだけじゃない。考え方とか、人間的な幅も広がったんです」

 「大変だけど、楽しい」と新藤氏は笑う。彼にとって、それだけの価値がコミュニティには存在する。

初心者にも、もっと参加してほしい

 Spark projectなどに集うコミュニティの人たちに対し、新藤氏は仲間意識を感じているという。Spark projectには「Flashをもっと面白くしたい」という思いが込められている。コミュニティに集まった人たちは、その思いを共有する仲間なのだ。

 「これからも、Spark projectを面白い方向に持っていきたい」と新藤氏は意欲を見せる。当面の課題は「知名度を上げること」と「Spark projectに参加するハードルを下げること」だ。いまはまだ技術レベルが高いという印象があるが、初心者にもっと参加してほしいという。

 コミュニティの魅力とは、という質問に、新藤氏は困ったような表情を見せた。「あまり言葉にしたことがなかった」。それほどまでに、新藤氏にとってコミュニティとは身近なものなのだろう。

 「取りあえず来てみて。いま、僕がつながっている多くの人は、インターネットやコミュニティを通じて知り合った人たち。参加しないのは、きっと損している」


 

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