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IT業界就職戦線

第2回 1日のうちでこんなに使っている! 情報システム


金武明日香(@IT自分戦略研究所)
2009/10/27


 IT技術は目に見えにくいが、日常生活のあらゆる部分にかかわっている。大学生の1日を追いながら、生活の基盤になっているIT技術を知ろう。

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 IT企業は、わたしたちが普段当たり前のように使っている道具やサービスを技術で支えている。IT技術は目に見えにくいが、日常生活の至るところにかかわっている。大学生のとある1日を追いながら、生活基盤として根付いているIT技術について見ていこう。

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特集:IT業界就職戦線 インデックス


AM8:40 起床。朝ごはんを食べる

 朝8時、起床。今日は1限から授業がある。やや遅刻気味だが、朝ごはんはきちんと食べる。目玉焼きが焼きあがるまでには数分かかりそうだ。

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 そもそも「システム」とは何だろうか。システムとは、ある考え方に基づいた「方法や手順の体系」を意味している。企業にとって、「システム」とは「業務の仕組み」のことを指し、「システムを開発する」とは「業務の仕組みを作る」ことである。

 「システム開発」は業務の効率化や改革を目指すものであり、「業務の仕組み」全体の一部を担うものとして位置づけられる。ユーザーにとってのシステム開発とは以下の3つにまとめることができる。この3つがそろって初めて「システム開発」が成功したといえるだろう。

  • 新しい業務の仕組みを考えること
  • 業務に合わせてコンピュータシステムを作ること
  • 業務を刷新し、その効果・効率を上げること

 システム開発には数多くの役割があり、多くの人がかかわっている。システム開発はしばしば建築にたとえられる。例えばSE=建築士、プログラマ=施工技術者、プロジェクトマネージャ=現場監督などだ。

 システムを作るには、いくつかの段階がある。まず「新しい業務の仕組みを考える」段階だ。ユーザーが、企業戦略に基づいてシステムに望む要件を定義する。要件定義は、ユーザーが主導する場合もあれば、SEやITコンサルタントが主導する場合もある。要件が決まったら、SEが要件を設計図に落とし込む。この設計は外部設計とも呼ばれる。次は「システムを作る」段階だ。設計書に合わせて、プログラマがシステムを実装する。最後に「システムを導入して、導入効果を上げる」段階だ。実装が終わったら、システムがきちんと動くかどうかをテストする。さらに検品をしたうえで納入。運用開始後には、システムを導入した効果を計測するまでがITエンジニアの仕事である。

AM9:00 電車に乗る

 学校に行くために電車に乗る。Suicaを使って改札を抜け、ついでに駅中のコンビニで「週刊モルニング」を購入。

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 Suicaには、FeliCaという技術が使われている。Felicaは、ソニーが開発した非接触ICカード技術方式だ。開発の歴史は古く、1988年に開発をスタートしている。非接触ICカードは、通信距離に応じて「密着型」「近接型」「近傍型」「遠隔型」の4つに分類できる。また、通信方式の違いによって、Type A、Type B、FeliCa方式の3タイプに分類することもできる(参考)。

 Felicaは近接型で、リーダー/ライターから10cm以内の距離にカードをかざすと、電磁波による通信を行う仕組みだ。FeliCaは現在、SuicaPASMOといった交通系カードやEdyなどの電子マネー、社員証などに幅広く利用されている。

 駅では他にも、座席予約システムや全国の駅を結ぶオンラインネットワーク、無人駅管理システムなどが開発、運用されている。

コンビニで、バイト先で、家で使われるシステム

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