テクノロジー・コンサルティング・キャリアファイル
金融SEの活躍できるフィールドはここに――金融システム再編プロジェクトの激動
金融業界の再編に伴い、システム構築やコンサルティング支援のニーズが高まっている。業界再編に伴うシステム統合、アプリケーション・モダナイゼーションなど、大規模システムの刷新・改善に関するニーズは強く、金融システム経験を持つエンジニアが活躍できる場所はいくらでもある。 |
金融業界の一大再編。コンサルティング、システム構築の需要高まる | ||
金融分野における企業再編と統廃合が続く中、システム構築や再編に伴うコンサルティング支援のニーズが継続的に高い状況です。そのため、「需要増加に伴うメンバー確保」が最も重要な課題となっています。
岡本 美保氏 アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部 IT戦略グループ プロジェクト管理・プロセス改善 プロフェッショナル シニア・プリンシパル |
金融業界では、2000年頃から業界再編が進み、企業統合が相次ぎました。度重なる統廃合によって複雑化したシステムをスリム化すると同時に、コスト効率や柔軟性、スピードを確保して、環境の目まぐるしい変化に対応しなければなりません。今はどの企業においても「ビジネスの成長に貢献できるIT最適化」が重要命題となっています。
このようなIT最適化の取り組みに、中立的な立場で支援できる企業ということで、アクセンチュアが活躍できるフィールドはますます広がっています。
システム統合のPMO(プログラム管理オフィス)などの全社的な取り組み支援を行う場合は、全体を俯瞰的に見て状況を判断し、意思決定の支援をする役割を求められます。その点、各ベンダと中立的な立場を保ちつつ、クライアントのニーズにあったソリューションを提案できるアクセンチュアは強みを発揮できるのです。
さらにアクセンチュアは、IT戦略の立案から、システム構築、運用・保守のアウトソーシングまで一気通貫で企業における改革を支援することができる――これが、金融業界でのシステム統合プロジェクトにアクセンチュアが関わる事例が増えた理由でしょう。
お客さま企業の問題意識・ニーズは強い | ||
ITシステム統合やシステム最適化は、ビジネスとIT両面における課題を把握し、どういった判断軸で決断するかなど、取り組まなければならない課題が山積みです。 度重なる再編によって複雑に絡み合っているシステムの課題を棚卸しした上で、多様化する市場ニーズへの対応も求められます。
IT最適化を進め、コスト削減や市場への対応スピードを向上することは、お客さま企業の成長にとっては必須の取り組みであり、どの企業も問題意識を強く持っています。しかし、日本の金融システムは、それぞれの企業が独自の進化を遂げたため、いざ統合や最適化となると、やらなければならないことがとにかく多いのです。
当然、長い時間をかけた取り組みになるので、ステージを切り分けて、優先順位を付けて進めていく必要があります。
IT変革における戦略立案から実行へ―― ITコンサルティングの醍醐味 |
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「システムの老朽化対応ニーズ」も、根強いものがあります。いわゆるアプリケーション・モダナイゼーションと呼ばれるもので、メインフレームを中心としたレガシー資産をビジネス環境の変化や最新技術に対応できるシステムに移行し、アジリティを高めることを目的としたマイグレーションを検討する企業は、非常に多いです。
こういった取り組みは、新規でシステムを構築する以上に、複雑で検討要素が多い難易度の高いプロジェクトです。既存資産の活用・廃止アプローチなど、IT資産と業務との関連を理解した上で、技術的な実現性や効率性を踏まえた手法を検討する力が求められます。
具体的なやり方としては、まずお客さま企業の業務内容と業務プロセスを理解し、アプリケーションの将来像を描いて、実行計画を策定します。これらを実現していくためには、技術的な視点とともに、金融業界における各業務やシステムにおける理解や経験のある人が必要です。
金融ITに関わるキャリアの集大成 | ||
金融機関の基幹システムは歴史が大変古いので、「仕様書が存在していない」「仕様書が現状を反映しておらず陳腐化している」といった課題が頻発している上に、定年や高齢化などによる「メインフレーム技術者の不足」という問題に直面しています。
アクセンチュアは、リバース・エンジニアリングのソリューションを駆使し、インドや中国のデリバリセンターに数万行近くのコードを渡して短期間で解析するサービスの提供や、IT資産の棚卸し・分析といった作業も行います。
金融業界ではシステム再編の動きはあるものの、まだ国内での全社的な大規模マイグレーションの成功事例はそれほど多くはありません。アクセンチュアは、上述したシステム資産分析のデリバリセンター活用事例だけでなく、マイグレーションの方法論や、アプリケーション最適化フレームワークなど、各国の活用事例を保有しています。これらの「最先端の事例を紹介できる」ことがアクセンチュアの強みだと言えるでしょう。
ビジネスニーズを踏まえ、システムの“将来的な全体像”を描く企画検討から、現状分析、ディスカバリ、アプリケーション最適化、移行・廃止プランの策定と実行、最適化後の組織やITガバナンスの検討と変革――金融領域におけるコンサルタントが担当する仕事は幅広く、ITの知識や経験のみならず、ビジネスや経営の視点、マネジメントのスキルが求められます。これらの仕事は、金融ITに関わるキャリアの集大成であり、まさにコンサルティングの醍醐味といえるでしょう。
金融システム経験を持つエンジニアが 強く求められている |
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仕事そのものが幅広いため当然、活躍できる人の幅も広くなります。
まずは技術知識があるということが大前提としてあります。金融業界経験を持つエンジニアは、特にシステム最適化プロジェクトでは強く求められています。
もともと私も、金融システムに携わるエンジニアの1人でした。入社当時はメインフレーム系のSEとしてキャリアをスタートさせ、1990年代の中盤にはちょうどインターネットバンキングの構築など、システムがオープン化する動きを間近に見たものでした。
1999年にアクセンチュアに転職した時、「自分の分野を広げたかった」という思いがありました。SE時代は、すでに決まった企画を確実に実行する仕事が中心で、システム開発が次々と途切れずにやってくる日常でした。
「このまま10年、このような日々を続けるのだろうか?」――こんな疑問が芽生えていたのです。
アクセンチュアに転職して以来ずっと、証券や保険、銀行と、一貫して金融分野を担当しています。IT戦略立案の仕事は、SEの立場とは違い、お客さま企業における経営・マネジメントの考え方や戦略を理解した上で、実際の業務にどうつながっていくのかを間近に見られる醍醐味があります。
「IT/システム」という切り口から金融企業をよく理解した上で戦略立案できることは、アクセンチュアならではの面白さでしょう。
キャリアアップにつながった、 CMMIチームで開発プロセス改善 |
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もう1つ、私自身のキャリアアップとして良い経験だったのが、CMMI(Capability Maturity Model Integration=能力成熟度モデル統合)のチームに入って活動したことです。
グローバルレベルでの品質管理プログラムに取り組むことができたことは、とても貴重な体験になりました。社内の他の業種を担当する部署のプロジェクト・レビューなども担当し、結果としてアクセンチュア全社でCMMIレベル3を達成しました。
CMMI達成までは“祭り”のような大変さだったのですが、振り返ってみれば、当時はアクセンチュアも大きくなる過程で変革の時期にあり、システム構築のバックグラウンドとしてプロジェクト管理・品質管理の基礎作りをする良いきっかけになったと思います。
EVMS(Earned Value Management System)などの進捗管理の仕組みや指標も当初はほとんど通じなかったのですが、CMMIの取り組みの中で浸透していき、今ではこうした用語を使って会話ができるようになりました。
金融系エンジニアが活躍できる場所は、いくらでもある | ||
アクセンチュアのコンサルタントには、いろいろな変化を「面白い」と思えるような柔軟性を持つ人が向いていると思います。
お話ししてきたように、システム再編はとにかく解決すべき課題が複雑なので、プロジェクトの途中で方向性を変える必要も出てきます。こうした変化を「なんか面白いことが起こったぞ」と思える人は、どのプロジェクトでもすぐに活躍できると思います。
金融システムの経験を持つITエキスパートにとっては、手掛けられる仕事の幅は間違いなく広がるでしょう。
戦略立案などから関わることができ、他の業種も見られるコンサルタントという職種は、面白い選択肢だと思っています。金融分野は、今多くのプロジェクトが動いているため、自分の適性を生かせる余地が多いはずです。
前向きで好奇心を持って取り組めるエンジニアにとって、アクセンチュアはとても面白いフィールドとなるでしょう。
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提供:アクセンチュア株式会社
企画:アイティメディア営業企画
制作:@IT自分戦略研究所 編集部
掲載内容有効期限:2012年9月30日
テクノロジー・コンサルティング・キャリアファイル INDEX イノベーションで日本を支えるアクセンチュア |
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