自分戦略研究所 | 自分戦略研究室 | キャリア実現研究室 | スキル創造研究室 | コミュニティ活動支援室 | エンジニアライフ | ITトレメ | 転職サーチ | 派遣Plus |

Book Guide



 

■8月22日のオススメ
「図示」はエンジニア必須スキルだ
「図で考える」ことができる人、できない人
●久恒啓一著
●PHP研究所 2007年10月
●1470円(税込み) 4-534-03984-0

 本書は一般的なビジネスパーソン向けの書籍ではあるが、エンジニアに特にお薦めしたい。エンジニアの業務では、IT周辺の技術や製品知識が必要になる。必要に迫られてついついそちらの技術習得に目が向きがちになってしまうが、図示する能力を伸ばすことも忘れてはならない。
  例えばチームでプログラミングをする場面を考えてみよう。目標はコードを完成させることなのでコードがすべてではあるが、仲間とコードについて議論するときにさらっと図示できた方が話は早い。人間同士のコミュニケーションは言葉が基本ではあるが、1枚の図が偉大な説得力を持つ場合もあるということだ。
  図というとプレゼンテーションの場を想像してしまうが、人前で話す機会が多くない人にとっても本書で示す「図で考える」能力は磨いておいた方がいい。自分の仕事を図で表現してみれば、違った視点が開けてくると本書は示している。表紙に「仕事と人生を変える思考技術トレーニング」とあるとおり、これはちょっとした思考改革となるかもしれない。仕事の効率アップやコミュニケーション力向上など、好影響はあらゆるところに波及するはずだ。著者は「自分の仕事と社会の関わりを図にして明らかにすると、モチベーションが自然と高まる」と述べている。
  昨今IT業界ではSOA(Service-Oriented Architecture)やSaaS(Software as a Service)が話題となっているが、こうした分野でも的確な技術実装ができるかどうかは、ビジネスプロセスを明確に図示できるかどうかが鍵となっている。今後ますますエンジニアは「図で考える」能力が必要となるだろう。本書はエンジニアのレベルアップのためにきっと役立つはずだ。(ライター・加山恵美)

心に響く提案力を身に付けよう!
90分で学べるIT提案力
●小野泰稔著
●日経BP社 2006年7月
●1900円+税 4-8222-8280-5

 とかく「ゼネコン体質」といわれるIT業界。システム開発において大手システムインテグレータ(SIer)が請け負った案件を、「下請け」に出して開発させることが多いためにそう呼ばれるという。実は顧客企業から案件を受注する際もゼネコン業界と似ているところがある。受注した時点では「納品するモノ」が少しも出来上がっていないということ。完成品を売ってお金をもらう商売とはまったく異なる。だから顧客企業に対しての最初の「提案」の良しあしで受注できるかどうかが決まってしまう。つまり「提案」を売ってお金をもらう商売ともいえるのだ。
  その「提案」をいかにすれば「売れるものができるか」を解説してくれているのが本書。しかも、顧客企業が「どんなITシステムを作ったらいいのか実は分かっていない」場合でも、その要求事項を明確化する「仮説検証型の提案」が紹介されている。いわば「一歩踏み込んだ提案」をするために何をしたらいいのかまでが、実践的に書かれている。提案書の書き方を誰かに教わったことがある、という人は意外に少なく、多くの人は自己流で身に付けてきたはず。
  本書を読めば「代表的な3つの提案スタイル」や「5W1Hで問題を整理する」「採用された提案書と採用されなかった提案書の違い」といった、すぐ提案活動に役立つ内容が盛り込まれているほか、各章のラストにそこで学んだ内容をより深く理解するための「確認問題」も用意されている。自分なりのノウハウを体系的にまとめて整理するのにも役立つ。
  提案書の作成が「実は苦手」という人、「コンペで負けてばかり」という人はもちろん、IT業界だけでなくほかの業種で働く人にも示唆に富んだ内容が多いのも魅力だ。(ライター・下玉利尚明)


各書評にあるボタンをクリックすると、オンライン書店で、その書籍を注文することができます。詳しくはクリックして表示されるページをご覧ください。
自分戦略研究所、フォーラム化のお知らせ

@IT自分戦略研究所は2014年2月、@ITのフォーラムになりました。

現在ご覧いただいている記事は、既掲載記事をアーカイブ化したものです。新着記事は、 新しくなったトップページよりご覧ください。

これからも、@IT自分戦略研究所をよろしくお願いいたします。