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マイナビ×@IT自分戦略研究所 キャリアアップ 転職体験談

「転職には興味があるが、自分のスキルの生かし方が分からない」「自分にはどんなキャリアチェンジの可能性があるのだろうか?」――読者の悩みに応えるべく、さまざまな業種・職種への転職を成功させたITエンジニアたちにインタビューを行った。あなた自身のキャリアプラニングに、ぜひ役立ててほしい。

第3回 二次・三次請け企業からプライマリへ――TISへの転職

  今回のテーマ:大規模なプロジェクトの管理を経験するため、
プライマリ企業へ転職

●転職者プロフィール

S.T.さん

TIS株式会社 産業事業統括本部
サービス&コミュニケーション事業部
サービス第2部

S.T.さん(28歳/転職2年目)

【仕事内容】
データセンターの基幹システム構築
→ 旅客運送業を展開する
    親会社の業務アプリケーション保守
→ 旅行業界の
    業務アプリケーション保守
 

 「クライアントの顔が見えるポジションで開発に取り組みたい」「部分的ではなくプロジェクトの全体像を把握したい」――二次・三次請けなど、プライマリ(一次請け)ではない企業に勤務するITエンジニアの中には、そういった思いを抱えている人が少なくない。それを実現するための1つの手段がプライマリ企業への転職だ。

 今回紹介するS.T.さん(28歳)は現在、大手独立系システムインテグレータ(SIer)の『TIS株式会社』で活躍するITエンジニア。プライマリではない企業から、情報システム子会社を経て、2009年にプライマリ企業であるTISへの転職を成功させた。その決断に至るまでの経緯とは、そして転職してから見えてきたものとは、果たしてどのようなものだったのだろうか。

  下請け企業でITエンジニアとしてのキャリアをスタート
「開発技術を覚えたい」という思いもあり、転職を決意

 大学卒業後の2004年、S.T.さんは派遣専門のソフトウェアハウス会社に入社。下請けの立場でデータセンターにおける基幹アプリケーションの構築プロジェクトに参画した。新人として、主にソースコードのリバースエンジニアリングなどドキュメント整備に取り組んでいたが、「開発技術を覚えたい」というS.T.さんの思いとは裏腹に、開発に打ち込めるチャンスはなかなか回ってこなかったという。

 「非常に人数の多いプロジェクトだったので、開発だけを行うエンジニアがすでにたくさんいたんです。そのため、新人のわたしには開発の仕事が回ってきませんでした。また、下請けという立場なので、切り分けられた作業にしか取り組めず、自分の担当範囲がプロジェクト全体にどんな影響を与えているのかを把握できない、というフラストレーションも感じていました」

 ちょうどそんな風に感じていたとき、知人から別の会社を紹介され、「転職してみないか」という誘いを受けた。その会社は、これまで身に付けたVBのスキルを生かして開発に取り組める、という“理想の環境”だった。「開発技術を覚えたい」という自分の思いを実現できる上に、紹介を受けたのも絶好のタイミング。S.T.さんは1度目の転職を決意した。

  情報システム子会社で上流から下流まで幅広く経験
円滑なプロジェクト運営手法を学びたいと感じ始める

 次の職場となったのは、バスやタクシーなど旅客運送業を展開する企業の情報システム子会社。そこでS.T.さんは親会社の社内SEのような立場で、業務アプリケーションの保守プロジェクトに参画し、開発業務に取り組んだ。入社1年後からは内部設計や仕様などにも携わるようになり、システムのリプレイスプロジェクトが始まってからは要件定義などの上流工程も経験。過酷なプロジェクトではあったが、「濃密な時間を過ごし、相当きたえてもらった」とS.T.さんは語る。

S.T.さん
自分にはまだまだ足りない点が多い、と語るS.T.さん

 リプレイスプロジェクトを通じて、そのときは「やりたいことが、かなりできた」と感じていたS.T.さん。だが、プロジェクトが一段落し、保守フェイズに入る段階でこれまでの作業を振り返ってみると、詰め切れていない点、足りない点が多々あることに気付いたという。

 「メンバー1人ひとりの労働時間が長かったり、自分たちの手落ちのせいでやる必要のない業務が発生したり、エンドユーザーから不平・不満が出たり……。プロジェクトがうまく管理されておらず、強引に乗り越えている部分が多かったように感じました。もっと上手な管理の方法があるのでは、という反省が残りました」

 転職してから4年弱。技術面はある程度、経験を積むことができたと感じたS.T.さんは、次第にクライアントとの交渉や、工程管理などプロジェクト運営に関するスキルを身に付けたいと考えるようになった。小さなプロジェクトでもうまく回すのは難しいのに、大きなプロジェクトは一体、どのようにして回しているのか――。S.T.さんは大規模なプロジェクトのマネジメントを学べる会社で働きたいと、2度目の転職を決意。転職サイトやエージェントを利用しながら、約10社にコンタクトを取った。

 転職活動はとんとん拍子に進み、2カ月という短い期間でTISへの入社が決定した。最終的にTISを選んだ決め手は、プロジェクト運営手法を学びたいという自身の意欲に応えてくれる環境が整っていたのに加え、ソリューションを提供するのに制約のない独立系であるという点だった。

  プライマリ企業で、プロジェクト全体に関与
「技術追求」と「顧客満足」のバランスの大切さを知る

 2009年4月にTISへと転職したS.T.さん。入社前は期待に胸を膨らませる一方、技術以外のビジネススキルなどが足りていないがゆえに、果たして会社に貢献できるのだろうかという不安もあった。しかし、参画するプロジェクトや業務に関する説明をじっくり受けられたので、業務にはスムーズに馴染めたという。同時に個人的な時間にも、前職でのプロジェクトの問題点をしっかり整理し、仕事に生かせるようにしていた。

 入社後から現在まで携わっているのは、旅行業界における業務アプリケーションの保守プロジェクト。パートナーを含めて約30人程度のプロジェクトで、これまでのVBスキルを生かしつつ、要件定義から参画している。入社2年目にして、すでに明らかな仕事のやりがいの変化を感じているという。

 「下請け時代は局所的な関わりしかできませんでしたが、今は作業の流れに沿って、要件定義・設計段階から工程ごとに自分のやれることを増やしていき、それを基に人を動かしていくことができる。プロジェクトの頭から終わりまで、全体に関われているという実感があります」

 また、クライアントとの打ち合わせを重ねたり、実際にユーザーの現場を訪れて緊急度を感じたりすることで、これまで技術側に偏っていた意識をユーザー側に引き戻すこともできるようになった。

 「システムの“美しさ”や“良さ”の追求はもちろん大切ですが、時間の割り振りなども踏まえて、どの程度の精度をもって良しとするか、という決断をすることも大切です。もう少し作り込めばさらに“きれいなシステム”にできたとしても、現段階で十分な仕様であればテストフェイズに移行した方が、クライアントにとっては幸せということもあります」

 「技術追求」と「顧客満足」のバランス感覚――S.T.さんは、それがプライマリ企業に勤務するITエンジニアに求められる素養だと感じている。下請け時代には得られなかったユーザー側の情報に触れ、また技術に走らず客観的に工程を管理していく先輩たちの姿を観察することで、プロジェクトを円滑に動かし、成功に導くヒントをS.T.さんは着実に吸収しつつある。

 最後に、今後の目標について聞いた。

 「転職の動機ともなった、プロジェクト運営に関するスキルやノウハウを、さらに深く学んでいきたいと思っています。さらに、大規模プロジェクトの経験を積んで、コスト管理などができるようになりたいですね。大勢の人を動かす立場でプロジェクト全体を管理できるようになるのが理想です。また、将来的には下の人たちを成長させられるような、人材教育にも携わってみたいと思います」

●TIS株式会社の人事に聞いた、転職希望者に対する評価ポイント

 TISでは、上流から下流までの幅広い経験を持つと同時に、担当するプロジェクトの規模や自身のポジションに関係なく、常に高い視点で物事を見られる方を歓迎しています。

 またチームワークを重視しながらも、一方で自分のこだわりや意志を持ち、それを自分の言葉でしっかりと主張できる方を評価しています。

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ITエンジニア 職務経歴書作成ガイド 書類選考突破のコツが分かる! 職務経歴書作成ガイド
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提供:マイナビ転職
企画:アイティメディア営業企画
制作:@IT自分戦略研究所 編集部
掲載内容有効期限:2010年5月31日

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