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マイナビ×@IT自分戦略研究所 キャリアアップ 転職体験談

「転職には興味があるが、自分のスキルの生かし方が分からない」「自分にはどんなキャリアチェンジの可能性があるのだろうか?」――読者の悩みに応えるべく、さまざまな業種・職種への転職を成功させたITエンジニアたちにインタビューを行った。あなた自身のキャリアプラニングに、ぜひ役立ててほしい。

第7回 SaaSの可能性を信じて、新たな道を踏み出したエンジニアの「視点」

  今回のテーマ:パッケージ開発からSaaS開発エンジニアへの転職

●転職者プロフィール

池田尚史さん

株式会社シャノン
技術統括部
テクニカルソリューションマネージャー

池田尚史さん(32歳、転職1年目)
Twitter: @ikeike443

【仕事内容】
ERPパッケージの開発
→ SaaS型マーケティングプラットフォームの開発
 

 初期導入コストの抑制、システム立ち上げの迅速化、ソフトウェア・ハードウェアの保守・運用費用の無駄の削減といったメリットから、SaaS型アプリケーションに対するニーズが日々高まっている。新たに参入するソフトウェアベンダも増加し、日本のIT市場はSaaS時代に突入しつつある。

 今回紹介する池田尚史さん(32歳)は、SaaS型のマーケティングプラットフォーム「スマートセミナー」を展開する『株式会社シャノン』のITエンジニアだ。もともとは大手ERPパッケージベンダに勤務していたが、SaaS開発の将来性を感じ、同社で新たなキャリアをスタートさせた。池田さんの考える「SaaSの可能性」とはどのようなものなのか、話を聞いた。

  パッケージ開発に限界を感じる一方、
SaaS開発の将来性を確信

 大手ERPパッケージベンダに5年間勤務し、会計系モジュールの開発に取り組んでいた池田さん。マネージャとして5〜15人程度の開発メンバーをまとめ、製品企画から開発、運用までを手掛けていた。自ら企画し、実装して世の中に出すという製品開発ならではの面白さを感じていたが、次第にパッケージ開発ならではの限界も感じるようになったという。

 「運用にコストがかかってしまう、という点が大きいですね。パッケージ開発では、顧客先のサーバにソフトウェアがインストールされるため、バージョンが複数にわたります。そのため、バグが発生した場合、複数のバージョンをそれぞれ確認しないといけません」

 そんな中、IT業界を見渡すと、アマゾンやセールスフォース・ドットコム、グーグルなどが、次々とクラウドサービスを展開し始めている。池田さんはこうした時代の流れを見て、今後はクラウドやSaaSが伸びていくだろうと考えたという。特にグーグルが“Google App Engine”をリリースした際、池田さんは「お金をほとんどかけなくても、Googleのインフラリソースを自由に使える時代が来た」と驚いたそうだ。

 「今までのようにパッケージ開発をするよりも、もっと安いコストで顧客にメリットが提供できる時代になったと感じました。実際にGoogle App Engineを使ってTwitterのbotを作ってみたのですが、自分でサーバを用意するよりも、簡単かつスピーディーに作ることができました。パフォーマンスも非常に良かったですね」

 池田さんは「世の中は必ずクラウド/SaaSの方向に向かう」と確信した。一方で「パッケージ会社は、良くも悪くもこれまで作ってきたソフトウェア資産が膨大で、どうしてもそれに引きずられてしまう。既存の顧客をフォローしつつ、SaaS化を進めるのは困難だろう」とも感じていた。「SaaS開発に携わるなら、今の会社を出る必要がある」と思い、池田さんは新しい時代の流れに乗るため、転職を考えるようになった。

  顧客データの統計を機能開発に生かし、付加価値を生み出す
明確なビジョンを持った『シャノン』に転職を決意

 早速、池田さんはいくつかの転職サイトに登録。業務アプリケーションの開発経験という強みを生かすため、BtoBで事業展開する企業を探し始めた。だが、なかなか良い転職先が見つからず、次第にBtoCのWebサービス企業も検討するようになったという。そんなとき、BtoBでSaaS型サービスを展開する『シャノン』からスカウトメールが届いた。

池田尚史さん
SaaS時代の技術者の在り方について語る池田さん

 「知らない企業だったので、最初は断ろうと思いましたが、ひとまず会って話を聞いてみることにしました。すると、会社全体で真面目にSaaS事業に取り組んでいる企業だということが分かりました。BtoBでSaaSに本気で取り組んでいる企業は少なかったので、興味を引かれました。また、ねらっている市場や、目指すビジョンが非常に明確だったのもポイントでした」

 さらに池田さんはこう続ける。

 「パッケージでは、顧客のデータは顧客企業のサーバの中にあります。そのため、そのパッケージがどのように使われているかが見えづらいという欠点があります。しかし、SaaSであれば、顧客のデータは自社サーバに蓄積されます。もちろんデータの中身そのものを見ることはできませんが、データ全体の統計が取れるため、次の機能開発に生かすことができるんです。わたしは、それをもとにどれだけサービスに付加価値を付けられるかが、今後のIT業界において勝負の分かれ目になると考えていました。シャノンもわたしと同様のビジョンを持っていて、非常に共感できました」

 同社が持つ明確なビジョンと、SaaS開発そのものの将来性――池田さんは迷わず転職を決めた。前職では給与面での待遇が良かったため、収入への不安はあったが、それでもITエンジニアとして、新しい技術や考え方に触れながらチャレンジし続ける方が楽しいだろうと考えた。

 「前職ではマネジメント業務が中心になっていたので、シャノンでは1人のプログラマとして開発に携わりたいと考えていました。現在のIT業界は、これまでとは異なる技術開発のスキルが求められる、大きな転換点に差し掛かっています。だからこそ、自らコードを書き、試行錯誤して、新しい技術の本質を学ばなければと考えたのです」

  アプリケーションからインフラ、コストまで
トータルな意識を養えるのがSaaS開発の醍醐味

 シャノンはSaaS型プラットフォーム「スマートセミナー」を提供している。これは、申し込みフォームや告知サイト作成、受講票配信、来場者管理などのセミナー/イベント運営業務や、メール配信、資料請求管理、見込み客データの管理など、マーケティング業務を一元管理するためのサービスだ。

 池田さんが現在担当している主な業務は2つある。1つは、スマートセミナーAPIを利用したシステム間連携に伴う導入サポート。もう1つは、顧客データの価値をさらに向上させるような新サービスの開発だ。肩書き上はマネージャだが、プレイヤーとしての側面が強く、まさに希望通りの仕事に取り組めている。転職後、新鮮に感じたことについて池田さんはこう語る。

 「新しい技術を次々に採用していく姿勢に驚きました。また、自社の基幹業務にもSaaS型サービスを使用するなど、提供している技術を、まずは自分たちが試してみるという姿勢が徹底されています。もちろん、スマートセミナーも利用しています。こういうのを『自分のドッグフードを食べる』というのですが、それが自然にできているという点も素晴らしいなと感じています。アジャイル開発を採用し、自動テスト・自動ビルドなどの環境が整っているのもうれしいですね」

 また、SaaS開発ならではの醍醐味も肌で感じているそうだ。

 「SaaS開発の特徴は、パッケージ開発に比べて負荷が読みにくいという点です。SaaSはインフラを含めたサービス提供となるので、事前にスケールを考慮して設計しなければなりません。もちろん、それに伴ってコスト計算も必要になります。必要なサーバ数などを考え、売り上げとコストのバランスを考慮しながら設計・開発を進める日々です。苦労はありますが、その分やりがいもありますし、自分自身の成長の可能性も感じられますね」

 「アプリだけ書きたい」「インフラだけを担当したい」というように、自分で業務範囲を決めてしまうITエンジニアだと、SaaS開発は厳しいかもしれない、と池田さんは語る。

 最後に、今後シャノンで実現したい目標について聞いた。

 「まずは、いま手掛けている新サービスを無事リリースし、顧客を増やしたいですね。あとは、弊社の企業ブランドの認知度向上に向けて、エンジニアとして何ができるかを模索し、実行していきたいと思います」

●株式会社シャノンの採用担当に聞いた、池田さんの評価ポイント

  日本で数少ない大手パッケージベンダで培われた製品開発の経験と、チームで製品リリースをしてきたマネジメント経験を評価しました。特に、5年間にわたって1つの製品や技術を突き詰めてきた経験から、ITエンジニアとしても“軸”や“深さ”を持っていることが期待できました。

  使用言語などのテクニカルスキルは、それほど気にはしませんでした。Web周辺のご経験があまり多くはなかったのですが、ご自身で新しい技術を使い、Google App Engineを使って実際にTwitterのbotを開発するなど、自ら手を動かす姿勢を高く評価しました。マネージャという立場でも、自ら学ぶ姿勢を忘れない前向きな意欲を、ぜひ当社で生かしてほしいと考え、採用に至りました。

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提供:マイナビ転職
企画:アイティメディア営業企画
制作:@IT自分戦略研究所 編集部
掲載内容有効期限:2010年9月30日

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