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次世代DBエンジニアに必要なすきるはこれだ!

エンタープライズシステムの根幹を成すデータベース。時代の流れに合わせてデータベースも進化し、またデータベースエンジニア(DBエンジニア)自身も技術を磨いてきた。そしていま、データベースがさらに進化するに連れ、DBエンジニアはどういうスキルを身に付けるべきなのか。日本オラクルが、その問いに答える。

時代のニーズを見極めろ!

 ITエンジニアの仕事を一言でいえば「顧客企業の要望に合ったシステムを開発する」ことだ。ただし、一口に「システム」といっても、ハードウェアやネットワーク、データベース、OS、アプリケーションなど、さまざまな技術から構成されている。こうした技術要素に基づいて、専門のITエンジニアがいるわけだ。

 この中で、肝となるのがデータベースだ。この設計が不十分だと、データの統一性やパフォーマンス、使い勝手などあらゆる面で支障を来たす。エンドユーザーから見ると、アプリケーションの機能やユーザーインターフェイスがシステム性能を左右すると考えがちだが、その裏で動くデータベースこそ、システムを支える“縁の下の力持ち”として、重要な役割を担っている。当然、データベースエンジニア(DBエンジニア)に求められるスキルも高くなる。

 日本オラクル 製品戦略統括本部 Grid/EPM/BIビジネス推進本部 担当シニアマネジャーの桑内崇志氏は「商用のRDBMS『Oracle Database2』が誕生したのが1977年。その後30年間にわたり、時代に応じた技術トレンドを取り入れ、Oracle Databaseを進化させてきましたが、その時代によってDBエンジニアに求められるスキルセットも変わってきています。もっといえば、DBエンジニアだけでなく、ITエンジニア全般のスキルセットも、時代要請に合わせてどんどん変化しています。いま、どのようなトレンドが来ているかを見極めないと、どんどん取り残されてしまうでしょう」と警鐘を鳴らす。

DBの技術トレンドとスキルセットの関係

日本オラクル 製品戦略統括本部 Grid/EPM/BIビジネス推進本部 担当シニアマネジャーの桑内崇志氏は、世界で7人しかいないOracle Databaseのエバンジェリスト

 桑内氏は、ITの変化について、(1)オープン化、(2)インターネット黎明期、(3)インターネット普及期、(4)現在の4つに分けて説明する。

 まず(1)オープン化は、1990年代半ばを境に一気に進んでいった。このころ登場したのが「Oracle 7」だ。基幹システムのオープン化は、いまでこそ当たり前だが、当時は「強固なメインフレームで稼働していた業務をオープンシステムに切り出したとき、安定性や信頼性、パフォーマンスを保持するにはどうすればよいか」という点がIT業界の大きなテーマとなっていた。

 そこを一手に担っていたのがDBエンジニアのチューニングスキルだったといえる。データベースそのものの信頼性もさることながら、その性能を引き出す最適なパフォーマンス設計やチューニングがポイントだったわけだ。

 (2)のインターネット黎明期に入ると、インターネット経由でアプリケーションを配布/使用することが一般的になってくる。1990年代後半(1998年ごろ)のことだ。従来との最大の違いは「ユーザー数がまったく読めないことでした」と桑内氏は語る。メインフレームでも処理しきれない、数千〜数万人というユーザーを想定したキャパシティプランニングやチューニングが肝となった。こうしたニーズに対応したのが、1998年にリリースされた「Oracle 8/8i」だ。パーティショニング機能の搭載、Java対応といった機能進化により、インターネット黎明期を乗り越えていった。

 (3)インターネット普及期も、基本的には同じ流れだが、桑内氏によれば「技術的には大きなブレイクスルーがありました」という。それがReal Application Clusters(RAC)と呼ばれる技術だ。「インターネット黎明期でも、単体システムとしての性能は問われていましたが、システムがどんどん巨大になると、『サーバを組み合わせ、それに応じてリニアに性能が上がっていく』クラスタリング技術が必要になりました。eビジネスという言葉も登場し始め、システムの巨大化が進んだころです。これに合わせて登場したのが、『Oracle9i Database』でした」という。時は2001年、21世紀の始まりとともにリリースされた製品だ。

「全体的なアーキテクチャ設計」が今後のカギ

 では、現在はどうか。

 「ここ数年、オープン化がかなり進んできて、次に『安定稼働』や『運用コスト』が大きなテーマとなっています。昨今では、例えば『グリーンIT』というように、地球環境に対して優しいシステムであったり、低コストで安定した運用が必要とされています。これまでのように『とにかく巨大に』『次々と開発』という拡大路線から、社会インフラとして『どう運用するか』が問われるようになってきたのです」(桑内氏)

 ここで日本オラクルが「Oracle Dabase 10g」とともに打ち出したのが、「グリッド・コンピューティング」という考え方だ。簡単にいえば、「社内外にあるさまざまなアプリケーションのコンピュータリソースを共有しよう」という考え方だ。

 グリッド・コンピューティングは、サーバやハードウェアでよくいわれる技術だが、オラクルが提供するグリッド・コンピューティングも、基本的なアプローチは同じもの。先述のRACを進化させ、共通データベース基盤を持ち、複数のノードを共有してデータベース障害時の無停止やりソースの共有を実現する(図1「Oracle Grid次世代インフラへの潮流」参照)。「こうなると、単体システムでのパフォーマンス・チューニングのスキルではなく、ビジネス要件に合った全体的なシステム設計スキル、ユーザーのビジネス要件に応じたシステムを構築するスキルが重要になります」と桑内氏は説明する。

図1 「Oracle Grid次世代インフラへの潮流」。RACを進化させ、共通データベース基盤を持ち、複数のノードを共有してデータベース障害時の無停止やりソースの共有を実現するようにOracle Databaseは発展してきた。この発展が求められるスキルにも影響を与える。画像をクリックすると拡大して表示できます

 また、ミドルウェア層に共通のインフラが存在することで、これまでのようにハードウェアやOS、アプリケーションなど縦系列を考慮したシステム開発とアプローチが異なってくる。簡単にいえば、インフラ設計とアプリケーションが分離されることで、アプリケーションの設計・開発が効率化されるというメリットも生まれる。

要素技術の枠にとらわれない柔軟性を

 以上のことから、これからのDBエンジニアは、特定のシステム専用のチューニングスキルやトラブル・シューティング・スキルといったピンポイントな技術知識ではなく、システムの「アーキテクチャ設計」であったり、顧客データや商品データなどの「全マスターデータの設計/管理」など顧客のビジネス要件を設計・管理するといったスキルが求められてくるだろう。これまでのようなチューニングであったり、トラブル・シューティングへの対応はむしろデータベース自体に組み込まれた自動管理機能が担っていく。昨年(2007年)に登場した「Oracle Database 11g」は、グリッド技術を進化させ、さらに「ビジネス変化により、増大するデータ」「安定稼働」「コスト削減」といったIT課題に対応するものとなっている。「Oracle Database 11gは、DBエンジニア個人というより、ITエンジニア/業界にあるすべてのIT課題に対するソリューションといってもいいでしょう」と桑内氏は語る。

 まずシステムの安定稼働についてだが、昨今人気の高い動画/音楽配信といったインターネットサービスを考えてみると分かりやすい。大容量データを瞬時にさばく技術はもちろん、安定運用中でもサーバの増強やシステムを止めないバッチ適用などシステムの逐次変更が求められ、運用のためのビジネス要件は年々厳しくなってくる。

 これに対応する「Oracle Database 11g」の目玉機能が、Real Application Testingだ(図2を参照)。これは本番環境の状態をキャプチャしてテスト環境に再現する機能で、テスト計画・実行の短縮はもちろん、テストの精度も向上するというものだ。そのほか、自動障害診断や自動SQLチューニングなど、データベース本体に障害/パフォーマンス向上の自律化を施すことで、DB/ITエンジニアの作業負荷を削減。これはユーザーから見ると、コスト削減というメリットにもつながる。

図2 Oracle Real Application Testingによるテスト期間の短縮。本番の環境で発生したワークロードをすべてキャプチャし、テスト環境で実現できる

 また、「増え続けるデータをいかに管理していくか」というニーズにも対応し、データを平均2〜4倍圧縮するデータ圧縮機能を搭載する。そのほか、システム無停止状態でのオンラインパッチ適用やメンテナンスなど、“止まらない”システム実現に向けた機能強化がなされている。

 「あるシステムに特化したチューニングやトラブル・シューティングにITエンジニアのノウハウが要求されるのは、徐々に過去のものとなりつつあります。もちろん、パフォーマンス・チューニングやトラブル・シューティングの重要性は変わりませんが、それよりも顧客のビジネス要求に応え、パフォーマンス要件や運用要件を満たすシステム・アーキテクチャをいかに『設計していくか』というノウハウが問われます。これはDBエンジニアだけに限らず、ITエンジニア全般にわたって、そのようなスキルセットが要求されると考えるべきでしょう」と桑内氏は語る。

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掲載内容有効期限:2008年3月31日




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