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マイナビ転職×@IT自分戦略研究所
「キャリアアップ 転職体験談」

第19回 ネットワークも企画もできるエンジニアになりたい――転職で明確になったキャリアパス

「転職には興味があるが、自分のスキルの生かし方が分からない」「自分にはどんなキャリアチェンジの可能性があるのだろうか?」――読者の悩みに応えるべく、さまざまな業種・職種への転職を成功させたITエンジニアたちにインタビューを行った。あなた自身のキャリアプラニングに、ぜひ役立ててほしい。

  ネットワーク構築・運用→サービス企画エンジニアへの転職

転職者プロフィール

【転職者プロフィール】
上山純一さん(31歳)

2010年11月入社
さくらインターネット 開発部


【転職前】SIer→ISPでインフラ設計・運用
【転職後】「さくらの専用サーバ」などのネットワーク担当。サービス開発

 さくらインターネットが提供するサービス「さくらの専用サーバ」に、新シリーズ「エクスプレスG2シリーズ」が7月31日に追加された。

 同時提供されたオプションサービス「ファイアウォールサービス」の開発を手掛けたのは、「サービス企画に携わりたい」という強い思いを持って同社に転職したネットワーク・エンジニア、上山純一さんである。今回のリリースは、彼が関わった最初のサービス企画であった。

 「新しいものをアイデアの段階から考え、実現することが好き」という上山さんは、転職によってサービス企画に携わるチャンスを得た。そして1年かけて企画・開発に取り組み、見事にリリースを成功させた。

 「これまでのネットワーク技術の経験を生かしながら、サービス開発に関わったことで、エンジニアとしてのキャリアパスが明確になりました」

 そんな上山さんに、念願のサービス開発に至るまでの道のりを聞いた。

  じっくり技術を学べる環境へ――SI企業からISPへ

 上山さんがサービス企画に興味を抱いたのは、大学院で経営工学を専攻していたころのことだ。

 学部時代はプログラミングとは無縁だったが、経営工学の授業などでプログラミングをする機会があった。また、趣味でもCやJavaなどを使っていたという。

 IT系のサービス企画ができる会社への就職を志し、大学院修了後はSI企業に就職。ところが、配属先は開発部だった。

 「サービス企画をするには技術的なバックグラウンドが必要、との判断だったのだと思います。私としては趣味でプログラミングなどをしていたバックグラウンドもあったので、“趣味が仕事になった”くらいの気持ちですんなりと受け入れられました」

 上山さんは、常駐先でインフラ構築などに携わった。だが、会社の度重なる組織改編により、短い期間で常駐先を転々とするようになり、2年目の上山さんは転職を考え始める。

 「やはり、1つの環境でじっくり技術を学びたいという思いがありました。ネットワーク関連の仕事をしていましたが、ベンダに発注するのが主な業務だったので、自分で作り上げていきながらネットワーク技術をしっかり勉強したい、と思うようになったのです」

 「ネットワークの仕事があり、かつ設計・構築だけではなく、サービス運営にも携われる企業」を目指し、上山さんは転職活動を開始。第2新卒扱いで、大手インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)に転職した。

  運用だけの仕事をする気はなかった

 転職先のISPでは、最初にテクニカルサポートを経験。いくつかの障害対応をした後、ネットワーク構築や設計も経験した。さらに、サービスの運用ポジションにも長く携わった。

 ISPでの最も印象的だった仕事は「運用の仕組みを作り直した」ことだという。

 「それまではサービスに何か問題が起きても、その場で都度、対応しているだけで、ナレッジがたまりませんでした。そのため、数年前にあった問題が繰り返し起きる、といったことがたびたびあったのです。そこで、問題点を共有する仕組みを作りました」

 新しい仕組みを作る、というところに、上山さんは魅力を感じていた。1年ほどかけて、何人かのチームで考えをまとめ、自ら実装して仕組みを作り直した。

 「サービス開発にはいずれ携わりたい」という思いを持ちながら、上山さんは仕事を続けた。仕事内容やチームに不満はなかったが、転職して3年がたったころ、組織変更がきっかけで、上山さんは再び転職を考え始める。所属部署ではこれまで運用と開発を一緒に行っていたが、変更に伴い、“運用専門”の部署になってしまったのだ。

 「運用チームは、手を動かすだけのポジションです。それでは、サービス企画などに携わるチャンスがないし、キャリアアップにつながらない。すぐに転部届を出しましたが、転部希望が通る見込みはなさそうでした」

 上山さんはそれから、1カ月もしないうちに転職活動を始めた。

  エンジニアをしながらサービス企画に携われる、理想の職場

 2010年5月、上山さんは転職活動を開始。サービスを提供しており、かつ企画に携われるチャンスがあるということで、ISPとホスティング企業をメインに考えていた。とはいえ、ISPはすでに経験していたので、ホスティング企業に行きたい、という思いが強かったようだ。

 紹介会社からもらったいくつかの紹介の中に、さくらインターネットがあった。

 「さくらインターネットは、ホスティングとしては第一人者という認識がありました。早速受けてみることにしました」

 募集職種は「サーバ・エンジニア」だったが、面接では「サービス企画から携われる」という話が出た。その一言が決め手になったと、上山さんは当時を振り返る。

 「エンジニアをやりながら、サービス企画もできる。これは理想でした。自分のスキルを生かしつつ、新しいことができると思ったのです」

 仕事を続けながらの転職活動だったため、夜勤明けで面接に臨むなど、いくつか大変なことはあったものの、上山さんは無事に内定を獲得。「自分のキャリアパスがはっきり見えた」ことが決定要因となり、他の企業は一切受けずにさくらインターネットへの転職を決める。

  転職間もなく、念願の「サービス企画」に関わる

 2010年11月、上山さんはさくらインターネットに転職し、開発部に配属される。

 上山さんのチームは、同社が提供するさまざまなサービスの構築・運用を行う部署だ。仕事内容には、上山さんが希望していた「サービス企画」もあった。大学院時代から希望していた「ITサービス企画」に、ついに関わることができるようになったのである。

 「さくらインターネットには、企画部門がありますが、企画そのものは開発部のエンジニアから上がることが多いんです。エンジニアがアイデアを出して、企画部がプロジェクト・マネジメントをしてリリースする流れです。企画と開発が一緒に仕事ができる環境は、わたしが望んでいたものでした

 チームにいる7人のエンジニアはそれぞれ得意分野があるが、上山さんはその中でも数少ない「ネットワークが分かるエンジニア」のポジションだった。転職して間もなく、ネットワークの知識・技術を生かしてほしいと、「エクスプレスG2シリーズ」の仕事が上山さんに舞い込んだ。

 「ネットワークは自分の得意分野なので、それを生かしながら企画という新しい仕事を経験できたのは、本当に楽しかったです」と顔をほころばせる。

  構築・運用の経験をサービス企画に生かせた

 上山さんは運用の経験もあったので、「どういう構成にすれば運用が楽か」という、ネットワーク全体の最適化を考えながら設計したという。

 初めて企画から開発まで手掛けた仕事なので不安はなかったか、と聞いたところ、「チューニングしているので自信はあります」という、頼もしい答えが返ってきた。

 これまで培ってきたネットワークのスキルを生かしつつ、念願のサービス企画に携わることができたのである。上山さんは今回の仕事を経て、あらためて「自分で考えて自分で作る」ことの楽しさを実感したという。

  転職で、キャリアプランが明確になった

上山さん「今後やりたいこと、
キャリアプランが明確になった」

  上山さんが得たのは、サービス企画という新しい経験だけではない。エンジニアとしてのキャリアプランも明確になってきた。

 「今回関わったのはネットワーク分野だけでしたが、いずれはサーバ、さらには新規サービスの企画にも携わっていきたいです。ゼロベースから考えて、運用まで含めた全体的な企画をしていけるエンジニアになりたいですね」

 構築・運用まで含めた技術バックエンドを持ち、かつサービス企画ができるエンジニアはそう多くない。しかし、こうしたエンジニアへのニーズはどんどん増えている。上山さんのように企画に興味を持つエンジニアが活躍できるフィールドは、今後ますます広がっていくことだろう。

●人事に聞く、上山さんの評価ポイント

 上山さんはISPで運用経験があり、その運用構成がさくらインターネットの提供するサービスと近かったため、「即戦力になってもらえる」という期待がありました。

 さらに、上山さんはネットワークの全般的な知識を持っていました。設計・構築・運用まで、全般的なスキルを持つネットワーク・エンジニアはそう多くはありません。

 さくらインターネットでは、新規サービス開発をする上で必要なスキルと意思を持つエンジニアを求めています。上山さんは、「自分で企画したい」という強い意思を持っており、当社の方向性と合うと感じました。

 受け身の姿勢ではなく「これをやりたい」という主体性があり、かつやりたいことの方向性が明確だったことも高評価だったため、採用に至りました。

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提供:マイナビ転職
企画:アイティメディア営業企画
制作:@IT自分戦略研究所 編集部
掲載内容有効期限:2012年8月31日

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