マイナビ転職×@IT自分戦略研究所
「キャリアアップ 転職体験談」
第24回 日本マイクロソフトで、
グローバルに活躍する製品の第一人者を目指したい!
「転職には興味があるが、自分のスキルの生かし方が分からない」「自分にはどんなキャリアチェンジの可能性があるのだろうか?」――読者の悩みに応えるべく、さまざまな業種・職種への転職を成功させたITエンジニアたちにインタビューを行った。あなた自身のキャリアプラニングに、ぜひ役立ててほしい。 |
ソフトウェア開発者から、 日本マイクロソフトのサポートエンジニアへ |
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WiMAX関連の研究者向けソフトウェアの開発に携わり、日々最先端の技術に触れていた坂田直美さんは、2012年に転職し、日本マイクロソフトのサポートエンジニアという別のキャリアを選んだ。
希少価値のあるスキルを持ちながら、キャリアチェンジに踏み切ったのはどうしてだろうか。また、なぜ日本マイクロソフトのサポートエンジニアだったのか。
そこには、研究開発という最先端を行く分野であるがゆえの悩みと、将来への高い志があった。坂田さんのチャレンジ、今後の大きな夢について、話を聞いた。
【転職者プロフィール】 坂田直美さん(24歳) 日本マイクロソフト グローバルビジネスサポート コマーシャルテクニカルサポート エンタープライズプラットフォームサポート サポートエンジニア (2012年8月入社) 【転職前】 中規模SIerにて無線基地局・移動局のソフトウェア開発メンバーとして、主にネットワーク階層機能の設計・開発、システムのネットワーク運用設計を担当 ↓ 【転職後】 日本マイクロソフトにて、WindowsネットワークやActive Directoryのテクニカルサポート業務を担当 |
研究開発分野で最先端の業務に携わっていたが、 その分野ならではの課題があった |
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新卒で前職のSIerに入社し、ソフトウェアの開発を手掛けていた坂田さんだが、元からIT業界を志望していたわけではなかった。学生時代には応用情報技術者試験(当時の名称はソフトウェア開発技術者試験)に合格していたものの、会計分野にも興味があり、就職活動の際「いろいろ悩んだ末にITの道を選んだ」という。
開発はLinux上でC言語を用いて行っていた。坂田さんは業務を通じて一から必要スキルを身に付け、3年3カ月間勤めるうち、設計・開発・テストまでの工程をトータルに手掛けられるほどに成長した。
しかし、そんな坂田さんにも悩みがあった。それは研究開発分野に携わるゆえのものだ。
「研究開発に用いるソフトウェアは、求められる結果さえ得られればよく、品質向上にあまり手を掛けられないというのが実情でした。またユーザーが研究者に限定されているため、商用ソフトウェアや業務用アプリケーションのように、不特定多数のユーザーに向けたUIの工夫などには、あまり注力していません。従って、『このままでいいのか』との思いがありました」
自身のキャリアを広げるために、一度は商用ソフトウェアや業務用アプリケーションを経験しておきたいという思いが次第に強まっていった。
とはいえ、この段階で特に転職を強く意識したわけではない。世の中には、ほかにどのような仕事があるのかという思いから、坂田さんは転職サービスに登録した。
「ユーザーと接する仕事」「英語力を伸ばせる環境」―― キャリアプランが明確に |
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まずは興味が先に立って転職サービスに登録した坂田さんだが、エージェントから転職先に対する希望を聞かれるうちに、自身のキャリアプランが明確になり始める。
「転職先の希望として、商用ソフトウェアまたは業務用アプリケーションなどを扱っていて、ユーザーと直接接する機会があり、技術と英語力が伸ばせる環境が望ましいと伝えました」
この中で注目すべきは、「ユーザーと接する機会」と「英語力を伸ばせる環境」という2点だろう。
坂田さんは前職時代、ほとんどのプロジェクトで上司から要求仕様を伝えられ、設計・開発に取り組んでいた。しかしあるとき、ユーザーである研究者と直接話す機会を得た。
「要求仕様が二転三転することも珍しくありませんでしたが、なぜそのような事態に陥るのか、上司からは情報を得られていませんでした。ところが、直接研究者の方にお会いすることができて、それまでの疑問が氷解したんです」
研究者がどのような目的で研究を行っているのかを知ることで、なぜ仕様変更が起きるのかが理解できたのだ。この経験から、ユーザーと直接関わることの大切さを学んだという。
また、最先端の研究開発分野では国内に先行事例がないため海外の文献に触れることも多く、さらにオフショア開発も行っており、日常業務で英語を使う機会が多かった。せっかく身に付けた英語力だけに、転職後も伸ばしていきたいという思いが強かった。
坂田さんの希望を聞き取った転職エージェントは、ほどなく複数の候補を提案してきた。いずれも開発職ではなく、テクニカルサポートという仕事だった。
これまで開発一筋だった坂田さんだが、転職エージェントからテクニカルサポートという仕事を紹介されたときの感想は、意外にも「面白そう」というものだった。それまでは1人で開発を行うことも多かったので、チームで仕事を進めるというところに魅力を感じたのだという。
経験を生かし、今後のキャリアが大きく広がる環境を選択 | ||
転職エージェントから紹介された仕事の中で、最後まで候補に残ったのが、外資系通信会社のモバイルネットワークに関するテクニカルサポートと、日本マイクロソフトでのネットワークやActive Directoryに関するテクニカルサポートの2つだった。
「結局、前職での経験が生かせそうなインフラに関連する仕事が候補に残りました」と坂田さんは当時を振り返る。
日本マイクロソフトを選んだ決め手は何だったのだろうか。
「面接でいろいろ話を聞いて、心が決まりました。特に当社のマネージャから話を聞いたときに『今後のキャリアの広がりが違う』ということが、よく分かったのです」と坂田さんは話す。「まずはネットワークやActive Directoryのサポート業務からのスタートになりますが、日本マイクロソフトではOS、ミドルウェア、アプリケーション、各種サービスなど、幅広い製品を扱っています。将来はそれらの領域のサポートにまで、可能性が大きく広がると感じました」
また、英語力を生かすという面でも非常に有利だという。テクニカルサポートのスタッフに求められる英語力の最低ラインはTOEICで550点相当だが、英語力が高まれば、新たな職域にもチャレンジできるのだ。
配属部署にもよるが、日本マイクロソフトのサポート拠点では、国内のサポートだけを行っているわけではなく、海外からの問い合わせにも対応している。さらにいえば、日本語によるサポートは、米国本社や海外の現地法人のサポート拠点でも行われている。
例えば、24時間体制でのサポートには、国内だけでなくシアトル、ロンドンでも対応している。シアトルとロンドンに日本人エンジニアが在籍し、時差を利用して日本の夜間の時間帯にも迅速にサポートを行うのだ。グローバルに拠点展開している同社ならではの24時間体制といえるだろう。
そのため、将来は米国本社や英国の現地法人で働くという可能性も広がるのだ。
こうした仕事やキャリアの広がりが決め手となり、坂田さんは日本マイクロソフトを選んだ。
前職での経験を随所に生かしながら業務を推進 | ||
現在は、大手企業の情報システム部門やSIerなどから寄せられるネットワークやActiveDirectoryに関する質問に答える仕事を担当している。
「内容は、ネットワークがつながらないという単純なものから、お客さまが利用されているアプリケーションに関わる込み入ったものまでさまざまです。総じてお客さまの知識レベルはとても高いですね」
それだけに、マニュアルを見て答えるような単純なケースはほとんどなく、実機で検証を行いながら解決していく必要がある。現在は、自分の業務用PC以外に、携帯用のノートPC、検証用PCを持ち、合計3台のPCを操りながらサポート業務を進めているという。
検証用PCにはHyper-Vを導入し、複数の仮想環境を用意して検証に当たっている。その苦労について尋ねてみると「OSのインストールは得意になりました」と明るく答えてくれた。
また、手持ちの検証用PCでは解決できないケースの場合、社内に用意されているラボを利用することもある。各種のネットワーク機器がそろえられており、より規模の大きなネットワークや複雑なネットワークなども再現できるという。
サポート業務では、前職での経験が役立つシーンもある。原因が特定できない場合にパケットの中身を直接確認することもあれば、プロセスの状態を詳細に確認するためにダンプの内容に当たることもある。こういったことも行えるのは、通信関連のソフトウェアの設計・開発からデバッグまでを経験している坂田さんならではのスキルといえるだろう。
では、転職のテーマでもあった英語力を伸ばすという目的は達成されているのだろうか。
マイクロソフトでは、サポートに関するナレッジを社内に蓄積し、世界中から参照できるようになっている。当然、海外での事例は英語をはじめとした各国語で記述されている。日々のサポートで先行事例を探す際には、必ずといっていいほど英語に触れる機会があるという。
会話については、社内の研修体制が整っており、年に14回、一対一でネイティブスピーカーのレッスンを受けられる制度がある。もちろん、坂田さんも利用している。
自身の希望が叶った今回の転職について、坂田さんは「転職して本当に良かったと思っています」と、非常に満足している様子だった。
将来の目標は2つ。海外での活躍と 「エスカレーションエンジニア」になること |
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坂田さんに、将来の目標を聞いてみた。
「目標は2つあります。1つは海外で活躍すること。現在の部署は日本のお客さまに対応するチームなので、まずは海外のお客さまに対応するチームを目指すところから始めたいですね。もう1つは、エスカレーションエンジニアを目指すことです」
エスカレーションエンジニア(EE)とは、サポートチームで解決できないような高度なケースに対応するスタッフのことで、常に米国本社の開発チームとの間で情報を共有し、製品のソースコードレベルにまで踏み込むこともあるスペシャリストだ。「EEというポジションに就く」とは、グローバルに担当製品の第一人者として認められるということである。
いずれの目標も、坂田さんにとっては、中長期的なキャリアプランということになるだろう。「当社は女性も長く活躍できる制度が整っています。在宅勤務や時短勤務が制度として用意されており、チームにも育児休暇から復帰して時短勤務を行っている女性エンジニアがいます。築いたキャリアが、決して無駄にならないのはうれしいですね」
日本マイクロソフトという優れた環境の下で、坂田さんの大きな夢は、遠からず実現するに違いない。
●人事に聞く、坂田さんの評価ポイント 坂田さんは、Windowsプラットフォームに関する技術という点ではほとんど経験がなく、即戦力の候補者というわけではありませんでした。しかし、Linux環境では高度なソフトウェア開発に携わった経験があり、また面接の中で、新しいテクノロジへの高い関心と習得意欲がうかがい知れました。未経験ながらもサポートビジネスにおけるサービスマインドの重要性も理解しており、入社後早期にキャッチアップし、われわれのお客さまとMicrosoftに貢献できる方であるという判断をしての採用となりました。 入社して1年近くたつ今も、日々新しいチャレンジが続いていますが、常に初心を忘れることなく、多様な物事に高い関心を持って取り組めているところが坂田さんの素晴らしいところだと思います。テクノロジはもちろん、対応するお客さまのビジネスにも関心を持って接しており、お問い合わせいただいた事象だけでなく、その背景や経緯を初期のコミュニケーション内で把握する能力には卓越したセンスを感じます。業務を通じた社内ネットワーク構築、チーム内コミュニケーションといった点でも評価は高く、今後はリーダーシップを発揮した役割にも期待をしています。 |
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制作:@IT自分戦略研究所 編集部
掲載内容有効期限:2013年7月31日
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