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マイナビ転職×@IT自分戦略研究所
新春Special 「日米エンジニア出身経営者対談」
第27回 ソーシャルに、コラボレーティブに、これからのエンジニアが目指すもの
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エンジニアが、エンジニアとして、キャリアアップするために |
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エンジニアを取り巻く環境は、大きく変わりつつある。これまでは、20代でエンジニアとして活躍し、30代になると昇進して「マネージャー」になるというスタイルが多かった。「システムエンジニア」は日本特有の言葉で「米国にはシステムアドミニストレーターはいるけど、これもエンジニアだよね」とロメロ氏は指摘する。「システムエンジニアという名称は、人月計算のプロジェクトでエンジニアを値付けするために作られたラベルではないか?」と橋本氏は指摘する。
日本では今まで、エンジニアが給料を増やすためには、マネジメント層への昇進を求められるのが一般的だった。技術スキルの向上によりキャリアアップする例はあまり見られない。「米国では50代のエンジニアはいい経験を積んでいて、それでリスペクトされている。エンジニアのまま活躍できるキャリアパスが存在する」(ロメロ氏)。
日本のエンジニアは、なぜそのようにならないのだろうか。「会社全体の売り上げが少ないからではないだろうか。シニアプログラマーの給与を増やすほどの売り上げがないから、シニアは管理者としてプロジェクトに参加することが一般的になっている。人月計算プロジェクトの売り方にも問題があるのではないか」と橋本氏は指摘する。
ロメロ氏は、日本の家電メーカーや自動車産業は世界が認めるプロダクトを生み出しているが、ソフトウェアはほとんど注目されていないことを指摘する。それは「日本で登場したソフトウェアを、日本だけで使っている」こと、それがエンジニアのキャリアパスがないことの原因につながると述べる。
橋本氏もキャリアパスの問題に触れ、「プログラマー35歳定年説っていうのは、人月単価での受託開発や、派遣などのビジネスモデルでは、利益づくりの仕組み上では仕方のないこと。でも、それではダメで、いい人が伸びる仕組みのためには売れるものを作らないといけない。恐らく独自の受託開発を行っている会社や製品を作っている会社には、35歳定年説なんてないと思う」と指摘する。
幾つになっても活躍できるエンジニアになるために必要なのは、すごい実装力、すごい技術力だと2人は口をそろえる。これからのエンジニアは、ニーズに合わせてスキルを付けるのではなく、自分のスキルでニーズを開拓していくべきだ、と。
橋本氏はエンジニアについて「自分でアイデアを出して、自分で実装できる。これはとても面白い。それができるエンジニアなら、具体的なロジカルシンキングと抽象的な企画アイデアという両極端のスキルを持っているので、今後経営層でも活躍できる」と考える。ロメロ氏が代表を務めるエンジンヤードも「グローバルでも社員の7割はエンジニア。日本は4人だが、全員エンジニア経験がある」。
エンジニアの役割は、これからさらに大きくなっていく。そのためには、プログラミングだけではなく、さまざまなスキルが重要になるだろう。
「気の利いた手段で、もっと快適に、もっと楽して、もっと効率良くという方法を追究していくことを『ハックする』と言うが、ハックすることは、個人のためにも、企業のためにもいいこと。意識してハックしよう」(橋本氏)。「プログラムを作り、シェアして、フィードバックをもらう。それを頑張れば次のステップが見えてくる。ぜひ、それを意識してほしい」(ロメロ氏)。
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提供:マイナビ転職
企画:アイティメディア営業企画
制作:@IT自分戦略研究所 編集部
掲載内容有効期限:2014年1月31日